詩篇 81

1 神様こそ私たちの力です。 さあ、賛美の歌をうたいましょう。 2 タンバリンの伴奏で歌いましょう。 うるわしい音色の竪琴と十弦の琴をかなで、 3 ラッパも吹き鳴らしましょう。 さあ、祭りです。 楽しく祝いましょう。 満月と新月の祭り、そのほかにも祭りは多いのです。 4 祭りにはうんと楽しめと、神様がイスラエルのおきてに、組み込んでくださったのです。 5 祭りは、私たちに奴隷の強制労働を強いたエジプトに対する戦いの記念として、神様が定めてくださったのです。 私は、生まれて初めて、こんなお声を聞きました。 6 「さあ、肩の重荷を下ろしてやろう。 重労働から解放してやろう。 7 おまえが『苦しい』と叫ぶと、わたしは助けてやった。 雷の隠れ家シナイ山から、わたしは答えた。 『水がない』と、おまえが文句を言った時、メリバでおまえの信仰を試した。 8 わたしの国民よ。 こうして口をすっぱくして叱っている間に、聞き従ってくれたならなあ! 9 どんなことがあっても、ほかの神を拝むんじゃないぞ。 また、家の中に偶像を置いてもいけない。 10 エジプトから連れ出してやったのは、おまえの神である、このわたしではないか。 疑うのなら、口をあんぐり開けてみるがよい。 そして、わたしが口いっぱいに恵みを満たすかどうか試しなさい。 ありとあらゆる祝福はおまえのものになるだろう。 11 しかし、わたしの国民はいっこうに聞こうとしない。 イスラエルは、わたしのそばを煙たがる。 12 そこで、かってに闇の中を手探りして、欲望のままに暮らすがいい、と放っておくことにしたのだ。 13 ああ、わたしの国民が、従順になってくれたならなあ。 イスラエルが、わたしの道を歩んでくれたならなあ。 14 そうなれば、直ちに敵と戦って征服してやるのに。」 15…

詩篇 82

1 神様は、天の法廷を開いて、裁判官たちに判決をお授けになります。 2 いつまでおまえたち裁判官は、真実の証言に耳をふさぐのか。 いつまで悪党どもに便宜をはかってやるのか。 3 貧しい者、悩む者、身寄りのない者、暮らしに事欠く者を公平にさばけ。 4 腹黒い連中から、貧乏で苦しんでいる人々を救ってやれ。 5 ところが、おまえたちときたら、お話にならないくらい無知なのだ。 それというのも、おまえたちが暗やみに閉じ込められていて、社会の土台も根本から揺らいでいるからだ。 6 わたしはおまえたちに「神様方」とか、「いと高き神々のご子息様」とか呼びかけてやった。 7 しかし、やっぱり死んでいくのだから、ただの人間と変わりはしない。 ほかの王族にしても同じだ。 人間はみな死すべき運命にある。 8 ああ神様、立ち上がって、この世をさばいてください。 地にあるものはみな、神様のもので、諸国は神様の手中にあります。

詩篇 83

1 ああ神様、私たちが祈っているのに、じっと黙って、見て見ぬふりをしないでください。 祈りに答え、救い出してください。 2 あの、敵の興奮して騒ぎ立てる声が、お耳に入らないのですか。 神様を憎む者どもの目に余る行為が、お目に留まらないのですか。 3 やつらは悪知恵を働かせて策略を練り、神様にとってかけがえのない人たちを殺そうとしています。 4 「さあ、イスラエルを抹殺しよう。 そんな国があった痕跡さえ残すな。」 5 これが、彼らのトップ会談での一致した意見でした。 全能の神様を敵に回して、彼らは同盟条約を結んだのです。 6 こうして、イシュマエル人、エドム人、モアブ人、ハガル人、 7 ゲバル、アモン、アマレク、ペリシテ、ツロの住民たち、 8 それにアッシリヤも加わって、このロトの子孫たちとの連合軍ができ上がりました。 9 どうか彼らを、いつかのミデヤンと同じような目に会わせてください。 もしくは、キション川でのシセラやヤビンと同じ敗北を、なめさせてやってください。 10 また、土地をこやすほど死体が朽ち果てたエン・ドルでの敵のようにしてください。 11 とくに権力者の貴族たちには、オレブとゼエブのような死にかたをさせてください〔カナン征服記下七・二五参照〕。 また高官たちをも、ゼバフとツァルムナのように葬り去ってください〔カナン征服記下八・二一参照〕。 12 この二人は、「神様の牧場をごっそりいただいて、わしらのものにしようぜ」とたくらんだ連中です。 13 ああ神様、砂ぼこりやもみがらのように、彼らを吹き飛ばしてください。 14 森林をなめ尽くす山火事のように襲ってください。 15 猛烈な嵐や龍巻で、追い払ってください。…

詩篇 84

1 天の神様。 あなたの神殿の美しさには、全くほれぼれいたします。 2 この神殿の内庭に入り、生ける神様のおそば近くに出ることを、私は夢にまで見ているのです。 3 雀やつばめでさえ、祭壇の回りに巣を作らせてもらい、ひなを育てています。 天の神様。私の王様。 4 神殿に住めて、常にあなたを賛美できる人は、なんと幸せなことでしょう。 5 神様から力をいただき、神様に従って歩むことを最優先したいと願う人は幸いです。 6 そんな人には、涙の谷も、祝福のわき出る泉となるでしょう。 7 彼らはいよいよ溌剌としてシオン(エルサレム)に向かい、一人ずつ呼ばれて、主にお目どおりを許されるのです。 8 ああ神様、私の祈りを聞いてください。 9 私たちを守る盾であられる神様、あなたが油を注いでお立てになった王をあわれんでください。 10 あなたの神殿で過ごす一日は、よそで過ごす千日よりもすばらしいのです。 悪の宮殿に住むよりは、神の家の門番になりたいと思います。 11 神様は、私たちの光であり、守り手であるからです。 神様は恵みと栄光を下さる方であり、ご自分の道を歩む者に、良いものを出し渋ったりはなさいません。 12 天の神様に信頼する人は幸いです。

詩篇 85

1 神様、あなたは驚くべき恵みをこの国に注がれましたね。 イスラエルの繁栄を回復し、 2 国民の罪を赦し、そのいっさいを水に流されたのですね。 3 こうして、神様の激しい怒りは、きれいに消え去りました。 4 ああ神様、あなたを愛していた昔に戻してください。 そうすれば、二度とお怒りを買うこともないと思います。 5 それとも、子々孫々に至るまで、いつまでもお怒りはやまないのですか。 6 私たちを生き返らせてください! そうなれば、神様の国民は、再びあなたを喜ぶようになります。 7 主よ、私たちに愛と恵みを注いで、救ってください。 8 私は、神様の口から出ることばをひと言も聞きもらすまいと、耳をそばだてています。 神様の国民である聖徒たちが罪を離れさえすれば、平和を告げられるからです。 9 救いは、神様を敬う人たちの身辺にあるのです。 私たちの国は、やがて主の栄光で満ちあふれるようになるでしょう。 10 恵みと真実は出会いました。 厳正な正義と平和は頬ずりし合いました。 11 真実は地に生い茂り、神様の公正は天からほほ笑みます。 12 神様から祝福されて、この国には豊作が続きます。 13 正義は神様の前を進んで、道を踏み固めます。

詩篇 86

1 ああ神様、こちらを向いて、この祈りをお聞きください。 私は悩み果てています。 2 神様のおきてをすべて守ろうとしている私です。 どうか、このいのちをお守りください。 神様に信頼して仕えている私です。 どうかお救いください。 3 ああ神様、最後まで望みを失わず、あなたを見上げている私をあわれんでください。 4 神様以外のだれをも拝んだりはしませんから、どうか、しあわせにしてください。 5 神様は恵み深いお方で、赦すのをためらったりなさいませんから、助けを求めて来る人にはだれにでも、あふれるほどにあわれみをかけてくださいます。 6 ああ神様。 もう限界です。 この叫びを聞いてください。 7 苦しいことにぶつかるたびに、神様を呼んでいます。 すると、あなたは助けてくださるのです。 8 異教の神々の中に、神様のような方はいません。 だれがあんな奇蹟を行なえるものですか。 9 神様がお立てになった諸国家は、目の前でひれ伏し、聖なるお名前をたたえるでしょう。 10 神はあなたお一人であり、目をみはるばかりの偉大な奇蹟を行なわれます。 11 私がどちらへ行けば、おこころにかなうのか教えてください。喜んで、そちらへ参ります。 全身で、神様のお名前を恐れさせてください。 12 心の底から神様をほめたたえ、常にお名前に栄光を帰したいのです。 13 神様はこんなにも愛してくださり、常に情けをかけてくださるからです。 また、神様は、地獄の底から私を救い出してくださったお方です。 14 ああ神様。 思い上がった連中が、公然と突っかかって来ます。 神様を無視するならず者が、私のいのちをねらっています。 15 しかし神様。 あなたはあわれみ深くてやさしく、短気を起こさず、恵みと真実にあふれていらっしゃいます。…

詩篇 87

1-2 エルサレムは神様のきよい山にそびえています。 この神の都を、神様はどこよりも深く愛しておられるのです。 3 神の都については、なんとすばらしい語り伝えのあることでしょう。 4 最近、友人たちとの会合で、エジプトやバビロン、ペリシテやツロ、それにはるかエチオピヤの名前が話題にのぼった時、それらの国の生まれだと誇らしげに語る人がいました。 5 しかし、いつかは、エルサレム生まれであることが最高の栄誉となる日が訪れます。 神々にまさる神が、格別この都に目をかけ、祝福してくださることになるからです。 6 エルサレム出身者は国籍の登録に際して、神様から二重丸をいただくでしょう。 7 祭りの日、人々は、「ああ、わが心のエルサレム」と歌うようになります。

詩篇 88

1 ああ、私を救ってくださる神様。 私は昼も夜も、あなたの前で泣きくずおれているのです。 2 この叫びに耳を傾け、祈りを聞き届けてください。 3 苦しみにがんじがらめにされた私に、死の足音が忍び寄って来たのです。 4 人々は、私のいのちが尽きるのも時間の問題で、手の施しようもないと言います。 5 戦場で倒れ、神様からのあわれみも絶たれた兵士のように、見殺しにするのです。 6 神様は私を、深い真っ暗やみの穴に投げ込まれました。 7 神様の激しい怒りは、息つく暇なく押し寄せる波のように、私をのみ込みます。 8 神様は、友人たちが私をけぎらいして去るようにされました。 私はさながら袋のねずみでした。 9 目は泣き疲れてかすんでいます。 ああ神様。 くる日もくる日も、助けてくださいと、取りすがっているのです。 あわれんでくださいと、両手を差し伸べているのです。 10 もうすぐ、手遅れになってしまいます。 死んでしまえば、どんな奇蹟を行なってくださろうと、あとの祭りです。 私が、神様をたたえるすべもありますまい。 11 なんで墓の中にいる者が、神様の恵みや真実を言い広めることができましょう。 12 暗やみに、神様の奇蹟を証言できるでしょうか。 あの世へ行った人間に、神様の助けを語り伝えることができるでしょうか。 13 ああ神様。 くる日もくる日も、私はいのち乞いをしています。 14 なぜ、私の寿命を縮められるのですか。 なぜ、お顔をそむけられるのですか。 15 私は若いころから病気がちで、いつも死にさらされていました。 死におびえて、なすすべもなく立ち尽くしていました。…

詩篇 89

1 私は神様のこまやかなお心づかいを、いつまでも歌います。 2 神様の愛と恵み、それに真実は、永遠に絶えることがありません。 3-4 神様はこう言われます。 「わたしは、よりすぐったしもべダビデと厳粛な契約を結んだ。 彼の子孫を永久に王座につけると誓ったのだ。」 5 ああ神様。 天はあなたの奇蹟をたたえ、御使いたちは、あなたの真実をたたえます。 6 天に、神様と並ぶ存在などありえませんから。 いちばん偉い御使いでさえ、神様の足もとにも及びません。 7 天使の中で最高位の者さえ、御前では恐れおののきます。 ほかのだれが、神様のように尊敬されているでしょうか。 8 天の軍勢の主である神様。 あなたのように権威ある方は一人もいません。 神様は真実そのものなのです。 9 すさまじい嵐が起こって、波がさかまこうと、神様のひと言で凪いでしまいます。 10 傲慢な態度を捨てなかったエジプトは、神様の手で切り刻まれました。 神様の恐るべき腕を見て、敵はくもの子を散らすように逃げて行きました。 11 天も地も、万物は神様の手中にあります。 いっさいのものを造られたのは神様なのですから。 12 北も南も神様がお造りになりました。 タボル山とヘルモン山は、創造主の神様に感謝しています。 13 神様の腕の力は天下に並ぶものがなく、その栄光ある右の手は、高くあげられています。 14-15 神様の王座を支えているのは、公平と正義の太い二本の柱です。 あわれみと真実は、いつもおそばに控えています。 喜びに震えるラッパの音を聞く人々は、神様の光の中を歩くことができるので幸せです。 16 彼らは、神様のすばらしい名声と、非の打ちどころのない正義を知って、一日じゅう喜びに満たされます。 17 神様は彼らの力です。 神様の恵みが私たちの力の源であるとは、なんという光栄でしょう。…

詩篇 90

1 神様。 あなたはいついつまでも私たちの住まいです。 2 大地が造られ、山が生まれる前から、あなたは神であられました。 あなたには初めも終わりもないのです。 3 神様のひと言で、人は土に帰ります。 4 千年の昔も神様にとっては、きのうのことにすぎず、つい一時間前と変わりません。 5-6 私たちは流れの速い潮に乗って、見る間に過ぎ去り、一夜の夢のように、あわただしく消えていきます。 朝のうちは青々と生い茂っていても、夕暮れには刈られてしおれる草に似ています。 7 私たちはあなたの怒りのうちに死に、あなたの憤りに打ち滅ぼされます。 8 神様は隠された罪をあばき、白日にさらされます。 9 神様のお怒りの日々は、私たちに重く長く、ため息ばかりで過ぎていくのです。 10 人生七十年、中には八十まで生きる人もいるでしょう。 しかし、その脂の乗りきった時期でも、むなしさと苦しみにむしばまれています。 しかも、月日は矢のように過ぎて、たちまち帰らぬ身となるのです。 11 だれが、神様のお怒りの真のこわさを知っているでしょう。 だれが、ほんとうに恐れることを知っているでしょう。 12 どうか、私たちに与えられた日を数えさせてください。 そして、どんなに短いものか気づかせてください。 どうか、正しい日の過ごし方を教えてください。 13 ああ神様、祝福してください。 いつまでじらすおつもりですか。 お怒りはずっと向こうに遠ざけてください。 14 お恵みで若い日々を満ち足らせ、生涯を閉じる日まで、喜びを絶えさせないでほしいのです。 15 悲惨な日々のことなどつゆだに思い返さないほどの喜びを、いただきたいのです。 災いの年月を、祝福の日々と取り替えてください。 16 もう一度、奇蹟を見せてください。 子供たちに、以前のようにご栄光を見せてやってください。…