1 バラムはもう、神様がイスラエル人を祝福なさることがよくわかっていたので、これまでのように、わざわざ神様にお会いしようとはしませんでした。 その代わり、すぐさまイスラエル人の野営地を眺めに行きました。
2 見ると、部族ごとに一まとまりになったテントの列が、平原を横切って、はるかかなたまで延びているではありませんか。
その時、神様の霊がバラムに下り、
3-9 こう預言しました。
「ベオルの息子バラムが知っていることは、こうです。
私は目のよく見える者です。
私は神様のおことばを聞き、
全能の神様がお見せくださったものを見ました。
神様の前にひれ伏すと、
それまで見えなかったものが見えるようになりました。
ああ、イスラエルはやがて繁栄し、
大いに祝福されます。
緑におおわれた谷間のように、家々は建ち並び、
川辺の豊かな果樹園のように、
神様が植えたかぐわしいアロエのように、
川のそばに植えた杉の木のように、水を吸って大きくなり、
どんどん領地を広げていくでしょう。
彼らの王はアガグよりも偉大で、
人々は口々にイスラエルのすばらしさをほめるでしょう。
神様は彼らをエジプトから連れ出されました。
イスラエルは野牛のように強く、
敵対する国々を全滅させるでしょう。
敵をさんざん打ち負かし、
矢を雨あられと射かけるでしょう。
ライオンのようにうずくまり、
眠っているイスラエル。
その目を覚まさせたら大へんです。
だから、イスラエルを祝福する人はしあわせになり、
のろう人は不幸になるでしょう。」
10 もう我慢できません。 あまりのことに、王はもうれつに腹を立てました。 顔は真っ青です。 怒りに身を震わせ、もうたくさんだとばかりに、どなりつけました。 「いいかげんにしろっ! おまえを呼んだのは、やつらをのろってもらうためだ。 それがどうだ。口を開けば祝福ばかりしおって。 それも一度や二度じゃない。 三度、三度もだぞ。
11 もういい、とっとと国へ帰れ。 手厚くもてなすつもりだったが、神様がじゃまするんじゃどうにもならん。」
12-13 「王様、あのとき使いの方に、『たとい、金銀で飾り立てた宮殿をいただいても、神様のおことばに背けません。 かってに自分の考えを言うわけにはまいりません。 ただ神様の言われることだけを申し上げましょう』と、はっきり念を押したはずです。
14 おっしゃるとおり、帰らせていただきます。 しかしその前に、お国がこれからどんな目に会うか申し上げましょう。」
15-19 バラムは王に預言しました。
「ベオルの息子バラムが知っていることは、こうです。
私は目のよく見える者です。
私は神様のおことばを聞き、そのお考えを知り、
そのなさることを見ました。
神様の前にひれ伏すと、目が見えるようになり、
イスラエルの将来が見通せたのです。
いつか、ずっと先のことですが、
イスラエルから一つの星が輝き出ます。
一人の王が起こり、モアブ人を打ち破り、
セツの子孫を滅ぼすのです。
エドムとセイルの全土は、イスラエルのものとなります。
イスラエルは向かうところ敵なく、
その全地を治め、町々を全滅させます。」
20 このあとバラムは、アマレク人の住む地方を見渡して預言しました。
「これまで最も強い国だったアマレク。
そのアマレクもやがて滅びるのです。」
21-22 次に、ケニ人の国を見渡して言いました。
「ケニ人の国は土台がしっかりし、
回りを岩山に囲まれて安全です。
しかしこの国も、いつかは滅びます。
アッシリヤの王がどっと攻め寄せ、
国民を捕らえ、外国へ連れ去るのです。」
23-24 最後にバラムは、こう締めくくりました。
「神様がこのとおりになさったら、
だれひとり生き残れません。
力を誇ったエベルやアッシリヤも
キプロスから攻め上る船団に手を焼き、
ついには、ひとたまりもなく滅びます。」
25 預言し終えると、バラムはさっさと国へ帰り、バラク王も自分のところへ帰りました。