ヨハネの第一の手紙 1

1 私は、この世界が造られる前から存在しておられたキリスト様を、この目で見、そのことばをこの耳で聞き、その体にこの手でさわりました。 キリスト様は、神様のいのちのことばです。 2 このいのちである方を、神様は私たちに紹介してくださいました。 私たちは、確かにこの方を見ました。 私が伝えたいのは、永遠のいのちである、このキリスト様のことです。 この方は初め、父なる神と共におられましたが、やがて、私たちの前に姿を現わされました。 3 もう一度言いますが、私たちは実際に見聞きしたことを、伝えているのです。それは、あなたがたも私たち同様、父なる神やそのひとり息子イエス・キリストと交際できる者とされ、喜びにあふれるためです。 4 もしこの手紙の忠告どおりに実行すれば、あなたがたは喜びに満たされ、私たちも共に喜ぶことになるのです。 5 神様は光であり、少しも暗い部分がありません。 これが、神様から私たちにゆだねられた、あなたがたへの教えです。 6 神様の友だと言いながら、霊の暗やみと罪にはまり込んで生活しているなら、私たちは、うそをついているのです。 7 しかし、神様の光の中におられるキリスト様にならって、私たちも光の中で生活すれば、互いにすばらしい交際と喜びとを味わうことができます。 そして、神の子イエス様の血が、私たちをすべての罪からきよめてくださるのです。 8 もし、自分には罪がないと言いはるなら、それは、自分をだましているのであって、真理を受け入れようとしない証拠です。 9 しかし、もし自らの罪を神様に告白するなら、神様はまちがいなくそれを赦し、すべての悪からきよめてくださいます。 〔なぜなら、キリスト様は、私たちの罪を帳消しにするために、死んでくださったからです。〕 10 潔白だと言いはる人は、自分がうそつきになるばかりか、神様まで、うそつき呼ばわりすることになります。 なぜなら、神様は「人間は罪を犯した」と、はっきり宣言しておられるからです。 —https://d1b84921e69nmq.cloudfront.net/32/32k/1JN/1-14a7ca5bb02e4569ad8f020c858a14e2.mp3?version_id=83—

ヨハネの第一の手紙 2

1 私の幼い子供たちよ。 私がこう言うのも、あなたがたに、いつも罪から離れていてほしいからです。 しかし、もし罪を犯したとしても、父なる神の前で弁護してくださる方がおられます。 その方は、イエス・キリストです。 キリスト様は、すべての点で正しく、完全に神様のお心にかなった方です。 2 そして、私たちの罪に対する神様の怒りを一身に引き受け、私たちを、神様と交際できる者としてくださいました。 私たちの罪が赦されるために、自らを神様に差し出されたのです。 それは、私たちのためばかりでなく、全世界のためでもあります。 3 私たちがこの方に属していることを、どうすれば確かめられるでしょう。 それには、神様の要求を実行するほかありません。 4 ある人は、「私はクリスチャンだ。 天国を目指して歩んでいるし、まちがいなくキリスト様のものだ」と主張するでしょう。 しかし、もしその人がキリスト様の命令に従っていなければ、うそをついているのです。 5 キリスト様の教えを実行している人は、ますます神様を愛します。 これが、クリスチャンであるかどうか、見分ける方法です。 6 自分はクリスチャンだと言う人は、キリスト様と同じ生き方をすべきです。 7 愛する兄弟たち。 私は今、新しい戒めをつくり出しているのではありません。 これは、初めからある古い戒めであり、すでに何度も聞いたものです。 8 にもかかわらず、この戒めは、常に新しいのです。 これは、キリスト様にとって真理であり、あなたがたにとっても、そうです。 「互いに愛し合いなさい」という戒めを守る時、私たちの生活から暗やみは逃げ去り、キリスト様のうちにある、新しいいのちの光が輝き渡ります。 9 キリスト様の光の中を歩んでいると言いながら、仲間のクリスチャンを憎む人は、相変わらず暗やみにとどまるのです。 10 仲間のクリスチャンを愛する人は、光の中を歩む者であり、罪と暗やみにつまずくことなく、行く手をはっきりと見渡せます。 11 しかし、仲間を憎む人は、霊の暗やみをあてどなくさまよい、行く先もわかりません。 暗やみのために足下さえ、よく見えないのです。 12 幼い子供たちよ。 このように書き送るのは、あなたがたの罪が、すでに救い主イエス様の名によって、赦されているからです。 13 年長者たちよ。 私がこう書き送るのは、あなたがたが、世の初めから生きておられるキリスト様を、実際に知っているからです。 青年たちよ。 私がこう語りかけるのは、あなたがたが悪魔との戦いに勝ったからです。 少年少女たちよ。 私がこう書き送るのは、あなたがたが父なる神を知ったからです。 14 このように私は、永遠に生きておられる神様を知っている父親や、神様のことばを心にとめて悪魔との激戦に打ち勝つ強い青年にも、語っているのです。 15 この世と、その中のすべてのものに、心を奪われてはなりません。 もし、それらを愛するなら、実際には、神様を愛していないのです。…

ヨハネの第一の手紙 3

1 天の父は、どんなに、私たちを愛しておられることでしょう。 私たちを、ご自分の子供として受け入れてくださいました。 考えてもごらんなさい。 神様の子供とされたのです。 ところが、神様を知らない多くの人は、当然、私たちが神様の子供であることを、理解できません。 2 愛する友よ。 私たちは、もうすでに神様の子供です。 これから先のことは想像もつきませんが、ただこの一事だけは、わかっています。 つまり、キリスト様がお帰りになる時、私たちがキリスト様に似た者となるということです。 というのは、キリスト様のありのままの姿を目のあたりにするからです。 3 このことをほんとうに信じる人はみな、自分の身を、いつもきよく保とうと心がけます。 キリスト様はきよい方だからです。 4 しかし、罪を犯し続ける人は、神様に逆らうのです。 罪はすべて、神様の心に反する行為だからです。 5 あなたがたは、キリスト様が人間となられたのは、私たちの罪を取り除くためであったことを、よく知っています。 また、キリスト様は何の罪も犯さず、どんな時にも、神様の心からそれなかったことも、知っているはずです。 6 ですから、もし私たちが、いつもキリスト様のそば近くにおり、従順に従うなら、罪を犯し続けたりしないですみます。 彼らが罪を犯すのは、真の意味でキリスト様を知らず、キリスト様のものとなっていないからです。 7 愛する子供たちよ。 このことで、だれにもだまされてはいけません。 もし、あなたがたが、いつも善を行なっているなら、キリスト様と同じように、正しく歩んでいるのです。 8 しかし、もし依然として罪を犯し続けるなら、それは、悪魔の一味になり下がった証拠です。 悪魔は、初めの罪以来、ずっと罪を重ねてきました。 しかし神の子は、この悪魔のしわざを打ち破るために来られたのです。 9 神様の家族の一員として新しく生まれた人には、神様のいのちが宿っているので、もはや罪を犯す習慣はありません。 新しいいのちに支配されているので、罪を犯し続けることができないのです。――その人は二度目の誕生を迎えたのです。 10 そこで今、私たちは、神様の子供と悪魔の仲間とを、はっきり見分けることができます。 罪の生活を送り、兄弟であるクリスチャンを愛さない者は、自分から神様の家族ではないと、証明しているようなものです。 11 私たちは初めから、「互いに愛し合いなさい」と教えられていたからです。 12 カインのようになってはいけません。 カインは悪魔の仲間になって弟を殺しました。 なぜでしょう。 弟の正しい生活と比べて、自分の生活があまりにも悪いと自覚していたからです。 13 ですから、愛する友よ。 たとい全世界があなたがたを憎んでも、驚いてはいけません。 14 ほかのクリスチャンを愛しているなら、私たちは、地獄から救い出され、永遠のいのちを与えられたと確信できます。 そうでない者は、永遠の死にとどまっているのです。 15 だれでもクリスチャンの仲間を憎む者は、心の中で人殺しをしているのです。 言うまでもないことですが、人殺しに、永遠のいのちはありません。…

ヨハネの第一の手紙 4

1 心から愛する友よ。 だれかが「これこそ神様の教えです」とふれ回っても、それをうのみにして、何もかも信じてはなりません。まず、それが確かに神様から出たものかどうかを、試しなさい。 多くの偽教師があちこちに現われているからです。 2 彼らのことばが聖霊様から出たものかどうかを確かめる方法があります。 つまり、神の子イエス・キリストが、現実に生身の人間となられたことを、その人が認めるかどうかで決まるのです。 もしそのことを認めるなら、彼のことばは神様から出たものと信じていいでしょう。 3 しかし、そうでなければ、神様から出たものではなく、明らかに「反キリスト」と同じく、キリスト様に敵対する者から出ているのです。 この反キリストが出現することは、以前から聞かされていたはずです。彼らは今、至る所で、キリスト様への敵意をむき出しにしています。 4 愛する友よ。 あなたがたは神様の側につく者として、キリスト様に敵対する者と戦い、すでに勝利を収めてきました。 それは、心のうちに、この不正な世に巣くう、どんなに悪い教師よりも、はるかに強い方がおられたからです。 5 その教師連中は、この世につく者であり、この世のことにのみ心を奪われています。 ですから、この世の人たちは、彼らに関心を寄せるのです。 6 しかし、私たちは神様 の子供です。 ですから、いつも神様と共にいて、親しく語り合っている人だけが、私たちのことばに耳を傾けるのです。 そうでない人は、耳を貸そうともしません。 このことからも、ほんとうに神様から出たことばを語っている人かどうかを、見分けることができるのです。 神様から出た教えに、この世は耳を傾けないからです。 7 愛する友よ。 互いに愛し合いましょう。 愛は神様から出ています。 ですから、人を愛する親切な人は、その行ないによって、自分が神様の子供であることを証明すると同時に、ますます深く、神様を知るようになるのです。 8 反対に、人を愛さない不親切な人は、神様を知らないことを暴露しています。 なぜなら、神様は愛だからです。 9 神様は、かけがえのないひとり息子を、この不正な世に遣わし、その方の死によって、私たちに永遠のいのちを与えてくださいました。 そのようにして、どんなに私たちを愛しておられるかを、証明されたのです。 10 この神様の行為によって、私たちは、何がほんとうの愛か、知ることができました。 真の愛とは、神様に対する私たちの愛ではなく、私たちに対する神様の愛なのです。 それは、私たちの罪を責める自らの怒りをなだめるために、神様がひとり息子を差し出された愛に尽きるのです。 11 愛する友よ。 神様がこれほど愛してくださったのですから、私たちもまた、互いに愛し合おうではありませんか。 12 私たちは、これまで一度も神様を見たことがありません。 しかし、互いに愛し合う時、神様は、私たちの心の中に住んでくださり、心の中の神様の愛を、なおいっそう強めてくださるのです。 13 神様は、私たちの心に聖霊様を遣わしてくださいました。 そのことが、私たちが神様と共に生き、神様も私たちと共に歩んでくださる証拠です。 14 さらに私たちは、神様がひとり息子を世の救い主として遣わされたのを、この目で見、それを、いま全世界に伝えています。 15…

ヨハネの第一の手紙 5

1 イエス様はキリスト、すなわち、神の子であり救い主であると信じるなら、その人は神様の子供です。 父なる神を愛する人はみな、神様の子供たちを愛するはずです。 2 そういうわけで、あなたがたが、どれだけ神様を愛し、従っているかで、神様の子供たちをどれだけ愛しているかがわかるのです。 3 神様を愛するとは、そのご命令を守ることです。 決して、むずかしいことではありません。 4 神様の子供たちはみな、神様に従います。 そして、キリスト様に信頼することによって助けを受け、罪と悪との楽しみに、打ち勝つことができるのです。 5 イエス様がほんとうに神の子であると信じる人以外に、この戦いに勝てる人はいません。 6-8 私たちは、イエス様が神の子であると知っています。 なぜなら、イエス様がバプテスマ(洗礼)を受けられた時、また、死を目前にされた時、天からの神様の声が、そのことを証言したからです。 さらに、永遠に真実であられる聖霊様も、そう証言しておられます。 ですから、私たちには三つの証言があるわけです。 すなわち、私たちの心の中で語られる聖霊様の声と、キリスト様がバプテスマを受けられた時の天からの声と、キリスト様の死の前に聞こえてきた声の、三つです。 この三つが一致して、イエス・キリストは神の子である、と証言しているのです。 9 私たちは、法廷での証人のことばを信じます。 では、なおさら、神様のことばを確信できるはずです。 神様自身がはっきりと、イエス様は神の子である、と宣言しておられるのですから。 10 このことを信じる人はみな、心でそう確信しています。 信じない人は、神様をうそつき呼ばわりしているのです。 神の子についての神様の証言を、信じようとしないからです。 11 神様の言われたこととは、何でしょう。 それは、神様が私たちに、永遠のいのちを与えてくださったこと、また、永遠のいのちが神の子のうちにあるということです。 12 そういうわけで、神の子を信じる人には、いのちがあり、信じない人にはないのです。 13 すでに神の子を信じているあなたがたに、このように書き送るのは、あなたがたには永遠のいのちがあることを自覚させたいからです。 14 私たちは、神様の心にかなうことを願い求めるなら、いつでもその願い事は聞き届けていただけると確信しています。 15 ですから、願い事をする時に、確かに神様が耳を傾けてくださっているとわかれば、神様は必ずその祈りに答えてくださる、と確信できるのです。 16 もし、罪を犯しているクリスチャンを見かけたら、その人が赦していただけるよう、祈ってやりなさい。 それが取り返しのつかない罪でなければ、神様は、彼のいのちを助けてくださいます。 しかし、死に至る罪があります。 そんな罪にはまり込んでいる人のためには、祈っても無意味です。 17 もちろん、すべての悪が罪であることに違いはありません。 しかし、私がここで取り上げているのは、いわゆる一般的な罪ではなく、死に至る罪のことです。…