ハガイ書 1

1 これは、ダリヨス一世の治世の第二年の八月下旬に、預言者ハガイに示された、神様からのお告げです。 ハガイはそれを、シェアルティエルの子でユダの総督ゼルバベルと、エホツァダクの子の大祭司ヨシュアとに伝えました。 この二人へのお告げだったからです。 2 「なぜ、今は神殿を再建する時期ではないと、だれもが言うのか」と、神様はお尋ねになります。 3-4 神様のお答えはこうです。 「神殿が荒れ果てたままなのに、おまえたちだけが、ぜいたくな家に住むべき時だろうか。 5 その結果はどうか。 6 いくら種をまいても、ほんのわずかしか収穫がない。 飲み食いにも事欠き、寒さを防ぐ衣服もない有様ではないか。 収入は、まるで底のぬけたポケットに入れるように、すぐなくなってしまう。」 7 天の軍勢の主はこうお語りになります。 「自分たちがどんなことをしてきたか、また、その結果どうなったかをよく考えよ。 8 さあ、山に登り、材木を切り出し、神殿を再建せよ。 わたしは喜んで受け入れ、わたしの栄光をそこに現わそう。 9 おまえたちは多くを望んでも、少ししか得られない。 それを家に持ち帰っても、わたしが吹き飛ばす。 結局、なくなってしまうのだ。 なぜか。 神殿が廃墟のままなのに、心にもかけないからだ。 わが家をよくすることばかりに気を配っている。 10 だから、わたしは雨を降らせず、わずかな収穫しか与えない。 11 平地にも高地にも、ひどい日照りをもたらす。 麦も、ぶどうも、オリーブも、他の穀物も、みな干からび、人も家畜も飢えに苦しむ。 いくら仕事に精を出しても、すべては水の泡だ。」 12 すると、シェアルティエルの子でユダの総督ゼルバベルと、エホツァダクの子の大祭司ヨシュアと、この地に残ったわずかな国民は、神様がハガイに示したお告げに従いました。 真剣に、神様を礼拝するようになったのです。 13 そのとき神様は再び、神様の使いであるハガイによって、彼らにお語りになりました。 「わたしはおまえたちと共にいて祝福する。」 14-15 こうして、神様が神殿再建の願いを起こさせたので、彼らはみなダリヨス王の治世の第二年の九月上旬に集まり、進んでその仕事に取りかかりました。

ハガイ書 2

1 その年の十月上旬に、神様は次のようなお告げを彼らに伝えるよう、ハガイに命じました。 2 総督と大祭司、およびこの地に残っているすべての者に、こう尋ねよ。 3 「おまえたちの中に、前にあった神殿を覚えている者がいるか。 それは栄光に輝く神殿であった。 それに比べると、今は、まるで無に等しいではないか。 4 だが、勇気を出せ、ゼルバベルよ、ヨシュアよ、全国民よ。 元気を出して働け。 天の軍勢の主がこうお語りになる。 『わたしはおまえたちと共にいる。 5 エジプトを脱出した時、わたしの霊がおまえたちにとどまる、と約束したとおりだ。だから、恐れるな。』 6 天の軍勢の主はこうお語りになるのだ。 『しばらくして、わたしは天と地を、また海と陸を揺り動かす。 7 すべての国をも揺り動かす。 すべての国の待ち望む方〔メシヤ〕が、この神殿に来て、ここをわたしの栄光で満たす。 8-9 この神殿の未来の栄光は、最初の神殿の輝きにまさるものとなる。 それに必要な金銀は、わたしが山ほど持っているからだ。 わたしは、ここに平和をもたらす。』」 10 ダリヨス王の治世の第二年の十二月上旬に、次のような神様からのお告げが、預言者ハガイによって示されました。 11 祭司たちに、おきてのことで次のように尋ねよ。 12 「おまえたちのうちだれかが、神聖ないけにえを着物に入れて運んでいて、着物がパンかぶどう酒か肉に触れたら、触れたものは聖なるものとなるか。」 祭司は答えました。 「いや、そんなことで聖なるものにはならない。」 13 ハガイは続けて尋ねました。 「だれかが死体に触れるなら、礼拝規則上は汚れる。 では、その人が何かに触れると、それも汚れるのか。」 「そのとおりだ。」 14 そこでハガイは、神様のために、もっとはっきり言いました。「おまえたちはみな、身勝手な態度をとり、良からぬ思いで日を過ごし、自分がささげるいけにえを汚している。 いや、いけにえだけではない。 わたしに対する務めまでも汚している。 15 それで、することなすことが、うまくいかなかったのだ。 だが、今からは違う。 神殿を建て始めたからだ。…