詩篇 101

1 神様。 あなたがどんなに恵み深く公正なお方であるかを、ほめ歌いたいのです。 2 非の打ちどころのない生活を送りたい、と心がけている私ですが、神様のお助けなしには何もできません。 ことに、おこころにそった歩みをしたいとせつに願う家庭の中でこそ、お助けいただきたいのです。 3 低俗で下品なものをはねつけ、あらゆる不正行為を憎んで、縁を切らせてください。 4 いっさいの自分中心の態度を捨て、すべての悪から遠ざかるつもりです。 5 陰で隣人を中傷するような人間には、容赦をしません。 また、うぬぼれや思い上がりが幅をきかすのを、黙って見てはいられません。 6 神様を敬う人こそ真の英雄と考えて、家へ招きます。 身も心も潔白な人だけが、わが家の召使となれるのです。 7 うそを言ったり裏切ったりする人を泊めることなど、決していたしません。 8 悪人狩りをして神様の都を守ることが、私の日課なのです。悩みに打ちひしがれている人の祈り

詩篇 102

1 神様、この祈りを聞き、この訴えに耳を傾けてください。 2 こんな悩みの時にこそ、私を放っておかないで、すみやかに答えてください。 3-4 私の日々は、煙のように消えていくからです。私は肉体ばかりか心も病んでいて、草のように踏みにじられ、しおれてしまいました。 食欲もなく、何を食べてもまずいのです。 5 絶望して嘆き、うめき続けたこの身は、骨と皮だけになりました。 6 まるで、はるか遠い荒野に住むはげたかや、仲間からはずれて砂漠をさまようふくろうのようです。 7 また、一羽だけ屋根にいる雀のように、孤独をかみしめ、まんじりともせず身を横たえているのです。 8 敵は、くる日もくる日も私をののしり、のろいます。 9-10 神様の激しいお怒りにふれて、私はパンの代わりに灰を食べ、涙まじりの飲み物をのむのです。 私は神様から突き放されました。 11 私の一生は、夕方の影のように伸び尽くし、草のようにしおれます。 12 それに引き替え、永遠の王である神様のご名声は、いついつまでも語り継がれます。 13 私は、神様がエルサレムをあわれんでくださることを知っています。 今こそ、その時なのです。 14 神様の国民は、城壁の一つ一つの石に愛着を覚え、通りの土にさえ忘れがたい思いをいだいているのです。 15 諸国の民や支配者たちは、神様の前で震え上がりますように。 16 神様が栄光の姿で現われ、必ずエルサレムを再建してくださるからです。 17 神様は、苦闘している人の祈りを聞かれます。 主は、彼らの願いが耳に入らないほど、忙しくしてはおられません。…

詩篇 103

1 私は心から神様をたたえます。 2 今までにいただいた祝福を、決して忘れません。 3 神様は私の罪をみな赦し、病気を治してくださいます。 4 地獄行きの身を身受けし、恵みとやさしい思いやりで包んでくださいます。 5 私の一生は祝福でおおわれ、鷲のように若返ります。 6 神様は、不当に扱われている者を公平にさばかれます。 7 神様はご自分の本性と、これからなそうとすることを、モーセおよびイスラエル国民に知らされました。 8 神様は、虫けら同然の者をあわれみ、やさしくいたわってくださいます。 また、短気を起こさず、恵みと愛に満ち、 9 いつまでも根に持ったりはなさいません。 10 罪の深さに比例して罰を下されるわけでもありません。 11 神様を恐れ、あがめる人には、無尽蔵のあわれみをかけてくださいます。 12 神様は私たちの罪を取り除き、はるか地平線のかなたに投げ捨ててくださいました。 13 神様は、恐れかしこむ者に対しては、父親のようにやさしい思いやりを示してくださいます。 14 というのも、私たちが土くれにすぎず、 15 また草花のようにはかなく、…

詩篇 104

1-2 神様はすばらしいお方です。 栄誉と威厳をまとわれたそのお姿は、なんと神々しいことでしょう。 天には星をちりばめ、 3 地表のくぼみには海原を創造された神様。 雲の馬車に乗り、風の翼でかけ抜けられる神様。 4 その先ぶれを務める天使は、風のように速い、炎の使者です。 5 くずれ落ちることのないように、大地はしっかりとゆわえつけられました。 6 また、山々をのみ尽くすほどの洪水で、大地はおおわれました。 7-8 神様のひと声で、水はたちまち広大な海の底に吸い込まれ、山々は姿を現わし、谷は規定の線まで沈みました。 9 神様はまた、海水が二度と地表にあふれないよう、境界線をお定めになりました。 10 谷には泉を、山には渓流を、神様は配置なさいます。 11 あらゆる獣はそこでのどをうるおし、野ろばは渇きをいやします。 12 鳥は渓流のほとりに巣を作り、木々のこずえでさえずります。 13 神様は山々に雨を降り注ぎ、地をくだものの宝庫となさいます。 14 そのひと言で、家畜の飼料となる柔らかい草が生え、栽培用の果樹や野菜、それに穀物も育ちます。 15 また、だんらん用のぶどう酒、皮膚をつややかにするオリーブ油、力の源となるパンも作ることができるのです。 16 神様がお植えになったレバノン杉は、すくすくと伸び、みごとな大木に成長しました。 17 そこには鳥が巣を作り、こうのとりは、もみの木に宿ります。…

詩篇 105

1 神様のすばらしい行為の一つ一つに感謝し、諸国民に伝えなさい。 2 賛美の歌をうたい、会う人ごとにその奇蹟を告げ知らせなさい。 3 神様を拝む人々は、誇らかにこおどりして喜びなさい。 4 常に神様を求め、お力を慕い続けなさい。 5-6 神様がどれほど大きいことをしてくださったか、考えてみなさい。それは、私たちが神様のしもべアブラハムとヤコブの子孫であり、選ばれた国民だからです。 さあ、どのようにして敵を滅ぼしていただいたか、思い起こしなさい。 7 私たちの神様の恵みは、国じゅう至る所で明らかです。 8-9 たとい、何千年を経たのちでも、神様はお約束を忘れず、アブラハムやイサクと結んだ契約をお破りになりません。 10-11 そして、この契約をヤコブに再確認されました。 つまり、「カナンの地を相続させよう」という、イスラエル国民への約束です。 12 このころはまだ、イスラエルはほんの一にぎりの少数民族であり、カナンの寄留民にすぎなかったのです。 13 こののち、彼らは国々に散らされ、国から国へと放浪したこともありました。 14 しかし、そんな時でも、神様の許しなしには、彼らに指一本ふれることはできなかったのです。 彼らを攻撃しようとする多くの王が滅ぼされました。 15 「わたしの選んだ者にさわるな。 わたしの預言者に害を加えるな」と、神様の警告が響き渡りました。 16 神様がカナンの地にききんを呼び寄せられると、食糧が底をつきました。 17 その一方、ご自分の国民を飢えから救うため、ヨセフを奴隷としてエジプトに送り込まれました。 18 ところが、彼は牢獄につながれ、足かせや鉄の首輪をかけられたのです。…

詩篇 106

1 ハレルヤ。 神様の恵み深さを感謝します。 その愛は、いつまでも脈打っています。 2 栄光に輝く神様の奇蹟を、一つ残らず書き留めることのできる人がいるでしょうか。 だれが、神様を十分に賛美し尽くせましょう。 3 公平と正義と思いやりとを身につけている人々には、幸福が訪れます。 4 ああ神様。 あなたの国民に祝福と救いを注がれる時、私にも目を留めてください。 5 この身をも、選ばれた国民の繁栄にあずからせ、彼らと同じ喜びにひたり、ご栄光を共有できるようにしてください。 6 私たちも先祖同様、はなはだしい悪の道にそれました。 7 先祖はエジプトで、あれほどの、目をみはるばかりの奇蹟を目撃しながら、感動することもなく、たちまち数々の恵みを忘れてしまったのです。それどころか、紅海のほとりで、神様に逆らったりもしたのです。 8 しかし、そんな人々をも、神様はお救いになりました。 それは、ご自身の名誉を守り、お力を全世界に知らせるためでした。 9 紅海に命じられると、海は二つに裂け、まるで砂漠のように乾ききった、一本の道ができたのです。 10 こうして、神様は人々を敵の手から救い出し、 11 続いて、水を元に戻して、敵を一人残らずおぼれさせてくださいました。 12 ここまで来て、ようやく彼らは神様を信じ、堅く閉じていた口を開いて、賛美の歌をうたいました。 13 しかし、あっという間に、元のもくあみです。 彼らは神様を無視して行動し、 14 もっとおいしいものを食べたいと注文をつけました。 こうして、神様の忍耐はぎりぎりのところまで試されたのです。 15 神様は欲しがるものをお与えになりましたが、彼らの心を空虚になさいました。…

詩篇 107

1 神様に感謝しなさい。 神様は恵み深く、愛と思いやりにあふれたお方ですから。 2 神様のおかげで自由の身となれた人は、大声でそう人に伝えなさい。 神様に、敵の手から救い出してもらったことを、ほかの人に知らせなさい。 3 主は、最果ての地で囚われの身となった人々を連れ戻されました。 4 住む家もない人々は、砂漠をあてどなくさまよい、 5 空腹をかかえ、のどはからから、体力も衰え果てました。 6 しかし、「神様、助けてください」と彼らが叫ぶと、その切なる願いは聞かれました。 7 神様はすぐさま、安全で住むのに適した土地へと移してくださったのです。 8 神様がどれほどおやさしい心づかいを示し、どれほどすばらしいことをしてくださったか分かっているなら、賛美がおのずからあふれてくるでしょう。 9 神様は渇いたたましいを潤し、飢えたたましいを良いもので満たされるからです。 10 みじめな奴隷になり下がり、陰湿な暗やみに座り込んでいる人はだれですか。 11 主に逆らい、神々にまさる神をさげすんだ人々です。 12 それゆえ、彼らは神様から重労働を強いられ、倒れても、だれにも起こしてもらえないのです。 13 八方ふさがりの中で、彼らが神様に助けを求めた時、その願いは聞かれました。 14 陰惨な暗やみから引き上げられ、奴隷の鎖を断ち切っていただきました。 15 これほどすばらしい思いやりと恵みをかけていただいたのですから、神様への賛美を忘れないでほしいものです。…

詩篇 108

1 ああ神様。 賛美が私の口からあふれてきます。 大喜びであなたへの歌をささげましょう。 2 十弦の琴と竪琴よ、目覚めなさい。 共々に歌って、夜明けを迎えようではないか。 3 私は世界のどこでも、神様をたたえます。 4 神様の恵みは測り知れず、その真実は天にまで達します。 5 ご栄光は、大空を突き抜くようにそびえています。 6 目をかけていただいている私の叫びが、お耳に達したなら、どうか救いにおいでください。 7 神様から聖なる約束を交わしていただいた私が、有頂天になるのも当然です。 神様は、シェケムの全土とスコテの谷を下さると約束なさいました。 8 「ギルアデとマナセは、おまえたちに与えるつもりの、わたしの領地だ。 エフライムは、わたしのかぶと、ユダはわたしの笏。 9 しかし、モアブとエドムには、つばを吐きかけよう。わたしはペリシテ人に向かって、勝ちどきをあげよう。」 10 神様でなくてだれが、こんな要塞で固められた町々を征服する力を、私に授けてくれるでしょう。 また、エドムまで導いてくれるでしょう。 11 神様、まさか、私たちを見捨て、その軍勢を置き去りになどなさらないでしょうね。 12 どうか、敵に立ち向かう力を与えてください。同盟軍の助太刀などあてにできません。 13 神様のお助けさえあれば、何ものをも恐れない勇者さながら、ぞんぶんに戦えます。 神様が敵を踏みにじってくださるからです。

詩篇 109

1 ああ、すばらしい神様、そんなに遠くで黙っていないでください。 2 悪者どもは私を中傷し、うそ八百を並べ立てています。 3 これという理由もないのに私を憎み、突っかかって来るのです。 4 私は彼らを愛し、祈ってやっているのに、私のいのちをつけねらうのです。 5 善の代わりに悪を、愛の代わりに憎しみを、返してよこします。 6 私がどんな気持ちでいるか、敵に知らせてやってください。 ありもしない噂を立てて、彼を不公平な裁判官のいる法廷に引き出してください。 7 そして、有罪宣告が下されますように。 彼の祈りさえも、罪とみなしてくださればいいのです。 8 彼の寿命は縮まり、その仕事はほかの者が取って代わりますように。 9-10 その子供は父なし子に、妻は未亡人になり、荒れ果てた家から立ち退きを命じられますように。 11 債権者に全財産を没収され、見も知らぬ者に、たくわえをみな巻き上げられますように。 12-13 だれひとり同情せず、遺児にもあわれみをかけてやりませんように。 一家の者が死に絶え、その家系が一代でとだえればいいのです。 14 両親の罪まで見のがさず、徹底して罰してください。 15 彼のした悪事をかた時も忘れず、その名を人々の記憶から消し去ってください。 16 彼は人を思いやる気持ちなどみじんも持たず、困っている人を虐待し、傷心の者を死に追いやったからです。 17 人をのろうのを趣味にしていた彼を、今度は、神様がのろう番です。 一度も人を祝福したことがない彼から、今度は祝福を奪い返してください。…

詩篇 110

1 神様は、私の救い主にお告げになりました。 「わたしの代理として、右の座について治めてくれ。 わたしは敵を征服し、おまえの前で土下座させよう。」 2 神様は、あなたが敵を支配するために、エルサレムに強固な王座をおすえになりました。 3 あなたのご威光が輝き渡ると、国民はきよい祭服をまとって、いそいそとやってまいりましょう。 あなたは、朝露のように、日々新しい力を帯びられます。 4 神様は、あなたが永遠にメルキゼデクのような祭司であるという契約は、決して無効にはならない、と誓われました。 5 神様はあなたのそばにいて、守られます。 ひとたびあなたの怒りを買った国々の王は、必ず倒されます。 6 あなたは国々を罰し、指導者を全滅させては、死体で足の踏み場もないほどにされます。 7 しかし、あなたは道のほとりの泉から水を飲み、気勢をあげられるのです。