歴代志上 21
1 時にサタンが、王に人口調査をさせるように仕向けて、イスラエルに災いをもたらしました。 2 王は、ヨアブをはじめ指導者たちに命じました。 「国中の人口を完全に調べ上げ、その人数を報告してくれ。」 3 ヨアブが反対意見を述べました。 「かりに神様が国民を百倍に増してくださっても、みな陛下の民ではありませんか。 それなのに、なぜ、そんな要求をなさるのですか。 なぜ、イスラエルに罪を犯させるようなことを、なさるのですか。」 4 しかし、王が説き伏せたので、ヨアブは命令どおりイスラエル中を巡り歩き、エルサレムへ帰って来ました。 5 ヨアブが報告した総人口は、イスラエルで戦いに出られる者百十万、ユダで四十七万でした。 6 ただし、ヨアブは王の命令を気に病んでいたので、数の中にレビとベニヤミンの二部族を入れませんでした。 7 この人口調査のことで、神様も不きげんになり、イスラエルに罰をお加えになったのです。 8 王は神様におわびしました。 「私は罪を犯しました。 どうかお赦しください。 自分のしたことがどんなにまちがっていたか、今、わかりました。」 9 そこで神様は、王の相談役である預言者ガドにお語りになりました。 10-11 「王に伝えよ。 『神様は、三つのうち、一つを選べと仰せだ。 12 三年間のききんか、三か月のあいだ敵に苦しめられることか、それとも、御使いが国中を荒らして、三日間おそろしい伝染病に悩まされることかだ。 よく考えて、私をお遣わしになった方に何と答えるか、決めてもらいたい。』」 13 王は答えました。 「一つを選ぶのは、なんともつらいことです。どうか、私を人の手にではなく、神様の御手に陥らせてください。神様の思いやりは深いからです。」 14 神様はイスラエルに伝染病を下されたので、七万人が死にました。 15 病気が猛威をふるっている時、神様は一人の御使いを送って、エルサレムを滅ぼそうとなさいました。 ところが、神様はかわいそうに思って考えを変え、御使いに、「もう十分だ。 手を引け」とお命じになったのです。 御使いはその時、エブス人オルナンの打穀場に立っていました。 16 王は、御使いが抜き身の剣をエルサレムの方に差し伸べ、天と地の間に立っているのを見ました。 そこで、その場に居合わせたイスラエルの長老とともに、荒布をまとい、地にひれ伏したのです。…