エレミヤ書 21

1-2 次もまた、神様からエレミヤにあったお告げです。 ゼデキヤ王は、マルキヤの子パシュフルと、マアセヤの子で祭司のゼパニヤをエレミヤのもとへやり、こう言わせました。 「神様がお助けくださるように祈ってくれ。 バビロンの王ネブカデネザルが、宣戦布告をしてきたからだ。 ひょっとしたら、神様は私たちへの恵みを忘れず、昔のようにすばらしい奇蹟を行なって、王が軍隊を撤退させるように働きかけてくださるかもしれない。」 3-4 エレミヤは答えました。 「ゼデキヤ王のところへ戻り、イスラエルの神様が、こうお語りになったと伝えなさい。 わたしは、バビロンの王と、おまえたちを包囲しているカルデヤ人との前で、おまえたちの武器を役立たずにする。 それどころか、敵を町の真ん中に引き入れ、 5 自らおまえたちを相手に戦う。 わたしは真っ赤になって怒っているからだ。 6 その上、恐ろしい伝染病をはやらせるので、人も家畜も共に死ぬ。 7 あげくの果てに、ゼデキヤ王をはじめ、町に残っている者ぜんぶを、バビロンの王ネブカデネザルの手に渡す。彼らは、少しもあわれまれず、家畜のように殺される。 8 この国民に知らせてやれ。 そう神様は告げます。 生きるか死ぬかの、どちらかを選べ。 9 エルサレムに残り、敵の手にかかって殺されるか、飢えや病気で死ぬほうを取るか、それとも、町を出てカルデヤ軍に降伏し、生きるほうを取るか。 10 わたしはこの町をにらみつけている。 この町の敵となり、友とはならない。 この町はバビロン王の手に渡され、灰となる。 11 ユダの王に、神様はこう告げます。 12 おまえのしているいっさいの悪のため、おまえを裁くことにした。 さあ、急いで公平な裁判をするのだ。 わたしの燃える憤りが、だれにも消せない火となっておまえに燃え移る前に、正しいことを始めよ。 13 『われわれは安全だ。 ここにいる以上、だれも指一本ふれることはできない』とうそぶいているエルサレムを相手に、わたしは戦う。 14 自ら手を下し、罪を犯した罰としておまえたちを滅ぼす。 わたしが森に火を放つので、回りのものは何もかも灰になる。」

エレミヤ書 22

1 神様は私にお語りになりました。 出かけて行って、直接ユダの王に伝えよ。 2 ダビデの王座についているユダ王朝の王と家来たち、それに国民よ、わたしのことばを聞け。 3 これがわたしの命令だ。 公平で正しいことを行なえ。 正義を求める人を助け、悪いことは即刻やめよ。 外国人や移民、それに孤児と未亡人の権利を守り、まちがっても罪のない者を殺すな。 4 もしおまえが、今している恐ろしいことに終止符を打つなら、わたしはこの国を解放し、再びダビデの王座に次々と王をつかせるようにする。 しかも、全国民が栄えるようになる。 5 だが、もしおまえがこの警告を聞かないなら、わたしは自分の名にかけて誓うが、この宮殿は必ず、足の踏み場もないほどの廃墟となる。 6 この宮殿については、こう宣告する。 おまえは、わたしにとっては豊作の地ギルアデであり、レバノンの緑したたる森林だ。だが、わたしはおまえを滅ぼし、人の住まない、荒れ果てた場所にする。 7 おまえを解体する道具を持った破壊班を召集する。 彼らは、木目の美しい杉の木を引き抜き、火に投げ込む。 8 多くの国々の民が、この町の廃墟のそばを過ぎ、口々に言う。 「イスラエルの神様はなぜ、このようなことをしたのだろう。 なぜ、こんなに大きな都をつぶしたのだろう。」 9 この疑問に、次のような答えが返ってくる。「ここの住民が、神様を忘れ、神様との契約を破ったからだ。 彼らは偶像を拝んだのだ。」 10 死んだ人のために泣いてはならない。 むしろ、連れて行かれた捕虜のために泣け。 彼らは二度と祖国の土を踏めないからだ。 11 また、父ヨシヤの跡を継いで王位にのぼり、捕虜として連れ去られたエホアハズについては、こう宣告する。 12 彼は遠い異国で死に、二度と故国を見ることはできない。 13 エホヤキム王よ。 おまえはひどい目に会う。 強制労働によって宮殿を建てているからだ。 おまえは、賃金を支払わないという不正を宮殿の壁に塗り込み、戸のわくと天井に虐待をはめ込んでいる。 14 そして、こう言っている。 「広々した部屋が幾つもあり、窓のたくさんついた、壮大な宮殿を建てよう。 香りの高い杉材をふんだんに使い、鮮やかな朱に塗り上げよ。」 15 だが、美しい宮殿ができたからといって、中に住む王の貫祿がつくわけではない。 おまえの父ヨシヤは、なぜ長いあいだ王位についていたのか。 彼が正しく、すべてのことで公平を第一としたからだ。 だからこそ、彼には神の祝福があった。…

エレミヤ書 23

1 神様は宣告なさいます。 わたしは、わたしの国民の羊飼いである指導者に災いを下す。 彼らは、めんどうを見なければならない者を滅ぼし、散らしたからだ。 2 おまえたちは、わたしの群れを安全に導くどころか、置き去りにし、滅びへと追いやった。 わたしは、おまえたちが彼らになした悪のために刑罰を下す。 3 一方、群れの残りを、わたしが追いやった所から集め、元の牧場に連れ戻す。 彼らは再び子を生んで増える。 4 また彼らの上に、責任感の強い羊飼いを立てる。 彼らは二度とこわがる必要はなく、四六時中、守られるようになる。 5-6 やがて、わたしがダビデの王座に、正義の若枝を置く時がくる。彼は知恵と正義をもって治める王となり、地上のどこにも正しさが行き渡るようにする。 「神様は私たちの正義」というのが、彼の呼び名だ。 その時、ユダは救われ、イスラエルは平和のうちに過ごす。 7 その日、人々は誓いを立てる時、「イスラエル国民をエジプトから救い出した神様は生きておられる」と言わないで、 8 「ユダヤ人を、追いやられた国々からイスラエルへ連れ戻した神様は生きておられる」と言うようになる。 9 うそで固めた偽預言者たちのことを考えると、心が痛みます。 私は恐ろしくなって目を覚まし、酒にのまれた酔っぱらいのようにふらつきます。 彼らには、恐ろしい運命が待ちかまえているからです。神様は刑罰を下すと宣告なさいました。 10 この国は姦通罪に満ちて、神様ののろいがかかっています。 地そのものが嘆き悲しみ、牧草地は茶褐色になっています。 預言者たちは悪に走り、不正を行なうことに精力を注いでいます。 11 祭司も預言者同様、神様を敬わない悪党ばかりです。 神様は言います。 わたしは神殿の中でさえ下品なことが行なわれるのを見た。 12 そのため、彼らの道は暗くなり、すべりやすくなる。 彼らは暗い危険な小道に追いつめられ、倒れる。わたしは彼らに災いを下し、時がきたら、必ずその罪の罰金を全額支払わせる。 13 わたしは、サマリヤの預言者がお話にならないほど悪いことを知った。 彼らはバアルによって預言し、わたしの国民イスラエルを罪に引きずり込んだからだ。 14 ところが、エルサレムの預言者はもっと悪い。 彼らのしていることは、目もそむけたくなるほどで、姦通罪を犯し、不正を愛している。 悪いことをしている者を罪から引き戻すどころか、反対にほめ、励ましている。 この預言者たちは、ソドムやゴモラの住民のように、徹底して堕落している。 15 そのため、天の軍勢の主は宣告なさいます。 わたしは彼らに苦い物を食べさせ、毒を飲ませる。 彼らがいたばかりに、この国に悪がはびこるようになったからだ。 16 これがわたしの国民への警告だと、天の軍勢の主は告げます。 むなしい希望を与える偽預言者の言うことを、聞いてはならない。 彼らは口から出まかせを言い、わたしのために語ろうとしない。…

エレミヤ書 24

1 バビロンの王ネブカデネザルが、エホヤキムの子でユダ王朝の王エコヌヤを捕虜とし、ユダの高官、大工や鍛冶屋などの熟練工とともにバビロンへ連れ去ったのち、神様は次の幻を私に示しました。 2 エルサレムの神殿の前に、いちじくを盛った二つのかごが見えました。一つのかごには、よく熟した取り立てのいちじくがありました。 しかし、もう一方のかごのいちじくは、いたんでかびが生え、ひどく腐っていて、とても食べられない代物でした。 3 その時、神様がお尋ねになりました。 「エレミヤよ、何が見えるか。」 「いちじくです。 とてもおいしそうなものもありますし、お話にならないほど悪いものもあります。」 4-5 「良いいちじくとは、バビロンに移された人のことだ。 わたしは彼らのためを思って、彼らを異国に送った。 6 わたしは、彼らが、行った先で丁重に扱われるように仕向け、またこの地に連れ戻す。 彼らを助けこそすれ、傷つけるようなことはしない。 彼らを植えて、二度と引き抜かない。 7 彼らに、わたしに対して、打てば響くような心を与える。 彼らはわたしの国民となり、わたしは彼らの神となる。 彼らは大喜びで、わたしのもとへ帰って来るからだ。 8 一方、腐ったいちじくとは、ユダの王ゼデキヤをはじめ役人連中、それにこの地に残っているエルサレムの住民のことだ。 エジプトに住んでいる者も、この中に含まれる。 わたしは彼らを、悪くて食べられない、いたんだいちじくのように処分する。 9 彼らを、地上のあらゆる国々から毛虫のように嫌われるようにする。 彼らは、わたしが強制的に追いやる地で、あざけられ、ののしられ、のろわれる。 10 わたしが大虐殺とききんと伝染病を送るので、ついに彼らは、わたしが彼らと先祖に与えたイスラエルの地から絶たれる。」

エレミヤ書 25

1 ユダの全国民にあてられた次のお告げは、ヨシヤの子でユダ王朝の王エホヤキムの治世の第四年に、神様がエレミヤに語ったものです。 この年に、バビロンの王ネブカデネザルが即位しました。 2-3 アモンの子でユダ王朝の王ヨシヤの第十三年から今まで、二十三年間にわたって、神様のお告げが私にありました。 私はそのお告げを忠実に伝えてきたのに、あなたがたは聞こうとしませんでした。 4 神様は何度も、ご自分の預言者をあなたがたのもとへ遣わしたのに、あなたがたは耳をふさぎました。 5 お告げは、いつも次のようなものでした。 悪の道から離れ、悪事から足を洗え。 そうして初めて、おまえたちは、わたしがおまえたちと先祖に与えたこの地に、いつまでも住むことができる。 6 偶像礼拝という大それたことをして、わたしを怒らせるな。 わたしに真実を尽くすなら、害は加えない。 7 だがおまえたちは、わたしのことばを聞こうとしなかった。 かえって、まっしぐらに悪の道に進み、偶像のことでわたしを怒らせた。 ありとあらゆる災いをこうむる結果を、自ら招いたのだ。 8-9 そして今、天の軍勢の主である神様は、こう宣告なさいます。おまえたちはわたしのことばを聞かなかったので、わたしの代理人に立てたバビロンの王ネブカデネザルの率いる北方軍団を呼び、この国と住民、それに周囲の国々を攻めさせる。 こうして、おまえたちを徹底的に滅ぼし、永久にさげすみの代名詞とする。 10 おまえたちの喜びと楽しみ、結婚の披露宴を取り除く。 事業は失敗に終わり、おまえたちの家庭は無気味な暗やみに閉ざされる。 11 国の全土は見渡す限りの荒れ地となるので、全世界の人は、おまえたちに降りかかった災害を知ってショックを受ける。 イスラエルと近隣の諸国は、七十年間バビロン王に仕える。 12 この奴隷の期間が終わったら、わたしはバビロン王とその国民を、彼らの罪のために罰する。 カルデヤの地を永久に荒れ果てた所とする。 13 この書の中で約束した恐ろしい災害、エレミヤが国々に宣告した刑罰を全部、この地にもたらす。 14 多くの国々と強い王たちが、ちょうどカルデヤ人がわたしの国民を奴隷にしたように、今度はカルデヤ人を奴隷にする。 わたしは彼らを、彼らがわたしの国民をどう扱ったかを基準にして罰する。 15 神様は私に、こうお語りになりました。 「わたしの手から、わたしの憤りがなみなみとつがれている、このぶどう酒の杯を取り、わたしがあなたを遣わす、すべての国々の人に飲ませよ。 16 彼らは飲んでふらつき、わたしが下す死の打撃によって頭がおかしくなる。」 17 そこで、私は神様の手から憤りの杯を取り、遣わされたすべての国々の人に飲ませました。…

エレミヤ書 26

1 ヨシヤの子でユダ王朝の王エホヤキムの治世の第一年に、神様からエレミヤに、次のお告げがありました。 2 神殿の前に立って、ユダの各地から参拝に来たすべての人に語れ。 わたしの言ったことをぜんぶ知らせよ。 わたしが彼らに聞かせたいと思っていることを、ただのひと言でも省略してはいけない。 3 ひょっとしたら、彼らはわたしのことばを聞いて、悪の道から離れるかもしれないからだ。 そうしたら、彼らの悪事のために下そうとしている刑罰を、思いとどまる。 4 彼らに、わたしがこう言っていると告げよ。 もし、わたしのことばを聞かず、わたしが与えたおきてに従わず、 5 また、わたしのしもべの預言者に聞かないなら、もっとも、何度も預言者をやって警告させたのに、おまえたちは聞こうとしなかったが、 6 この神殿をシロの神殿のようにこわし、エルサレムを全世界ののろいの代名詞とする。 7-8 神様に告げられたことをみな語り終えた時、祭司と偽預言者、それに神殿の中にいたすべての者がエレミヤに襲いかかり、「殺せっ! 殺せっ!」と絶叫しました。 9 「どんな権威があって、神様がこの神殿をシロの神殿のようにこわすなどと言うのか。 エルサレムが破壊され、一人の生き残りもいなくなるとは、いったいどういうことか。」 こうして騒ぎは大きくなり、だれもがエレミヤを攻撃しに、神殿へ押しかけました。 10 役人は事の成り行きを聞くと、宮殿から駆けつけ、神殿の入口に座って裁判を開きました。 11 すると、祭司と偽預言者たちは、役人と集まった全員に、「この男は死刑にすべきだ。 こいつがどんなにひどい裏切り者かは、お聞きのとおりだ。 だいたい今までだって、この都に不利な預言ばかりしてきたのだ」と告訴しました。 12 エレミヤは次のように自分を弁護しました。 「神様が、この神殿とこの町に不利な預言をせよと、私にお命じになったのです。 私の話したことはみな、神様のおことばです。 13 もし、あなたがたが罪を犯すのをやめ、神様に従うなら、神様はすでに宣告ずみのいっさいの刑罰を思いとどまるでしょう。 14 私は無力で、しかも、あなたがたの手中にあります。 煮るなり焼くなり、好きなようにしてください。 15 ただし、ひと言だけいっておきますが、もし私を殺したら、罪のない者のいのちを奪ったことになります。 その責任はあなたがたと、この町、またここの全住民がとらなければなりません。 というのは、神様は確かに、あなたがたの聞いたことを残らず話すようにと、私にお命じになったからです。」 16 これを聞いて、役人をはじめ人々は、祭司と偽預言者に言いました。 「この男は死刑にあたらない。 神様の名によって語ったのだから。」…

エレミヤ書 27

1 ヨシヤの子でユダ王朝の王エホヤキムの治世の初めに、神様からエレミヤに別のお告げがありました。 2 くびきを作り、それを農耕用の牛につけるように、おまえの首に革ひもで結びつけよ。 3 それから、エドムの王、モアブの王、アモンの王、ツロの王、シドンの王に、エルサレム在住の大使を通じてことづてを送れ。 4 それぞれの主人に、イスラエルの神である天の軍勢の主からのお告げだと言わせよ。 5 「わたしは大きな力をもって、地と、全人類と、あらゆる動物を造った。 これらのものを、わたしの眼鏡にかなった者に与える。 6 わたしはすでにおまえたちの国々を、わたしの代理人であるバビロンの王ネブカデネザルに与えた。 また、おまえたちの家畜をぜんぶ彼のものとした。 7 彼の時がくるまで、すべての国は彼とその子孫に仕える。 そのあとで、多くの国民と強い王たちがバビロンを征服し、住民を奴隷とする。 8 今は彼の言いなりになり、彼に仕えよ。 おまえたちの首をバビロンのくびきに入れよ。 わたしは、彼の奴隷になろうとしない国民を罰する。 戦争とききんと伝染病を送るので、その国は彼に征服される。 9 バビロンの王はおまえたちを奴隷にしないと言う、偽預言者、占い師、夢見る者、霊媒、魔術師のことばに耳を傾けるな。 10 彼らはみな嘘つきだ。 もし、彼らの助言に従い、バビロンの王に降伏するのを拒むなら、おまえたちを国外へ追放し、遠い地に送って滅ぼす。 11 だが、バビロンの王の意のままになる国民は、今までのように自分の国に住み、その土地を耕す。」 12 エレミヤはこの預言をユダの王ゼデキヤにも伝え、こうつけ加えました。 「いのちが惜しかったら、バビロン王に降伏しなさい。 13 なぜ、陛下も国民も、そんなに死に急ぐのですか。 なぜ、神様がバビロン王に従わない国々に約束した、戦争とききんと伝染病を選ぶのですか。 14 バビロン王がこの国を征服するはずはないと、しきりに言っている偽預言者のことばを聞いてはなりません。 彼らは、とんでもない嘘つきです。 15 『わたしは送り出した覚えもないのに、彼らはわたしの名によって、おまえたちに嘘をついている。 どうしても彼らの言うことを聞くというなら、おまえを、偽預言者ともどもこの国から追放して、殺すよりほかはない』と、神様は仰せになります。」…

エレミヤ書 28

1 その同じ年、ユダ王朝のゼデキヤ王の治世の第四年の七月のある日、アズルの子でギブオン出身の偽預言者ハナヌヤが、神殿の中で私に挑戦しました。 祭司全員と人々が聞いている前で、きっぱり断言したのです。 2 「イスラエルの神様である天の軍勢の主は、こう言っています。 わたしは、おまえたちの首からバビロン王のくびきをはずした。 3 二年以内に、ネブカデネザルがバビロンへ運び去った神殿の宝物を、ぜんぶ持ち帰る。 4 また、エホヤキムの子でユダ王朝の王エコヌヤと、バビロンに移された捕虜全員を連れ戻す。 わたしは必ず、バビロン王がおまえたちの首にかけたくびきをはずす。」 5 これを聞いたエレミヤは、祭司と人々の前で、ハナヌヤに言いました。 6 「アーメン。 あなたの預言どおりになりますように。 全く、神様があなたの言ったことをぜんぶ実現して、神殿の宝物を、愛する同胞といっしょにバビロンから取り戻してくだされば、それほどけっこうなことはない。 7 しかし今は、ここにいる人たちの前ではっきりさせておこう。 8 昔の預言者たちは、多くの国々に不利なことを話し、いつも決まって、戦争とききんと伝染病の警告をしたものだ。 9 だから、平和を予告する預言者は、ほんとうに神様から遣わされたのかどうか、証明してみせなければならない。 預言がそのとおり実現してはじめて、そのことが明らかになるからだ。」 10 ハナヌヤも負けてはいません。 エレミヤの首から例のくびきをはずし、それをこわしました。 11 そして、集まっていた人々に、「見ろ、このとおりだ。 神様は、二年以内に、今バビロンの王ネブカデネザルの奴隷になっている国々の民を解放する、と約束なさった」と宣言しました。 ここまで聞いて、エレミヤは出て行きました。 12 すると間もなく、神様からエレミヤに次のお告げがありました。 13 ハナヌヤのところへ行き、神がこう言うと伝えよ。 おまえは木のくびきをこわしたが、これらの国民は首に鉄のくびきをつけている。 14 イスラエルの神、天の軍勢の主であるわたしが言う。 わたしは、これらの国民に鉄のくびきをはめ、むりやりバビロンの王ネブカデネザルの奴隷とした。 この運命は、どんなことがあっても変わらない。 おまえたちの家畜まで、彼のものになる。 15 そこで、エレミヤは偽預言者ハナヌヤに言いました。 「よく聞け、ハナヌヤ。 神様はあなたをお遣わしにならなかった。 ところが人々は、あなたの嘘を信じ込んでいる。…

エレミヤ書 29

1-2 エコヌヤ王と王母、宮廷の役人、地方長官、それに技術者たちが、ネブカデネザルによってバビロンへ移されてのち、エレミヤはユダヤ人の長老、祭司、預言者、全国民にあてて手紙を書きました。 3 この手紙を、ゼデキヤ王の使節としてバビロンの王ネブカデネザルを訪問した、シャファンの子エルアサとヒルキヤの子ゲマルヤの二人に託しました。 手紙の文面は次のとおりです。 4 イスラエルの神様である天の軍勢の主は、エルサレムからバビロンへ移された捕虜全員に、こう告げます。 5 家を建て、長期の滞在計画を立てよ。 長年にわたってそこにいることになるから、ぶどう園をつくれ。 6 結婚して、子供をもうけよ。 子供には相手を見つけてやり、多くの孫が生まれるようにせよ。 人口を減らしてはならない。 7 バビロンの平和と繁栄のために努力し、そのために祈れ。 バビロンが平和であれば、おまえたちも平和に過ごせるからだ。 8 イスラエルの神様である天の軍勢の主は、こう告げます。 おまえたちのうちにいる偽預言者や霊媒にだまされるな。 彼らの考え出した夢物語を聞いてはならない。 9 彼らは、わたしの名をかたって嘘の預言をするからだ。 わたしは彼らを遣わさなかった。 10 ほんとうのことを言うと、おまえたちは一生バビロンにいる。 だが、こうして七十年が過ぎたら、おまえたちを思いやり、約束しておいたいっさいの祝福を与え、故国に連れ戻す。 11 わたしは、おまえたちのために立てた計画をよく知っている。 それは災いではなく祝福を与える計画で、ばら色の将来と希望を約束する。 12 その時になったら、おまえたちが祈る時、わたしは聞き耳を立てる。 13 おまえたちが真剣にわたしを探し求めるなら、見つけることができる。 14 そうだ。 わたしはおまえたちに見つけられる。 わたしはおまえたちを奴隷の身分から解放し、財産を回復し、追いやられた国々から集め、再び故国の土を踏ませる。 15 だが今は、偽預言者の言うことを信じ、神が彼らを遣わしたと言っているので、 16-17 わたしは、エルサレムに残っているおまえたちの親族とダビデの王座についている王に、戦争とききんと伝染病を送る。 彼らは、悪くて食べられない腐ったいちじくのようになる。…

エレミヤ書 30

1 これは、神様からエレミヤにあった別のお告げです。 2 イスラエルの神様はこう命じます。 わたしがおまえに語ったことをみな、記録に残しておけ。 3 わたしの国民イスラエルとユダを、元どおり、先祖に与えたこの地へ連れ戻す時がくるからだ。 彼らはこの地を所有し、再び住みつく。 4 また、わたしがイスラエルとユダについて語った次のことばも、書き留めておけ。 5 「平和はどこにあるのだ。 あるのは恐怖とおののきだけだ。 6 男が子供を産むだろうか。 そんなことはありえないのに、どうして彼らは、真っ青な顔をして、産婦のように腰に手をあてて立っているのか」と、彼らは悲鳴をあげる。 7 ああ、今までの歴史の中で、やがてくる日のような恐怖の時があったでしょうか。 それは、同胞イスラエルの苦しみの時で、今までに一度も経験したことのないものです。 しかし、神様は彼らを救い出してくださいます。 8 天の軍勢の主は、こう約束なさるのです。 その日になると、わたしは彼らの首のくびきをこわし、体に巻きついている鎖を断ち切る。 外国人は二度と彼らの主人にならない。 9 彼らは、わたしと、わたしが彼らのために立てる王ダビデに仕えるようになる。 10 わたしのしもべヤコブよ、こわがることはない。 イスラエルよ、うろたえなくてもいい。 わたしがおまえを遠い国から連れ戻し、おまえの子孫を、流されて行った先から連れ戻すからだ。 彼らは自分の国でゆったりくつろぎ、だれも彼らを脅かさなくなる。 11 わたしがそばについていて救うからだ。 たといおまえの寄留先の国々を全滅させても、おまえは根絶やしにしない。 もちろん、全く罰を免れるというわけではないが……。 12 おまえの罪は、どうしても治らない打ち傷のようで、ひどく痛む。 13 助ける者はなく、傷口に包帯を巻く者もいない。 どんな薬も効き目がない。 14 恋人はみな、おまえを置き去りにし、二度とめんどうを見てくれない。 わたしが、まるで敵ででもあるかのように、おまえをひどく傷つけたからだ。 血も涙もない敵のように、容赦なく痛めつけた。 おまえの罪があまりにも多く、とががあまりにも大きかったからだ。 15 なぜ抗議するのか。 当然の刑罰ではないか。 おまえの罪は目もあてられないほど醜いので、悲しみはいつまでも終わらない。 こんなにも懲らしめるのは、おまえのとがが途方もなく大きいからだ。…