エレミヤ書 11

1-3 神様はまた、エレミヤにお語りになりました。 ユダの国民と、エルサレムの全住民に、わたしが彼らの先祖と契約を結んだことを思い出させよ。 その契約を守らない者はのろわれる。 4 わたしは、エジプトの奴隷だった彼らを助け出した時、わたしの言いつけを守りさえすれば、彼らも子孫も共々にわたしの国民となり、わたしは彼らの神となると言った。 5 だからわたしに従え。そうすれば、誓いどおり、すばらしいことをしてやろう。 今日あるとおり、「乳と蜜の流れる地」を与えたいのだ。 これを聞いて、私は「神様、ぜひ、そうしてください」と答えました。 6 すると、神様は命じました。 以上のことをエルサレムの町中で、大声で伝えよ。 国中の町々を巡って、「ご先祖が神様と結んだ契約を思い出し、約束どおりに行なえ」と言え。 7 わたしは、おまえたちの先祖をエジプトから助け出した時から今日まで、口がすっぱくなるほど、「わたしのすべての命令に従え」と言い続けてきた。 8 だがおまえたちの先祖は、従うどころか聞こうとさえせず、頑として、好き勝手に振る舞った。 彼らが従うことを拒否したので、わたしは契約の中にある災いをみな下した。 9 神様はまた、私にお語りになりました。 わたしは、ユダとエルサレムの住民の間に、わたしに対する陰謀のあることを知った。 10 彼らは先祖の道にあと戻りし、わたしの命令をやぶり、偶像を拝んだ。わたしが彼らの先祖と結んだ契約を破棄したのだ。 11 だから、彼らに災いを下す。 それから逃げることはできない。 あわれみを叫び求めても、わたしは耳を貸さない。 12 そこで彼らは、偶像の前で香をたいて祈る。 だが、そんなことをしても、悩みと絶望からは救われない。 13 ああ、わたしの国民よ。 おまえたちの神々は掃いて捨てるほどあり、バアルに香をたく恥の祭壇は、エルサレムのどの通りにもある。 14 だからエレミヤよ、もう、この国民のために祈ってはならない。彼らのために、泣いたり嘆願したりしてはならない。 わたしは、彼らが最後の土壇場になって助けを求めてきても、耳をふさぐことに決めた。 15 わたしの国民は、どんな権利があって、わたしの宮に来るのか。 おまえたちは裏切り者で、ほかの神々を拝んできた。 おまえたちのいろいろな約束やいけにえが、今になって、滅びの運命をいのちと喜びに変えることができようか。 16 わたしはかつて、おまえたちを「おいしい実をたくさんつける、美しい緑のオリーブの木」と呼んだ。 ところが今度は、おまえたちを焼き焦がし、丸坊主にするために、敵という火を送り込んだ。 17…

エレミヤ書 12

1 神様。 これまでどんな問題を持ち出しても、神様はいつも正義をもって答えてくださいました。 今度は苦情を言う番です。 どうして、悪人がこんなに栄えているのですか。 どうして、心の曲がった者がこんなにも幸福なのですか。 2 神様が彼らを植えると、彼らは根を張り、その事業は発展します。 大きな利益をあげ、大金持ちになります。 彼らは、口では「神様ありがとうございます」と言いますが、心の中では舌を出しているのです。 3 ところで、神様は私の心をご存じです。 私がどんなに神様を慕っているか、ご存じです。それに、私は貧乏です。 神様、どうか彼らを、哀れな羊のように、屠殺場に引いて行ってください。 ああ神様、彼らをさばいてください。 4 いつまで、神様のものであるこの地は、彼らのなすままになるのですか。 野の草でさえ、彼らの悪事のためにうめき、泣いています。野獣や鳥は姿を消し、地は荒れ果てました。 それでもなお人々は、「神様がわれわれをさばくはずがない。 われわれは全く安全だ」と言います。 5 神様は私に、こう答えました。 もしおまえが、このアナトテの住民のような、ただの人間と競走して息を切らせるとしたら、どうして、馬や王、その家来、悪い祭司を相手に競争できるだろうか。 平地でつまずき、倒れるとしたら、ヨルダンの密林では、どうなるのか。 6 兄弟や家族の者さえ、おまえに背いたのだ。 彼らは、暴徒を呼んでおまえにリンチを加えようとした。 だから、彼らがどんなに愛想よく話しかけても、信じてはならない。 7 神様は、続けて言いました。 わたしは、わたしの相続財産である国民を見限った。 いちばん愛している者たちを、敵の手に渡した。 8 わたしの国民は、密林のライオンのように、わたしに向かってうなり声をあげた。 そのため、わたしは彼らを、毛ぎらいしている者のように扱った。 9 わたしの国民は倒れた。 わたしは、はげたかと野獣の群れに、その死体の肉を食べさせる。 10 多くの外国の支配者が来て、私のぶどう園を荒らし、ぶどうの木を踏みにじり、美しい地所を草木の生えない荒野にしました。 11 彼らはそこを荒れ地としました。 それが痛々しそうに泣いている声が、聞こえます。 全地は荒れ果てているのに、だれひとり心に留めようとしません。 12 あらゆるものを破壊する軍隊が、全地を荒らします。神様の剣が国の端から端まで暴れ回るので、だれも逃げることができません。 13 小麦をまいても、刈り取るのはいばらです。 どんなに汗水流して働いても、少しの足しにもなりません。 ただ恥を刈り取るだけです。 激しい神様の怒りが注がれるからです。 14 今度は、ご自分の国民イスラエルに与えた地を包囲する悪い国々への宣告です。 わたしはおまえたちを、ユダにしたと同じように、おまえたちの国から引き抜く。 15 だが、あとになって同情を寄せ、おまえたちの相続地である国へ連れ戻す。…

エレミヤ書 13

1 神様は私に、こう命じました。 行って、リンネルの帯を買い、それを締めよ。 ただし、水で洗ってはいけない。 2 私はさっそく帯を買って、それを締めました。 3 すると、またお告げがありました。 4 その帯を取り、ユーフラテス川に持って行き、岩の割れ目に隠せ。 5 私は言われたとおりにしました。 6 かなりしてから、また命令がありました。 もう一度でかけ、あの帯を取り出せ。 7 私はすぐさま出かけ、隠しておいた岩の割れ目から帯を取り出しました。 ところが、かびが生えて、ぼろぼろになり、とても使いものになりません。 8-9 すると、神様がきっぱり言いました。 わたしはこのように、ユダとエルサレムの誇りを腐らせる。 10 この悪い国民は、わたしのことばを聞こうともせず、悪い願望のままに生活して偶像を拝んでいる。だから、この帯のように全く役に立たなくなる。 11 帯を腰に巻きつけるように、わたしはユダとイスラエルをわたしに結びつけた。 彼らはわたしの名の栄光を現わすための、わたしの国民である。 ところが、彼らはわたしから離れて行った。 12 彼らに告げよ。 おまえたちのつぼには、ぶどう酒がいっぱい詰まっている。 これを聞いて、彼らは答えるだろう。 そんなことぐらい、わかっているさ。 われわれがどんなに富んでいるかを、別に教えてもらう必要はない。 13 そこで、こう言ってやれ。 おまえたちの性根は腐っている。 わたしは、ダビデの王座につく王、祭司、預言者、それに全国民を途方にくれさせる。 14 父と息子をいがみ合わせる。 少しもあわれみをかけず、徹底的に滅ぼす。 15 そんなに思い上がり、強情を張るものではありません。 神様がお語りになったのだから、素直に聞きなさい。 16 視界ゼロの暗やみを送り込まれる前に、手遅れにならないうちに、神様に栄光をお返ししなさい。 その時になれば、あなたがたは暗い山につまずき、倒れます。 その時には、光を捜し求めても、あるものは身の毛のよだつ暗やみだけです。…

エレミヤ書 14

1 神様は日照りについて、次のようにエレミヤに説明なさいました。 2 ユダは嘆き悲しむ。 いっさいの仕事の手を止め、だれもかれも地にひれ伏す。 エルサレムから大きな叫び声があがる。 3 貴族たちは召使に井戸の水をくませようとするが、井戸は干上がっている。しかたなく召使は手ぶらで帰り、悲しみながら頭をかかえこむ。 4 水不足で地面はからからに乾き、あちこちに地割れができる。 農夫はおびえきる。 5 どこにも草がなく、鹿は子供を置き去りにする。 6 野ろばは裸の丘に立ち、のどの渇いた山犬のように肩で息をする。目を大きく見開いて草を捜し求めるが、一本の草も見つからない。 7 ああ神様。 私たちはひどい罪を犯しました。 ですが、神様ご自身の評判のために、私たちを助けてください。 8 イスラエルの望みであるお方、困った時に助けてくださる神様。 どうして、一夜の宿を求める旅人のように、この国をあわただしく通り過ぎて行かれるのですか。 9 とまどっておられるのですか。 力がないので、救ってくださることができないのですか。 神様は私たちの真ん中におられます。 だれもが知るとおり、私たちは神様の名をいただいた国民です。 どうぞ私たちを見捨てないでください。 10 ところが神様は、こうお答えになりました。 おまえたちはわたしを離れてさすらうのを得意とし、わたしの道を歩こうとしなかった。今さら、わたしの国民として受け入れることはできない。 わたしは今、おまえたちのしたいっさいの悪を思い出し、おまえたちの罪を罰する。 11 神様はまた、私に命じました。 これ以上、この国民を祝福してくれと願ってはならない。 二度と彼らのために祈ってはならない。 12 彼らが断食しても、見て見ぬふりをする。 供え物やいけにえをささげても、受けつけない。 わたしのお返しは戦争とききんと病気だ。 13 そこで、私は申し上げました。 神様。 彼らの預言者は、戦争もききんもなく、平穏無事だと告げています。 神様はまちがいなく平和をもたらし、祝福してくださると伝えています。 14 神様はお答えになりました。 預言者どもは、わたしの名をかたって嘘をついている。 わたしは彼らを送り出しもせず、何か話すようにと命じもしなかった。 彼らは、見たことも聞いたこともない幻と啓示について預言している。 口から出まかせに、まやかし事を話す。 15 わたしはこの預言者どもを罰する。 戦争もききんも起こらないと言うが、そう言う彼らが、戦争とききんで死ぬ。…

エレミヤ書 15

1 すると神様は、こう私にお語りになりました。 たといモーセとサムエルがわたしの前に立ち、この国民のために嘆願しても、わたしは彼らを助けない。 彼らのことなど放っておけ。 わたしの目の届かない所へ追っ払え。 2 もし彼らがおまえに、どこへ行ったらいいのかと尋ねたら、わたしがこう言ったと告げてやれ。 死に定められた者は死に、剣で殺される運命にある者は剣に、ききんに定められた者はききんに、捕虜になる者は捕虜に。 3 わたしは彼らのために、四種類の殺し屋を決めておく。 切り殺す剣、食いちぎる犬、残ったものをきれいに平らげるはげたかと野獣だ。 4 ユダの王、ヒゼキヤの子マナセがエルサレムでなした悪事のために、おまえたちを厳しく罰する。 おまえたちの身に起こることは、世界中の人々に、鳥肌が立つほどの恐怖を与える。 5 エルサレムよ。 だれが、おまえのために心を痛めて泣くだろうか。 だれが、おまえの安否を尋ねるだろうか。 6 おまえはわたしを捨て、わたしに背いた。 だからわたしは、おまえを打ちすえようと、こぶしを振り上げる。 おまえに立ち直る機会を与えるのには、もう疲れた。 7 おまえを町の門でふるいにかけ、おまえが大切にしているものをみな奪い取る。 わたしの国民は悪の道を振り切ってわたしに立ち返ろうとしないので、彼らを滅ぼす。 8 未亡人の数はかぞえきれなくなる。 わたしは真昼に若い男を死に渡し、母親を嘆かせる。 彼らに突然、苦痛と恐怖を与える。 9 七人の子をもつ母親は、息子がみな死ぬので半狂乱になる。 まだ昼だというのに、目の前は真っ暗だ。 子供がみな殺されるので、子供がない女となり果て恥をかく。 10 その時、エレミヤはこう言いました。 「お母さん、なんてことでしょう。 こんな悲しい思いをするくらいなら、生まれてすぐ死んでいたらよかったのに。 どこへ行っても、私は憎まれ者です。 やかましく返済を迫ったことも、人から借りた物を返さなかったこともないのに、だれもかれも私をのろいます。 11 彼らがのろうままにしておこう。 神様。 あなたは、敵対する彼らのために私がどんなにとりなし、どんなにその助命を嘆願したかをご存じです。」 12-13 北の国の鉄や青銅のかんぬきは、どのようにしてもこわれない。同じように、この国民の強情な心も、砕くことはできない。 わたしへの罪のために、おまえたちの富と財宝を戦利品として敵に与える。 14 敵がおまえたちを捕虜とし、おまえたちの知らない国へ連れて行くにまかせる。 わたしの怒りは火のように燃え上がり、おまえたちを焼き尽くす。 15 これに答えて、エレミヤが言いました。 「神様。 私がこんなに苦しんでいるのは、神様のためであることをご存じですね。 神様のおことばを伝えたので、人々は私を迫害します。 どうか、彼らの手にかかって殺されるようなことがありませんように。 私を彼らの強い力から救い出し、彼らにふさわしい罰を加えてください。 16 神様のおことばは、私をしっかり支えます。 それは、ひもじい私のたましいにとっての食べ物です。 私の重い心に喜びをもたらし、有頂天にさせてくれます。 神様。 私は、神様の預言者にされたことを誇りに思います。…

エレミヤ書 16

1 別の機会に、神様はこうもお語りになりました。 2 おまえは妻をめとり、この地で子供をもうけてはならない。 3 この町で生まれる子供も、その両親も、 4 恐ろしい病気にかかって死ぬからだ。 彼らのために嘆いたり、埋葬してくれる者は、一人もいない。 死体は地面に放り出されたままで腐り、地の肥やしになる。彼らは戦争やききんで死に、死体は、はげたかや野獣につつかれ、引き裂かれる。 5 彼らのために嘆いたり、泣いたりするな。 わたしは彼らを保護するのをやめ、平安を取り上げたばかりか、恵みとあわれみをかけることさえやめたからだ。 6 国民は身分の高い者も低い者も、死んでも埋葬してもらえず、悲しんでもらえない。 友人でさえ、髪を刈ったり、頭をそったりして悲しみの気持ちを表わそうとしない。 7 だれ一人、悲しむ者に食事を出して慰めず、相手の両親の死を悼むしるしに一杯のぶどう酒を与えようともしない。 8 こんな悲惨なことが待っているのだから、そのしるしとして、宴会やパーティーに二度と顔を出してはならない。 彼らと食事を共にすることも許されない。 9 イスラエルの神、天の軍勢の主であるわたしが、こう言うのだ。 おまえの生きている間に、しかもおまえの見ている前で、わたしはこの国から笑い声を絶やす。 楽しい歌声、結婚の披露宴、それに花婿と花嫁の歌声はとだえる。 10 これらのことを包み隠さずに話すと、彼らはこう聞き返すだろう。「どうして神様は、こんなに恐ろしいことをなさるのか。 こんなひどい目に会わせられる覚えはない。 いったい私たちが神様に、どんな罪を犯したというのか。」 11 そうしたら、わたしの返事を知らせてやれ。 おまえたちの先祖がわたしを捨てたから、こんなことになったのだ。 彼らはほかの神々を拝み、それに仕えた。 わたしのおきてを守らなかった。 12 そればかりか、おまえたちも、先祖より悪いことをしてきたではないか。 自分たちの心のままに悪の道へ走り、わたしの言うことを聞こうとさえしなかった。 13 だから、おまえたちをこの国の外に放り出し、だれも知らない異国の地に追い払う。そこで、好きなだけ偶像を拝むがいい。 ただし、わたしは少しも恵みを与えない。 14-15 しかし、栄光に輝く日がくると、神様は宣言なさいます。 その時の話題の中心は、神様がご自分の国民を、みせしめのために奴隷として追いやった北の国々から、連れ戻すということです。 その時、おまえたちはもはや、わたしがおまえたちをエジプトから連れ戻した時のことを、なつかしそうに振り返らなくなる。 あの時の大きな奇蹟でさえ、ほとんど話の種にならなくなる。 わたしがおまえたちを、先祖に与えたこの地に連れ帰るからだ。 そう神様は断言なさいます。 16 わたしは大ぜいの漁師をやり、わたしの憤りから逃げて深い所に隠れているおまえたちを、網で引き上げる。 狩人をやって、森の中の鹿や、近づくことのできない断崖の上に立つ野やぎを狩り出すように、おまえたちを低地へ追い立てる。 わたしのさばきをのがれて逃げ出しても、必ず見つけ出して罰する。…

エレミヤ書 17

1 鉄のペンかダイヤモンドの先端で、石の心と祭壇の端に、悪いおきてが刻み込まれているかのように、わたしの国民は吸い寄せられるようにして罪を犯す。 2-3 若者でさえ罪を犯すことだけは忘れず、木々の下で偶像を拝み、高い山でも平地でも偶像に仕えている。 だから、おまえたちの全財産を、罪に見合う代価として、敵に渡す。 4 こうして、わたしがおまえたちのために取っておいたすばらしい相続財産は、おまえたちの指の間からすべり落ちる。 わたしはまた、おまえたちを奴隷として、遠くの敵国へ売り渡す。 それというのも、おまえたちが、いったん燃えたら永久に消えないわたしの憤りに、火をつけたからだ。 5 神様はこう告げます。 死んでいく人間を頼りとし、心が神から離れる者は、のろわれる。 6 そのような者には、砂漠のずんぐりした灌木のように、将来の希望など少しもない。 古き良き時代から永久に見放された彼は、草木も生えない、塩分の多い荒野に住む。 7 だがわたしを頼りとし、わたしを望みとする者は、祝福される。 8 彼は川の土手に沿って植えられた木のように、深く張った根で川から直接水分を吸収するので、暑さにもしおれず、長いかんばつでも弱らない。 葉はいつも青々と茂り、みずみずしくおいしい実をつける。 9 人の心は何ものよりも欺きやすく、芯まで腐っている。 それがどんなに悪質なものであるかは、だれにもわからない。 10 ただわたしだけが人の心を知っていて、すみずみまで探り、いちばん奥に隠された動機まで調べ上げる。 そして、一人一人にそれぞれの生き方に応じた報いを与える。 11 自分でかえさなかったひな鳥を抱く鳥は、やがて、そのひなに逃げられる。 不正な手段で富を手に入れる者も同じだ。 遅かれ早かれ富を失い、結局は哀れなおいぼれになる。 12 私たちの逃げ場は、永遠の栄光に輝く、高くあげられた神様の御座です。 13 イスラエルの望みである神様。 神様に背く者はみな、面目を失い、恥をかきます。 そのような者の名は、地上の名簿には載っていますが、天の名簿には載りません。 いのちの泉である神様を見捨てたからです。 14 神様。 私を健康にし、救ってくださるのは、神様だけです。 ですから、ただ神様だけをほめたたえます。 15 人々は私をあざけります。 「おまえがしきりに口にしていた神様のことばとやらは、いったいどうなったんだい。 おまえの言っていた脅しが、ほんとうに神様から出たのなら、どうしてそのとおりにならないんだい。」 16 神様。 私は人々が恐ろしい災難の下敷きになるのを見たくありません。 そのような計画は神様が立てたので、私が立てたのではありません。 私が彼らに伝えたのは、神様のおことばであって、私のことばではありません。 彼らが滅びるのを見るに忍びません。…

エレミヤ書 18

1 神様からエレミヤに、次のようなお告げがありました。 2 「さあ、陶器を作っている家に行け。 そこで、おまえに話そう。」 3 言われたとおりにすると、陶器師はろくろを回している最中でした。 4 ところが、彼は手がけていたつぼが気に入らなかったので、それをつぶして粘土のかたまりにし、初めからやり直しました。 5 その時、神様がお語りになりました。 6 イスラエルよ。 この陶器師が粘土にしたのと同じことを、わたしはおまえたちにできないだろうか。 陶器師の手の中に粘土があるように、おまえたちもわたしの手の中にある。 7 わたしが、一つの国が引き抜かれて滅ぼされると言った時、 8 もしその国が悪の道を捨てるなら、わたしは予定を変更して、その国を滅ぼさない。 9 また、わたしが、ある国を強くすると言った時、 10 もしその国が途中で考えを変えて悪の道に走り、わたしに従わなくなれば、わたしも考えを変え、祝福の約束を撤回する。 11 だから出かけて行って、ユダとエルサレムの全住民に、こう警告せよ。 さあ、神のことばを聞け。 わたしは今おまえたちのために、良いことではなく悪いことを計画している。 だから悪の道を捨て、正しいことを行なえ。 12 ところが彼らは、こう答えました。 「おせっかいはよしてくれ。神様の言われたことを行なう気なんか、これっぽっちもないんだ。だれからも束縛されるものか。 こうやって強情を張りとおし、悪を身につけたまま、いつまでも好き勝手な生活をしたいのだ。」 13 その時、神様はこう言いました。 たとい異教の国民の間でも、こんなことを聞いた者はいない。 考えただけでぞっとするようなことをわたしの国民がしたのだ。 14 レバノン山頂の雪は決してとけず、ヘルモン山から流れ下る冷たい水は、決してかれない。 15 これらのものは、いつもあてにできる。 ところがわたしの国民ときたら、全くあてにならない。 彼らはわたしを置き去りにして、むなしい偶像のもとに走った。 昔からの正しい道をはずれ、罪のどろ沼に迷い込んだ。…

エレミヤ書 19

1-2 神様はこうお語りになりました。 粘土で作ったつぼを買い、都の南東にある瀬戸のかけらの門に近いベン・ヒノムの谷へ持って行け。長老と先輩の祭司を数人つれて行き、わたしがあなたに伝えることは何でも語れ。 3 神様は彼らにこう語りかけました。 ユダの王とエルサレムの市民よ、わたしのことばを聞け。 わたしはイスラエルの神、天の軍勢の主だ。 わたしはここに恐ろしい災害をもたらす。 それは想像を絶するほど恐ろしいもので、それを聞く者の耳は刺すように痛む。 4 イスラエルがわたしを捨て、この谷を恥と悪のたまり場にしたからだ。 この国民は、今の時代の者も先祖も、またユダの諸王も拝んだことのない偶像に香をたき、ここを罪のない子供たちの血で満たした。 5 バアルのために高い祭壇を築き、そこでわが子をいけにえとして焼いたのだ。 こんなことは、命じもしなければ考えもしなかったことだ。 6 だから、この谷が「トフェテ」でも「ベン・ヒノム」でもなく、「虐殺の谷」と呼ばれる日がくる。 7 わたしはユダとエルサレムの作戦計画の裏をかき、侵入して来る軍隊にここでおまえたちを殺させ、その死体をはげたかと野獣のえじきとするからだ。 8 また、わたしがエルサレムを地上から一掃するので、そこを通り過ぎる人はみな、わたしがこの町にどんなことをしたかを見て、驚きのあまり息をのむだろう。 9 敵が町を包囲するので食糧はなくなり、閉じ込められた者がわが子や友人の肉を食べるようになる。 10 さて、エレミヤよ。 連れの者が見ている前で、持って来たつぼを砕き、 11 天の軍勢の主のお告げだと言って、こう伝えよ。 このつぼが粉々になったように、わたしはエルサレムの市民を粉々にする。つぼが元どおりにならないように、彼らも元どおりにならない。 殺される人があまりにも多いので、埋葬する場所もなくなり、ついには、死体がこの谷に山積みになる。 12 それと同じことをエルサレムでもするので、そこも死体であふれる。 13 わたしはエルサレムのすべての家を汚す。 その中には、ユダ王朝の王宮もあり、屋上で星の神々に香をたき、ぶどう酒を注いだ家々もある。 14 エレミヤは、以上のことをトフェテで伝えたのち、市内に戻り、神殿の前で足を止め、全市民に言いました。 15 イスラエルの神である天の軍勢の主のお告げだ。 わたしはこの町と周囲の町々に、約束どおり災いを下す。 おまえたちが強情を張り、わたしのことばを聞こうとしなかったからだ。

エレミヤ書 20

1 神殿を管理する祭司、イメルの子パシュフルは、エレミヤの語ることを聞くと、 2 彼を逮捕してむちで打たせ、神殿に近いベニヤミンの門にある足かせにつなぎました。 3 エレミヤは、一晩中そこにさらされたのです。 翌日、パシュフルがやっと釈放すると、エレミヤは言いました。「パシュフル、神様はあなたの名を変えました。 これからは『おびえながら生きる者』と呼ばれるようになる、と言っておられます。 4 神様があなたとあなたの友人に、恐怖を与えるからです。 あなたは、友人が敵の剣で殺されるのを見るでしょう。 神様はこう断言なさいます。 わたしはユダをバビロンの王に引き渡す。 王はこの国民を奴隷としてバビロンへ連れて行き、そこで殺す。 5 またわたしは、敵にエルサレムを略奪させる。 よく知られたこの町の財宝は、王の宝石や金銀ともども、遠くバビロンへと運ばれる。 6 さて、パシュフルよ。 おまえと家族、一族郎党はみなバビロンで奴隷となり、そこで死ぬ。 おまえをはじめ、万事うまくいくという、うその預言を聞いた者もみな、同じ運命に会う。」 7 その時、私はこう言いました。 ああ神様。 あなたは、助けてやると約束しておきながら、私を欺きました。 神様は私より強い方なので、お告げを伝えないわけにはいきません。 ところが今、私は町中の笑い者になり、だれからもばかにされています。 8 神様はただの一度も、私が彼らにやさしいことばをかけてやるのを、お許しになりませんでした。 私が話すのは、いつも決まって、災害や恐怖、それに滅亡でした。 彼らが私をあざけり、ばかにし、物笑いの種にするのは当然です。 9 ところが、私は神様の使者になるのをやめるわけにはいきません。 二度と神様のことを口にしまい、これ以上、神様の名によって語るのは、まっぴらごめんだと言うと、私の心のうちにある神様のことばは、まるで火のように骨の中で燃えます。 そのため、苦しくてたまりません。 10 その上、四方八方から脅し声が聞こえるので、私はおじ気づきます。 「あいつを訴えてやろう」と、彼らは言います。 元の友人でさえ、私をうかがい、私がつまずき倒れるのを今や遅しと待っています。 「きっとあいつは、自分でしかけた罠に落ちるだろう。 そうしたら、うんと仕返しをしてやるんだ」とてぐすね引いているのです。 11 しかし神様は、大勇士として私のそばに立っています。 この力ある恐ろしいお方の前で、彼らは縮み上がります。 彼らは私に歯が立ちません。 かえって恥をかき、徹底的に屈辱感を味わい、一生、汚名を着せられるようになります。 12 ああ、天の軍勢の主よ。 正しい者を見分け、人の心の奥底にある思いを調べるお方よ。 私の件については、いっさいお任せしますから、神様が彼らに復讐してください。 13 神様、ありがとうございます。 私は神様をたたえ、ほめ歌います。 困りきっている哀れなこの私を、迫害する者の手から救い出してくださったからです。 14 とは言うものの、やはり、誕生日をのろいたくなるのだ。 15…