コリント人への第二の手紙 1

1 神様からキリスト・イエスの使者に任命されたパウロと、信仰の友テモテから、コリントおよびギリシヤ全土に住むすべてのクリスチャンへ。 2 どうか、私たちの父なる神と主イエス・キリストが、あなたがた一人一人に、あふれるほどの祝福と平安とを、注いでくださいますように。 3-4 私たちの神様は、なんとすばらしいお方でしょう。 神様は、主イエス・キリストの父であり、あらゆる慈愛の源です。 そして、私たちが苦しみや困難にあえいでいる時、すばらしい慰めと励ましを与えてくださるお方です。 どうしてでしょう。 それは、苦しみの中にあって、同情と励ましを必要としている人々に、私たちも、神様から受ける助けと慰めを与えることができるためです。 5 私たちがキリスト様のために苦しめば苦しむほど、慰めと励ましが、もっと豊かにキリスト様から与えられるという事実、これは確かです。 6-7 私たちが大きな苦しみに会うのも、あなたがたが神様の慰めと救いを受けるためです。 現に、苦しんでいる私たちを、神様は慰めてくださいました。 それはまた、あなたがたのためでもあるのです。 すなわち、あなたがたが同じような苦しい境遇に立たされた時、神様の慰めが、どれほどやさしいものであるかを、私たちの体験から知るためです。 神様は必ず、苦しみに耐え抜く力を与えてくださるのです。 8 愛する皆さん。 私たちがアジヤでなめた苦しみについて、ぜひ知っていただきたいと思います。 非常に激しい迫害を受け、打ちのめされて、もうこれ以上生き延びるのはむりかと思いました。 9 死を覚悟し、自分の無力さを痛いほど思い知らされました。 しかし、それがよかったのです。 というのは、そんな状態の中で、何もかも神様にお任せしたからです。 救い出すことができるのは、神様だけです。 死人を復活させることさえ、できるお方なのですから。 10 やはり、神様は私たちを助け、恐ろしい死の危険から救い出してくださいました。 そしてこれからも、何度でも、救い出してくださるに違いありません。 11 あなたがたもまた、祈りによって私たちを助けてください。 それは、私たちの安全を願う、その祈りに、神様がはっきりと答えてくださるのを見て、あなたがたが、もっともっと感謝と賛美をささげるようになるためです。 12 私たちは、どのような場合にも、自分の知恵に頼らず、助けてくださる主に静かに信頼し、きよさと誠実さをもって行動してきました。 特にあなたがたには、そのようにふるまってきました。 胸を張ってそう言えるのを、とてもうれしく思います。 13-14 私の手紙は、単刀直入に、しかも、真心をこめて書いたものです。 どちらにも取れるあいまいなことは、決して書いていません。 それで、たとい今は、私についてあまりよく知らないあなたがたでも〔もっとも、いつかはよく知っていただきたいのです〕、私を受け入れ、私を誇りとしてくださるよう望みます。 もちろん、今も、ある程度そうしてくれていますが。 ちょうど、主イエスがもう一度帰って来られる日に、私があなたがたを誇りにするのと同じようにです。 15-16 あなたがたの私に対する理解と信頼を確信したので、次のような計画を立てました。 すなわち、マケドニヤへ向かう途中、まずコリントであなたがたに会い、また帰りにも立ち寄るという計画でした。 そうすれば、あなたがたは二倍の祝福を受けることができ、私も、あなたがたに送られて、ユダヤへ行けるからです。 17 では、なぜ計画を変更したのか、と尋ねるかもしれません。 その決心が、まだ固まっていなかったからでしょうか。 それとも、私も世間の人のように、ほんとうは「いいえ」のつもりで「はい」と言ったりしたのでしょうか。 18 絶対にそんなことはありません。 私がそんな人間でないことは、神様の真実さと同様に確かです。 私の「はい」は、ほんとうに「はい」なのです。 19 テモテとシルワノと私は、神の子キリスト・イエスについて語ってきました。 この方は、「いいえ」の意味で「はい」と言われる方ではありません。 いつも、ことばどおり実行なさいます。…

コリント人への第二の手紙 2

1 私は、「コリントの人々を苦しめるような訪問は、二度とすまい」と、自分に言い聞かせました。 2 もし私があなたがたを悲しませているとしたら、どうして喜べるでしょう。 私を喜ばせることができるのは、あなたがただけです。 それなのに、私があなたがたを苦しませているとしたら、どうして喜ばせてもらえるでしょう。 3 前の手紙であのように書いたのは、私が行く前に、あなたがたの手で、事を処理してもらいたかったからです。 そうすれば、会って、一番喜ばせてくれるはずの人たちから、悲しい思いをさせられなくてすむでしょう。 あなたがたの喜びと私の喜びとは、切っても切れない関係なのですから。 私が喜び勇んで行くのでなければ、あなたがたも、幸福な気持ちにはなれません。 4 どんなにつらい思いであの手紙をしたためたことか! 胸も張り裂けんばかりの思いで、正直なところ、泣いてしまったのです。 傷つけるつもりなどさらさらなく、あなたがたをどれほど愛しているか、また、あなたがたの間で起こった問題をどんなに心にかけているか、ぜひ知ってもらいたかったのです。 5-6 覚えておいてください。 あの手紙に書いた、今度の事件の張本人は、私を悲しませたというより、あなたがた全体を悲しませたのです。――もっとも、私もずいぶん悲しい思いをしましたが。 私はその人に対して、必要以上にきびしい態度をとりたくありません。彼は、みんなから責められて、もう十分罰を受けています。 7 今はむしろ、赦し、慰めてやりなさい。 そうしないと、あまりの悲しみと絶望に打ちひしがれて、立ち直れなくなるかもしれません。 8 ですから、あなたがたが今もってどんなに深くその人を愛しているか、どうぞ示してやってください。 9 私の手紙は、あなたがたが、どのくらい私の指示に従ってくれるかを、確かめるためのものでした。 10 あなたがたがだれかを赦すなら、私もその人を赦します。 何であれ、私が赦したのは、キリスト様の権威によって、あなたがたのために赦したのです。 11 赦さなければならない理由は、ほかにもあります。 それは、サタンにあざむかれないためです。 私たちは、サタンのたくらみを知っているのですから。 12 さて、私がトロアスの町まで行った時、主は、良い知らせを宣べ伝える、絶好の機会を与えてくださいました。 13 ところが、そこでは、信仰の友である、愛するテトスに会えなかったので、彼がどこにいるのか、その身に何か起こったのではないかと、気がかりでなりませんでした。 そんなわけで、何とかしてテトスに会おうと、人々に別れを告げ、まっすぐマケドニヤに向かったのです。 14 しかし、神様に感謝します。 神様は、キリスト様のお働きのゆえに、私たちを、勝利の行進に加えてくださいました。 その目的は、私たちがどこにいようと、今、神様が私たちを通して、主のことを他の人々に告げ知らせ、良い知らせを、かぐわしい香水のように、あたりに広めてくださることです。 15 神様に関するかぎり、私たちの生活には、すばらしい、かぐわしい香りが漂っています。 それは、私たちのうちにあるキリスト様の香りであって、回りの救われている人々にも、救われていない人々にも、一つの香りなのです。 16 救われていない人々にとっては、私たちは死と滅びの恐れに満ちた香りのように思われます。 けれども、キリスト様を知る人々にとっては、いのちを与える香りなのです。 しかし、このような任務にふさわしい者とは、いったいどんな人でしょう。…

コリント人への第二の手紙 3

1 私は今、偽教師のまねをして自己推薦を始めているのでしょうか。 あなたがたの身近にいる偽教師たちは、自分で自分を推薦したり、あなたがたあての長い推薦状を持って行ったりしなければならないような人たちです。 しかし私は、だれからも推薦状を書いてもらう必要などないと思っていますが、いかがでしょう。 また、あなたがたからの推薦状も必要ではありません。 2 私に必要な推薦状は、あなたがた自身です。 あなたがたの心の、そのすばらしい変わりようを見れば、だれにも、私たちの良い働きは一目瞭然です。 3 あなたがたは、私たちが書いたキリスト様からの手紙であることが、だれにもわかります。 それは、ペンとインキで書かれたのではなく、生きておられる神の御霊によって書かれたものです。 石の板にではなく、人の心に刻み込まれた手紙です。 4 大胆にこのような自慢をするのは、キリスト様を通して、心から神様に信頼しているからに、ほかなりません。 すなわち、神様は必ず、私たちのことばが真実となるよう助けてくださる、と信じているからです。 5 不変の価値があることを、自分の力でできる、と考えているからではありません。 私たちの力も成功も、ただ神様から来るのです。 6 神様は、人々を救う新しい契約について、人々に知らせることができるように、助けてくださいました。 私たちは、「神様のおきてを全部守れ。 さもないと滅びるぞ」と教えているのではありません。 「聖霊様が新しいいのちを下さる」と教えているのです。 「十戒」を守って救われようとする、古い方法の行き着く先は死です。 しかし新しい方法によれば、聖霊様からいのちをいただけるのです。 7 けれども、死に通じる、おきてによる、その古い方法も、初めは輝かしい栄光をおびていたのです。 その栄光のまばゆさに、イスラエルの人々は、モーセの顔をまともに見られないほどでした。 従うべき神のおきてを示した時のモーセの顔は、神の栄光そのもので光り輝いていたからです。――もっとも、その輝きは、やがて消え去る運命にあったのですが。 8 とすれば、聖霊様がいのちを与えてくださる、この今の時には、はるかにすばらしい栄光を、期待できるのではないでしょうか。 9 死に通じる計画にも栄光があったのなら、人々を神様との正しい関係に導く計画には、なおさら、栄光が満ちあふれるのです。 10 事実、モーセの顔の最初の栄光は、新しい契約の圧倒的な栄光に比べたら、取るに足りないものです。 11 もし消え去ってゆく古い方法にも、天の栄光が満ちていたとすれば、私たちの救いのために立てられた神様の新しい計画には、はるかにまさった栄光があるはずです。 それは永遠に続くものだからです。 12 この新しい栄光は、決して消え去らないと確信しているので、私たちはきわめて大胆に語れるのです。 13 そして、モーセのように、栄光の消えていく様子をイスラエルの人々から隠すため、顔に覆いをかけたりはしません。 14 覆いがかけられたのは、モーセの顔だけではありません。 イスラエルの人々の思いや、理解力も、覆われたのです。 今でも、聖書が朗読される時、ユダヤ人の心と思いには、厚い覆いがかかっているように思えます。 というのは、聖書のほんとうの意味を知ることも、理解することもできないからです。 この覆いは、キリスト様を信じてはじめて、取り除かれるのです。 15 確かに、今日でも、彼らがモーセの書を朗読する時、その心には覆いがかかったままです。 それで、「十戒」に従うことこそ救われる道だ、と考えているのです。…

コリント人への第二の手紙 4

1 神様の良い知らせを伝えるという、このすばらしい務めに、私たちを任命してくださったのは、神様ご自身です。 それは、あわれみによるのです。 ですから、私たちは、決して落胆しません。 2 信じさせるために、あれこれたくらむようなまねはしません。 だましたりは、したくないのです。 書かれてもいないことを、聖書の教えであるかのように思わせることも、決してしません。 そのような恥ずかしい方法は、絶対に用いません。 語る時には、神様の前に立って真実を語ります。 私たちを知っている人はみな、このことを認めてくれるはずです。 3 もし私たちの宣べ伝える良い知らせが、だれかの目に隠されているとしたら、永遠の滅びに突っ走っている人に対してです。 4 それは、この邪悪な世の神であるサタンのしわざです。 目隠しをさせて、その人の上に輝いている良い知らせの栄光が、見えないようにしているのです。 また、まことの神、キリスト様の栄光に関する、私たちのすばらしい証言を、理解できないようにしているのです。 5 私たちは、自分のことを宣伝しているのではありません。 主であるキリスト・イエスのことを、宣べ伝えているのです。 自分については、ただ、イエス様が私たちのために成し遂げてくださったことを知ったので、あなたがたに仕える者となった、とだけ言っておきます。 6 というのは、「やみの中に光が輝け」と言われた神様が、私たちに、イエス・キリストの顔にある神の栄光の輝きを、理解させてくださったからです。 7 しかし、このすばらしい宝〔いま私たちのうちに輝いている光と力〕は、こわれやすい器〔私たちの弱い肉体〕の中に入っています。 うちにある、その栄光に満ちた力が、確かに神様から与えられたものであって、私たち自身から出たものでないことは、だれの目にも明らかです。 8 私たちは四方八方から苦しめられ、圧迫されますが、押しつぶされ、打ちのめされることはありません。 「どうしてこんなことが……」と途方にくれるようなことが起きても、絶望して投げ出したりはしません。 9 迫害されていても、神様は決してお見捨てになりません。 打ち倒されても、また立ち上がって、前進を続けます。 10 この体は、かつてのイエス様がそうであったように、いつも死に直面しています。 ですから、私たちを安全に守ってくださる方は、うちに生きておられるイエス様だけであることが、だれの目にも明らかになるのです。 11 まことに、私たちは、主に仕えているために、絶えず死の危険にさらされています。 しかし、そのことでかえって、死ぬべき私たちの体によって、イエス・キリストの力を明らかに示す機会が、常に与えられているのです。 12 私たちは、良い知らせを宣べ伝えているために、死に直面しています。 しかしその結果、あなたがたに永遠のいのちが与えられるのです。 13 旧約聖書の詩篇の作者は、「私は信じている。 それゆえに語る」と言いました。 同じように私たちも、自分が神様の守りの中にあることを確信して、信じていることを大胆に語ります。 14 主イエス様を死から復活させてくださった神様が、私たちをもイエス様と共に復活させ、あなたがたといっしょに御前に立たせてくださることを、信じています。 15 こんな苦しみに甘んじているのも、あなたがたのためを思うからです。 キリスト様に導かれる人が増えれば増えるほど、その大きな恵みを感謝する気持ちがますます満ちあふれ、主の栄光がますます明らかになるのです。…

コリント人への第二の手紙 5

1 私たちがいま住んでいる、天幕の家が取りこわされると〔すなわち、私たちが死んでこの肉体を離れると〕、天にある新しい体、永遠に保証された家がいただけるのです。 それは、人の手ではなく、神様の手でつくられた家です。 2 今のこの体には、もう飽き飽きしています。 だからこそ、天上の体をまるで新しい着物のようにまとえる日を、首を長くして待っているのです。 3 それを着れば、体のない霊だけの状態でいることはないからです。 4 この地上の体のために、嘆きやうめきがありますが、だからといって、死んで、体のない状態になりたいとは思いません。 その新しい体にもぐり込みたいと願うばかりです。 そうすれば、この死ぬべき体が、言わば、永遠のいのちに呑み込まれてしまうからです。 5 これこそ、神様が私たちのために用意してくださったことであり、その保証として、聖霊様を遣わしてくださったのです。 6 いま私たちは、確信をもって、天上の体を待ちこがれています。 また、このように地上の体で過ごしている間は、イエス様と共に過ごす、天上の永遠の家から離れていることも、よく知っています。 7 実際に見ることによってではなく、信じることによって、これを事実と認めているのです。 8 ですから、少しも恐れません。 むしろ、死ぬことは願わしいのです。 それは、天の家に主と共に住むことを意味するからです。 9 そういうわけで、地上でこの肉体でいようと、肉体を離れて主と共に天にいようと、私たちの目的は、何をするにも、いつも主に喜ばれることです。 10 なぜなら、やがて私たちはみな、キリスト様の前で、さばきを受けなければならず、全生活がさらけ出されることになるからです。 善であれ悪であれ、地上の体でいる時の行ないに応じて、私たちはそれぞれ、ふさわしい報いを受けるのです。 11 ですから、私たちの心には、いつも主を恐れかしこむ厳粛な思いがあります。 それで、ほかの人々を説得しようと、やっきになっているのです。 それが純粋な気持ちから出ていることを、神様はご存じです。 だから、あなたがたにも、このことをはっきり知っていただきたいと、心から願っているのです。 12 またもや、私たちが自己推薦を始めたと思いますか。 そうではありません。 ただ、あなたがたに手ごろな武器を供給しようとしているのです。 この武器があれば、外見のりっぱさと説教のうまさとを誇りながら、その実、心の中は偽りと不誠実で満ちている説教者に対抗できます。 少なくともあなたがたは、私たちの動機が正しく、しかも誠実である点を誇ることができるのです。 13-14 自分のことをこのように言うとは、気が狂っているのでしょうか。 もし気が狂っているとすれば、それは神様の栄光のためです。 もし正気であるなら、あなたがたのためです。 確かに、私たちは何をするにしても、自分の利益を求めるのではなく、キリスト様の愛に動かされて、しているのです。 キリスト様が私たちすべてのために死んでくださったことを信じる以上、自分が、今までの古い生活に対して死んだことも信じなければなりません。 15 キリスト様は、全人類のために死んでくださいました。 それは、キリスト様から永遠のいのちをいただいて生きる人がみな、もはや自分を喜ばせるためではなく、自分のために死んで復活されたキリスト様に喜ばれるように生きるためです。 16 ですから、世間の評判や、外見の良し悪しで、クリスチャンを評価するのはやめなさい。 以前、私は、その誤った考え方で、キリスト様のことを、単に自分と同じ人間とみなしていました。 しかし今では、その考えは一変しました。…

コリント人への第二の手紙 6

1 私たちは、神様と共に働く者として、お願いします。 神様の大きな恵みに関する、すばらしい知らせを聞き逃さないように、気をつけてください。 2 神様はこう言われるからです。 「歓迎の門が大きく開かれている恵みの時に、 あなたの叫びはわたしに届いた。 救いが差し出されている日に、 わたしはあなたを助けた。」 まさしく今、神様はあなたがたを、喜び迎えようとしておられます。 今日、救おうとしておられます。 3 私たちの行動が、だれかをつまずかせたり、主との出会いを妨げたりすることがないように、生活態度には気をつけています。 私たちの欠点が、主を非難する口実に用いられたら大変だからです。 4 事実、あらゆる点で、自分がほんとうに神様に仕える者であることを示そうと努めています。 次から次へと襲ってくる悩み、苦しみ、困難にも、しんぼう強く耐えています。 5 むちで打たれたことも、投獄されたことも、怒り狂う暴徒に取り囲まれたこともありました。 ある時は力尽きるまで働き、ある時は一睡もせずに夜を明かし、また食べる物のない日もありました。 6 健全な生活と良い知らせに対する理解と、忍耐とによって、自分の口に偽りがないことを証明してきました。 いつも親切にし、愛に富み、聖霊様に満たされてきました。 7 何をするにも、神様の力に助けられて、真実を貫いてきました。 神様を敬う人に備わる、すべての武器――防衛と攻撃の武器――を、いつも手にしていました。 8 人に尊敬されようと軽べつされようと、あるいは非難されようと賞賛されようと、主への忠誠に変わりはありません。 人からはうそつきと呼ばれようと、私たちは正直です。 9 この世から無視されても、私たちは神様に認められています。死に直面しながら生きていても、こんなに生き生きしています。 傷つけられたこともありますが、死を免れてきました。 10 心に痛みがありますが、主の喜びも同時に持っています。 貧しくても、ふんだんに霊の贈り物をしています。 何も持っていなくても、あらゆるものに満たされています。 11 愛するコリント教会の皆さん。 私は心にあることをみなお話ししました。 私は心の底から、あなたがたを愛しているのです。 12 今なお私たちの間に冷たいものがあるとしても、私に愛が欠けているせいではありません。 あなたがたの愛があまりにも少なくて、私まで届かないのです。 13…

コリント人への第二の手紙 7

1 愛する皆さん。 私たちは、このようにすばらしい約束を与えられているのですから、肉体と霊を汚すいっさいの悪ときっぱり縁を切って、自分をきよめようではありませんか。 そして心から恐れかしこみつつ、ただ神様だけに、自分をささげようではありませんか。 2 どうか、もう一度心を開いてください。 だれ一人、私たちから害を受けた人はいないはずです。 また、惑わされた人もいません。 私たちがだましたことも、人をうまく利用したこともありません。 3 あなたがたをしかったり、責めたりするつもりで、こう言うのではありません。 前にも言ったように、私はいつも心の中であなたがたのことを思い、あなたがたと生死を共にしているのです。 4 限りない信頼を寄せ、あなたがたを、たいへん誇りに思っています。 おかげで大いに勇気づけられました。 さまざまの苦しみの中でも、いつも幸福でした。 5 マケドニヤに着いた時、私たちには、少しの安らぎもありませんでした。 外側には四方八方に困難が立ちふさがり、内側は恐れと不安でいっぱいでした。 6 その時、意気消沈している者を励ましてくださる神様は、テトスの到着によって、元気づけてくださいました。 7 また、テトスの到来もさることながら、彼があなたがたのところですばらしい時を過ごしたと聞いて、とてもうれしく思いました。 あなたがたが、どんなに私の訪問を待ちこがれているか、この前の事件でどんなに嘆き悲しんでいるか、また、どんなに私に忠実であり、心から愛してくれているかを、彼が報告してくれました。 それを聞いて、私はほんとうに喜びました。 8 あの手紙を書き送ったことを、もう後悔してはいません。 実は、あれが、あなたがたをどんなに苦しめたかを知って、一時はとても後悔したのです。 けれども、あなたがたを苦しめたのは、つかの間にすぎませんでした。 9 今では、あの手紙を送ってよかった、と思っています。 苦しませたからではなく、その苦しみのおかげで、あなたがたが神様に立ち返ったからです。 それは、神様がご自分の民に経験させたいと望んでおられる、良い意味での悲しみだったのです。 もうこれで、そちらに行ってきびしくしからないですみます。 10 罪と縁を切らせ、永遠のいのちを求めさせるために、時々、神様は、悲しみを与えます。 そのような悲しみを、嘆いてはなりません。 しかし、クリスチャンでない人の悲しみは、真の悔い改めの悲しみではなく、永遠の死を食い止める力がありません。 11 考えてもごらんなさい。 主が与えられたこの悲しみは、どんなに益となったことでしょう。 あなたがたはそこで絶望せず、かえって、私が手紙で指摘した罪を取り除こうと、真剣に誠意をもって、しかも熱心に努力しました。 あんな出来事が起こったことに恐れをいだき、私の来訪と助けとを心から願うに至りました。 正面からこの問題に取り組み、罪を犯した者を処罰して、問題を解決しました。 実際、事態を正しく処理するために、あなたがたは、できる限りのことをしたのです。 12 あの手紙は、あなたがたが、どんなに私たちのことを心にかけていてくれるか、主の前で明らかにするために書きました。 実は、これこそ、例の罪の張本人や被害者である父親を助けること以上に、私が願ったことなのです。 13 こうして、あなたがたの愛を知り、私たちは大いに勇気づけられました。 その上、テトスの喜びが加わって、喜びも倍増しました。 あなたがたがテトスをあたたかく迎え入れ、くつろがせてくれたおかげです。 14 テトスの出発前に、私は、あなたがたのことを誇りに思っていると話しておきましたが、よくぞ信頼にこたえてくれました。 私はいつも真実を語ってきましたが、テトスに誇ったことも、うそではなかったと証明されたのです。 15 テトスは、あなたがたが彼のことばに喜んで耳を傾け、非常な心づかいと深い関心をもって受け入れてくれたことを思い出しては、今まで以上に、あなたがたへの愛を深めています。…

コリント人への第二の手紙 8

1 ところで、神様が、マケドニヤの諸教会にどんな恵みを施されたか、お知らせしたいと思います。 2 多くの試練や困難のただ中にあったマケドニヤの諸教会が、ひどい貧しさにもかかわらず、喜びに満ち、その結果、惜しみなく、あふれるほど他の人々に施すようになりました。 3 自分たちの力に応じてささげたばかりでなく、力以上にささげました。 誓ってもいいのですが、私がやかましく催促したからではなく、自発的にそうしたのです。 4 「エルサレムのクリスチャンを援助できるなんて光栄です。 ぜひその献金の仲間に入れてください」と、熱心そのものでした。 5 何よりもすばらしいのは、彼らが期待をはるかに超えることをしてくれた点です。 まず、自分自身を主にささげ、また私たちにもゆだねてくれました。 つまり、神様が私たちを通して、どんなことをお命じになっても、それに従うためです。 6 このような献金に対する彼らの熱意を見て、私たちはテトスに、あなたがたのところへ行くよう強く勧めたのです。 初めに献金を勧めたテトスが、この際、あなたがたを励まして、献金の奉仕を完了させるのがよいと思ったからです。 7 あなたがたは、多方面にわたって指導的立場にある人々です。 あつい信仰も持っています。 すぐれた説教者も大ぜいいます。 広い知識、燃えるような熱心、私たちに対するあふれるほどの愛も持っています。 そこで今、喜んでささげるという精神においても、指導者になっていただきたいのです。 8 これは命令ではありません。 献金しなければならない、と言っているのではありません。 ただ、ほかの人々の献金に対する熱心さを話しているのです。 でも、この献金の奉仕は、あなたがたの愛が、単に口先だけにとどまらず、真実のものだと証明する、一つの手段にはなるでしょう。 9 あなたがたは、主イエス・キリストが、どんなに愛と恵みに満ちておられたかを知っています。 あれほど富んでおられた主が、あなたがたを助けるために、あれほど貧しくなられました。 その貧しさによって、あなたがたを富む者とするためでした。 10 一年前に始めたことを、この際、やり遂げてみたらどうでしょう。 この献金を最初に申し出たのも、最初に実行に移したのも、あなたがたなのですから。 11 あんなに熱意をもって始めたのですから、自分の持っているものの中から、ささげられるものは、みなささげ、喜んでこの計画を完成すべきです。 最初の熱意が、現在の行動にも現われてほしいものです。 12 ささげる熱意がほんとうにあるなら、いくらささげるべきかは、問題ではありません。 神様は、持っていないものまで、ささげるようにとはおっしゃいません。 13 私は、献金を受ける人たちが、あなたがたの犠牲によって楽をするのは当然だと言っているのではなく、 14 両者が分け合うべきだと言っているのです。 現在あなたがたは豊かなので、彼らを援助できます。 そして、今度いつか、あなたがたに助けが必要な時は、彼らが助けてくれるでしょう。 こうして、互いに、必要なものを受け取るのです。 15 このことについて、旧約聖書に何と書いてあるか、覚えていますか。 「多く集めた者も余ることがなく、少ししか集めなかった者も足りないことがなかった」とあります。 ですから、困っている人たちと分け合いなさい。…

コリント人への第二の手紙 9

1 神の民である人々を援助することについては、今さらとやかく言う必要はありません。 2 その件についての、あなたがたの熱心さを知っているからです。 一年も前から献金を送る準備を進めてくれていることを、私はマケドニヤの友人たちに誇ってきました。 実際、その影響を受けて、多くの人が、他者への援助を始めたい気持ちに駆り立てられたのです。 3 ところで、今度、この友人たちに行ってもらうことにしたのは、私の誇りどおり、あなたがたが、ほんとうに献金をすっかり集めて準備しているか確かめるためです。 私の自慢が今度は当てはずれになった、などということのないよう願っているのです。 4 もしマケドニヤの人たちが私といっしょに行って、あなたがたが、まだ準備していないのを見たら、どうでしょう。 あれだけ信じきっていた私は、赤恥をかくことになるでしょう。 そしてもちろん、あなたがたも、恥ずかしい思いをするでしょう。 5 そこで、あなたがたが前に約束した贈り物の準備が、すっかり整っているかどうか見るために、この友人たちにお願いして、先発隊として行ってもらうことにしました。 それが真心からの贈り物であって、強制されたものでないようにと願っています。 6 しかし、次のことは心にとめておいてください。 すなわち、少ししか与えない者は、少ししかもらえない、ということです。 少ししか種をまかない農夫は、わずかの収穫しかあげられません。 たくさんまけば、たくさん刈り取ります。 7 いくらささげたらよいかは、各自が決めるべきです。 自分はこれだけささげようと思っている人に、もっとたくさんささげるように強制してはいけません。 神様にとっては、喜んで与えるかどうかが大事なのです。 8 神様は、必要なものは何でもあり余るほど与えて、不足がないようにしてくださいます。 それで、必要が満たされたあと、なお十分な余裕があるので、他の人々に喜んで分けることができるのです。 9 聖書にこう書いてあるとおりです。 「神を敬う人は、貧しい人々に惜しみなく与える。 その良い行ないは、永遠に名誉となる。」 10 農夫にまく種を与え、そのあとに、食べるための収穫物をふんだんに与えてくださる神様は、あなたがたにも、まく種をもっとたくさん下さり、それをふやしてくださいます。 すると、あなたがたはその収穫の実をもっともっとたくさん、人に与えることができるのです。 11 そうです。 神様からたっぷりいただいたあなたがたは、人にもたくさん贈ることができるのです。 そして、私たちが、その贈り物を必要としている人々に届ける時、そこには感謝が満ちあふれ、あなたがたの援助のゆえに神様への賛美がわき上がるのです。 12 そういうわけで、その贈り物は、二つのすばらしい結果を生み出します。 すなわち、困っている人々が助けられること、そして、彼らの神様に対する感謝の念が満ちあふれることです。 13 援助を受けた人々は、自分たちや他の人々に対する気前のよい贈り物に大喜びするだけでなく、あなたがたが教えに忠実に行動している証拠を見て、神様をあがめることでしょう。 14 また、あなたがたを通して神様のすばらしい恵みを知り、熱心に真心から、あなたがたのために祈るようになるでしょう。…

コリント人への第二の手紙 10

1 お願いがあります。 このパウロが、キリスト様の態度にならって、おだやかにお願いします。 あなたがたの中には、今でも、「パウロは遠く離れていると、ずいぶん強気じゃないか。 ところが面と向かうと、大きな声も出せないほど、弱気になるんだからなあ」と言っている人がいます。 2 私がそちらに行って、わざわざ、きびしく大胆にふるまってみせなくてもすむように、と願っています。 もっとも、私の言動が普通の人間と少しも変わらないと、たかをくくっている人々に対しては、きびしく大胆にふるまうつもりですが……。 3 私がごくあたりまえの弱い人間であることは事実です。 しかし私は、戦いに勝つために、人間的な計画や方策を用いません。 4 悪魔の要塞を打ち破るために、人間の手によらない、神様の強力な武器を使います。 5 この武器は、神様に逆らう、あらゆる高慢な議論と、人々の目から神様を隠している、あらゆる壁を打ち砕きます。 この武器を用いて、私は、反抗する者を捕虜として神様に連れ戻し、回心させて、キリスト様に従わせます。 6 まず、あなたがたにこの武器を向け、キリスト様に従わせたあとで、残りのすべての反抗する者に、挑戦するのです。 7 あなたがたは私を、弱々しく無力な人間だと思っています。 それが問題なのです。 うわべしか見ていません。 けれども、もし必要があれば、私だってキリスト様の力と権威を見せることができるのです。 8 あなたがたに対する権威――それは人を助けるためのものであり、傷つけるためではありません――を、必要以上に誇っているように見えるかもしれません。 しかし、それについては多少誇りすぎても、恥とはならないでしょう。 9 こう言うのも、手紙での叱責が、ただの脅しと受け取られたくないからです。 10 こう言う人もいます。 「パウロの手紙なんか気にするな。 偉そうなことを言っても、口先だけさ。 実際に会ってみればよくわかるよ。 いかにも頼りなげで、あれほどへたな説教者はいないな。」 11 こんな人たちに対しては、今度そちらに行ったら、手紙の文面どおり、きびしくふるまうつもりです。 12 よく、自分はたいへんすぐれた人物だと、自己宣伝をする人がいますが、私は、そのまねをするつもりはありません。 彼らは、ただ、お互いに比較し合ったり、つまらない尺度で、自分を評価したりするのです。 なんてばかげたことでしょう! 13 しかし私たちは、持ってもいない権威を誇るようなことはしません。 私たちの目標は、神様が立ててくださった計画を実行することです。 それには、そちらであなたがたのために働くことも含まれています。 14 私たちは、自分の分もわきまえずに、権威をふり回しているわけではありません。 キリスト様についての良い知らせを、最初にあなたがたに伝えたのは、私たちなのですから。 15 ほかの人の業績を、自分のものだと主張しているのではありません。 ただ、あなたがたの信仰が成長し、〔私たちに許された限度内であっても〕あなたがたの間での私たちの働きが、大いに広がることを望んでいるのです。…