ガラテヤ人への手紙 3

1 ああ、ガラテヤの皆さん。 なんと物わかりが悪いのでしょう。 いったいどんな魔術師にだまされて、魔法にかけられたのですか。私は、十字架上で死なれたキリスト様の姿を、絵のようにありありと目の前に示して、その死の意味をはっきりと教えたではありませんか。 2 一つだけ聞いておきます。 あなたがたは、なぜ聖霊様をいただくことができたのですか。 ユダヤ教のおきてを守ろうと努力したからですか。 もちろん、そんなはずはありません。 キリスト様のことを聞き、その救いを信じてはじめて、聖霊様はあなたがたのところに来てくださったのです。 3 とすると、あなたがたの頭がおかしくなったとしか考えられません。 信仰生活の出発点は、ユダヤ教のおきてを守ろうと努力する点にはありませんでした。 それなのに、どうして、もっと強いクリスチャンになるために、おきてに従おうと努力するのですか。 4 福音のために、あれほど多くの苦しみを経験したあなたがたが、今は、その福音をあっさりと投げ捨ててしまうのですか。 とても信じられないことです。 5 もう一度聞きます。 なぜ神様は、あなたがたに聖霊様の力を与え、奇蹟を見せてくださったのですか。 ユダヤ教のおきてを守ろうと努力したからですか。 絶対にそうではありません。 キリスト様を信じ、全くお任せしたからです。 6 アブラハムも同じ経験をしました。 彼は神様の約束を信じたというだけで、天国へ入る資格を与えられたのです。 7 このことから、心から神様に信頼する人はだれでも、アブラハムの真の子孫となることがわかります。 8 聖書は、信仰を持った外国人が救われる、この時のことを、予告してきたのです。 神様がずっと昔、アブラハムに、「どこの国の人であろうと、あなたのようにわたしを信頼する人を、祝福しよう」と宣言された時、このことを意味しておられたのです。 9 そういうわけで、キリスト様に信頼する人はみな、アブラハムと同じ祝福をいただくのです。 10 ユダヤ教のおきてに頼って救われようとする者は、神様にのろわれます。 なぜなら、聖書には、「神の律法の書にあるおきてを一つでも破る者は、のろわれる」とはっきり書いてあるからです。 11 したがって、ユダヤ教のおきてを守ろうと努力したからといって、だれ一人、神様の恵みを受けることはできないわけです。 なぜなら、神様の前で正しい者と認められる道は、信仰による以外にない、と神様が言っておられるからです。 預言者ハバククが「正しい人は信仰によって生きる」と語ったとおりです。 12 この信仰による道は、おきてによる道とは、なんと違うことでしょう。 おきてによる道は、おきてを一つ残らず完全に守ることによって救われる、と教えているのですから。 13 ところが、本来なら、私たちが自分の悪い行ないゆえに受けなければならないのろいを、キリスト様は、自分の身に引き受けてくださったのです。 そして、滅びる以外にない状態から、私たちを救い出してくださいました。 なぜなら、聖書に、〔イエスが木の十字架にかけられたように〕「木にかけられる者はだれでも、のろわれた者である」と書いてあるからです。 14 今では、神様は、アブラハムへの約束と同様の祝福を、外国人にも与えておられます。 そして、私たちはみなクリスチャンとして、この信仰によって、約束の聖霊様をお迎えできるのです。 15 愛する皆さん。 日常生活で人間同士が約束をかわす場合でも、文書にして署名したら、もう変更はできません。 あとになって、約束を破ることはできないのです。…

ガラテヤ人への手紙 4

1 しかし、次の点に心をとめてください。 ある父親が、小さな子供にばく大な財産を残して死んだとします。 その場合、子供は、実際には父の全財産の持ち主ではあっても、大きくなるまで、奴隷とほとんど変わらない立場にあります。 2 つまり、父の定めた年齢に達するまでは、後見人や管理者に従う義務があるのです。 3 キリスト様が来られるまでは、私たちもそれとよく似た立場にありました。 ユダヤ教のおきてや儀式によって救われると考えて、その奴隷となっていたのです。 4 しかし、ちょうどよい時が来ると、神様は自分のひとり息子を、女から生まれた者、ユダヤ人として生まれた者として、お遣わしになりました。 5 それは、おきての奴隷になっていた私たちを買い戻して、自由の身とするためであり、神様の子供として迎えてくださるためなのです。 6 このように、神様は、子としての私たちの心に、神の子の御霊を送ってくださいました。それで今、神様を「お父さん」とお呼びできるのです。 7 私たちは、もはや奴隷ではありません。 神様の子供です。 子供であるからには、神様の持っておられるものはすべて、私たちのものです。 それが神様の計画だからです。 8 あなたがた外国人は、神様を知らなかった時、実際には存在しない、神々と呼ばれているものの奴隷でした。 9 ところが今は、神様を知っているのに〔というより、むしろ神様に知られているのに〕、どうして、もとの状態に逆戻りしたがるのですか。 おきてを守って天国に入ろうとする、あの貧弱で、無力で、役立たずの宗教の奴隷に逆戻りしようとするのですか。 10 あなたがたは、ある特定の日や月や季節や年についての定めを守り、それで神様を喜ばせようとしています。 11 そんなあなたがたが、気がかりでなりません。 私があれほど、あなたがたのために一生懸命尽くしてきたのは、全部むだだったのでしょうか。 12 愛する皆さん。 この点について、どうか私と同じ考えでいてください。 私も、以前のあなたがたのように、このような鎖からは自由になっているのですから。 私が初めて伝道した時、あなたがたは私を軽べつしたりはしませんでした。 13 初めてキリスト様の良い知らせを宣べ伝えた時の私は病気であったのに……、 14 そして、その病気は、人に不快感を与えるものであったにもかかわらず、あなたがたは、私を拒んだり、追い返したりしませんでした。 それどころか、まるで神様からの御使いか、キリスト・イエスであるかのように、迎え入れ、気づかってくれました。 15 あの時、お互いに味わった幸福感は、どこに行ってしまったのでしょう。 あなたがたは、私を助けるためなら、自分の目をえぐり出してもかまわないとさえ、思ったではありませんか。…

ガラテヤ人への手紙 5

1 このように、キリスト様は私たちを自由の身にしてくださいました。 ですから、この自由をしっかり握っていなさい。 もう二度と、ユダヤ教のおきてや儀式にがんじがらめにされた奴隷とならないよう、細心の注意をはらいなさい。 2 よく聞いてください。 これは大切なことなのですから。 もしあなたがたが、神様の前で正しい者と認められるには、割礼(男子が生まれて八日目にその生殖器の包皮を切り取る儀式)を受け、ユダヤ教のおきてを守りさえすればいいと考えているなら、キリスト様に救っていただくことはあきらめなさい。 3 もう一度言います。 割礼を受けて、神様の恵みを手に入れるつもりなら、それ以外のユダヤ教のおきてをも、完璧に守るべきです。 そうしなければ、死あるのみです。 4 もしあなたがたが、おきてを守ることによって、神様への負債を帳消しにするつもりなら、キリスト様は、あなたがたにとって全く無意味な存在です。 あなたがたは、神様の恵みから、すべり落ちてしまったのです。 5 しかし私たちは、キリスト様の死によってこそ、罪が取り除かれ、神様の前で正しい者と認められることを、聖霊様の助けによって確信しています。 6 キリスト様から永遠のいのちをいただいた私たちは、割礼を受けたかどうか、ユダヤ教の儀式を守っているかどうか、などと心配する必要はありません。 私たちに必要なのは、愛によって働く信仰だけです。 7 皆さんは、順調に走っていました。 それを妨害したのはだれですか。 真理に逆らわせたのは、だれですか。 8 もちろん、神様のはずはありません。 あなたがたを、キリスト様に基づく自由へと招いてくださったのは、神様なのですから。 9 とにかく、あなたがたの中に悪い人が一人でもいるなら、その悪影響は全体に及ぶのです。 10 主はこの点について、あなたがたを私と同じ信仰に立ち返らせてくださるものと、確信しています。 人を惑わし、かき乱す者には、だれであろうと、神様のさばきが下るのです。 11 よりによってこの私が、割礼やユダヤ教のおきてが救われるための必要条件だと教えている、と言う者がいます。 しかし、もしそうなら、もはや私は迫害されることなどないはずではありませんか。そんな教えには、だれも腹を立てませんから。 私が今なお迫害されているという事実こそ、私が今も、ただキリスト様の十字架を信じる信仰によって救われる、と教えている証拠なのです。 12 割礼を受けさせて、あなたがたの肉体の一部を切り取りたいと思っている教師たちには、いっそのこと、自分自身をあなたがたから、切り離してもらいたいものです。 とにかく、手を引いてくれればよいがと、私はそればかり願っています。 13 愛する皆さん。 あなたがたは自由を手にしているのです。 それは、悪を行なうための自由ではなく、互いに愛し合い、仕え合うための自由です。 14 なぜなら、おきての全体は、「自分を愛するように他の人を愛しなさい」という一つの命令に要約されるからです。 15 しかし、互いに愛し合わず、いつもいがみ合ったり、非難し合ったりしているなら、結局、共倒れになってしまいます。 気をつけなさい。…

ガラテヤ人への手紙 6

1 愛する皆さん。 一人のクリスチャンが何かあやまちを犯した場合、神様を敬っているあなたがたは、やさしく謙そんな気持ちでその人を助け、正しい道に立ち返らせてやりなさい。 同時に、今度は自分が悪の道に落ち込むかもしれないと、心を引きしめなさい。 2 相手の悩みを共に背負い、そのようにして、キリスト様の命令に従いなさい。 3 ひとかどの人物の自分が、なにもそこまで身を低くする必要はないと思う人は、自分自身をあざむいているのです。 そんな人は全く取るに足りない人間です。 4 ほんとうに最善を尽くしているかどうか、もう一度、点検しなさい。 そうすれば、よくやれたと自分で満足でき、他人と、とやかく比較することもなくなるでしょう。 5 人はみな、それぞれ自分の欠点や悩みを背負っています。 一人として、完全な人間はいないのです。 6 神様のことばを教えてくれる人には、報酬を払い、援助しなさい。 7 思い違いをしてはいけません。 いいですか。 神様を無視することなど実際には不可能であり、種をまいた人は、必ずその刈り取りもすることになるのです。 8 自分の悪い欲望を満足させるために種をまく者は、その結果、きっと霊的な滅びと死とを刈り取るはめになります。 しかし、聖霊様のよい種をまく者は、聖霊様が与えてくださる永遠のいのちを刈り取ります。 9 正しい行ないをすることに疲れ果ててしまわないようにしましょう。 失望せず、あきらめずにいれば、やがて祝福を刈り取る日が来るからです。 10 ですから、機会さえあれば、だれに対しても、特にクリスチャンには、親切にしましょう。 11 この最後のことばは自筆でしたためます。 見てください、この大きな字を。 12 何のために、例の教師たちがあなたがたをくどいて割礼(男子が生まれて八日目にその生殖器の包皮を切り取る儀式)を受けさせようと図るのか、わかりますか。 その理由は、ただ一つです。 すなわち、そのようにして人気を得、迫害を免れたいのです。 その迫害とは、キリスト様の十字架が唯一の救いの道であると認めるなら、必ず受けるものなのです。 13 そうした割礼を主張する教師たちも、それ以外のユダヤ教のおきては守ろうとしません。 そのくせ、あなたがたに割礼を強要するのは、弟子をふやして誇るためなのです。 14 しかし私に関するかぎり、主イエス・キリストの十字架のほかに、誇るものなど、決してあってはなりません。 この十字架によって、私は、この世の魅力的なものすべてに対して、ずっと以前に興味を失ってしまいました。 そしてこの世も、私に対する興味をすっかり失ってしまったのです。 15 割礼を受けているかいないかは、今や、全然問題ではありません。 大切なのは、私たちがほんとうに別の新しい人に造り変えられているかどうか、ということです。…

エペソ人への手紙 1

1 エペソに住む、いつも主に忠実な、愛するクリスチャンの方々へ。 神様に選ばれて、キリスト・イエスの使者となったパウロが、この手紙を送ります。 2 どうか、父なる神と、主イエス・キリストから与えられる恵みと平安が、あなたがたのものとなりますように。 3 さて、主イエス・キリストの父なる神を、どのようにほめたたえたらよいでしょう。 神様は、天上のあらゆる祝福で、私たちを祝福してくださいました。 それは、私たちがキリスト様のものとなっているからです。 4 神様は、この世界をお造りになる前から、私たちを、ご自分のものとして選んでくださいました。 それは、キリスト様が私たちのためにしてくださることに、基づいています。 そして、神様は私たちを、ご自分の目から見て、何一つ欠点のない、きよい者にしようとお定めになりました。 神様の前に立つ私たちは、その愛に包まれているのです。 5 神様の不変の計画とは、イエス・キリストを遣わし、その死によって、私たちを神様の家族の一員として迎えることでした。 それが、神様のお考えでした。 6 神様こそ、いっさいの賞賛を受けるべきお方です。 神様は、驚くばかりの恵みと愛とを、豊かに注いでくださったのです。 それは、私たちが、神様の最愛のひとり息子につながる者となったからです。 7 神の子の血を流してまで、私たちの罪を帳消しにしてくださるほど、神様の愛は大きいのです。 この神の子によって、私たちは救われました。 8 神様は、豊かな恵みを、あふれるほど注いでくださいました。 私たちをよく理解し、何が最善であるか、常にご存じだからです。 9 神様は、キリスト様を遣わしたことの隠れた理由を、私たちに知らせてくださいました。 その計画は、ずっと昔から、神様の愛のうちに決定ずみでした。 10 その目的はこうです。 すなわち、機が熟せば、私たちを、天でも地でも、あらゆる所から集めて、いつまでも、キリスト様のものとして神様のそばで過ごせるようにすることです。 11 そればかりでなく、キリスト様が成し遂げてくださったことのおかげで、私たちは、神様への喜ばしいささげ物とされています。 というのは、神様の主権的な計画の一部として、私たちは、神様のものとなるように、最初から選ばれていたのであり、すべては、ずっと昔からの、神様のお考えどおりになるからです。 12 なぜ神様は、このようになさったのでしょう。 それは、最初にキリスト様を信じた私たちに対する、こんなにもすばらしい恵みを見て、私たちが神様をほめたたえるためなのです。 13 キリスト様が成し遂げてくださったことのおかげで、あなたがたも、救いを約束する良い知らせを聞き、キリスト様を信じるようになりました。 そして、キリスト様に属する者であるという証印を、聖霊様に押していただきました。 この聖霊様については、ずっと以前から、クリスチャン全部に約束されていたことです。 14 私たちのうちに住まわれる聖霊様は、神様が約束のものを全部ほんとうに与えてくださる、という保証です。 それで、私たちに押された聖霊の証印は、神様がすでに私たちを買い上げ、ご自分のもとに引き取ってくださることを、保証するのです。 これが、栄光の神様をほめたたえる、もう一つの理由です。 15…

エペソ人への手紙 2

1 以前、あなたがたは神様からのろわれた存在であり、罪のために永遠に滅びる運命でした。 2 世間一般の人と同じ生き方をし、別に変わったところもありませんでした。 罪にまみれ、空中の権威を持つ、力ある支配者サタンの言うままになっていたのです。 このサタンは、主に反抗する人の心に、今も働きかけています。 3 私たちもみな、以前はほかの人たちと全く同じでした。 その生活ぶりは、心にある悪を反映したものでした。 欲望や悪意のおもむくままに、あらゆる悪事を重ねていたのです。 私たちは、生まれつきの悪い性質で悪へと突っ走り、他のすべての人と同様、神様の怒りを受けて当然の者でした。 4 しかし神様は、なんとあわれみに満ちたお方でしょう。 こんな私たちを深く愛してくださったのです。 5 それゆえ、罪のために霊的に死に果て、滅びる運命にあった私たちをも、キリスト様の復活と同時に生き返らせてくださいました。 〔救われる価値などない私たちに、ただ一方的な恵みが注がれたのです。〕 6 そして、キリスト様と共に、墓の中から栄光へと、引き上げてくださいました。 その天の領域で、私たちはキリスト様と共に、席に着いているのです。 これはすべて、キリスト・イエスが成し遂げてくださったわざに基づいているのです。 7 神様がキリスト・イエスを通して成してくださった、すべてのことからも、神様の恵みのすばらしさがわかります。私たちは今、その恵みがどんなに豊かであるかを示す、見本となれるのです。 8 あなたがたは、神様の寛容さのゆえに、キリスト様を信じることによって救われたのです。 しかも、そのキリスト様を信じることすらも、あなたがたから自発的に出たことではありません。 それもまた、神様からの贈り物なのです。 9 救いは、私たちの良い行ないに対する報酬ではありません。 ですから、だれ一人、それを手柄として誇ることはできません。 10 私たちをこのように造り、キリスト・イエスによる新しい生活に入れてくださったのは、神様です。 この新しい生活は、神様がずっと以前から計画してくださったものであり、私たちが互いに助け合って過ごすためのものです。 11 あなたがたも、以前は異教徒として、ユダヤ人からは、神様を信じない「汚れた者」と呼ばれていた自分を、決して忘れてはなりません。 〔もっとも、そういうユダヤ人も、神様を敬うしるしとしての割礼(男子が生まれて八日目にその生殖器の包皮を切り取る儀式)を受けて、信心深そうに儀式や礼拝を守っていたとはいえ、心は汚れたままだったのですが。〕 12 思い出してもごらんなさい。 そのころのあなたがたは、キリスト様とは全く無縁な生き方をしていました。 神様の子供となった人々には敵対し、神様から、何の助けも約束されていませんでした。 神様もなく、望みもない、滅びる以外にない存在でした。 13 しかし今では、キリスト・イエスに属する者となっています。以前は、神様から遠く離れていたあなたがたも、キリスト・イエスがその血によって成し遂げてくださったことのゆえに、今では、神様のそば近くに引き寄せられているのです。 14 キリスト様こそ、私たちの平和の道です。 この方は、私たちユダヤ人とあなたがた外国人とを一つの家族とし、両者を隔てていた軽べつという壁を打ちこわして、平和をつくり出してくださいました。 15 つまり、ご自分の死によって、相互の激しい敵意を、除いてくださったのです。 その敵意の原因とは、ユダヤ人を特別扱いし、外国人をのけ者にする、ユダヤ教のおきてでした。 そのおきて制度全体を無効にするために、キリスト様は死んでくださったのです。 そして、それまで互いに対立していた二つのグループを、それぞれ自分の手とし、足とされました。 こうして、私たちを融合させて、新しい一人の人間をつくられたのです。 ついに平和が実現しました。…

エペソ人への手紙 3

1 キリスト様の奴隷である私パウロは、今、あなたがたのために投獄されています。 あなたがた外国人も、神の家族の一員だと告げたからです。 2-3 私は、外国人に神様の恵みを示すためのこの特別の任務を、神様から受けています。 このことについては、前の手紙でも簡単にふれましたから、もうすでにご存じと思います。 外国人もまた神様の恵みの対象とされているという、この神様の特別の計画を、神様が私に明かしてくださったのです。 4 このように申し上げるのも、これらについて私がどう理解しているかを、わかっていただくためです。 5 以前には、神様はこの計画を、自分の民に隠しておられました。 しかし今では、聖霊様を通して、使徒や預言者たちに、はっきりと示しておられます。 6 その特別の計画とは、こうです。 すなわち、神様の子供とされた者たちが全財産を相続する時、外国人もユダヤ人と共に、十分にその分け前にあずかるということです。 ユダヤ人も外国人も、共に神の教会の一員として招かれています。 そして、キリスト様についての良い知らせと、この方が成し遂げてくださったこととを受け入れる時、キリスト様によって大いに祝福するという神様の約束に、両者ともあずかるのです。 7 神様は、この計画をすべての人に伝える光栄ある特権を、私に与えてくださいました。 また、その務めを果たすに十分な、神の力と特別な才能をも、与えてくださったのです。 8 考えてもごらんなさい。 私はそんな資格の全くない者です。クリスチャンの中で最も役立たずの人間です。 それにもかかわらず、キリスト様のうちにある無限の富が外国人にも分け与えられる、という喜ばしい知らせを伝える者として、特に選ばれたのです。 9 それはまた、万物を造られた神様が、世の初めからの特別な計画どおりに、ご自分が外国人の救い主でもあることを、すべての人に説き明かすためでもありました。 10 神様がそうなさる理由は何でしょうか。 それは、天上のもろもろの支配者たちに対して、神の全家族――ユダヤ人も外国人も――が神の教会の中で一丸となっている姿を見せ、神様の完全な知恵を示すためです。 11 これこそ、神様が主キリスト・イエスを通して、かねてから計画しておられたことなのです。 12 キリスト様と共に、また、キリスト様に頼って神様に近づけば、きっと喜んで迎えていただけることを確信して、私たちは今、恐れることなく、大胆に神様の前に出ることができます。 13 ですから、どうか、私がいま体験している苦しみを知って落胆しないでください。 この苦しみは、あなたがたのためであり、それは、あなたがたにとって名誉となり、励ましとなるはずです。 14-15 神様のご計画の知恵深さと広大さを思う時、私はひざをかがめて、神の大家族〔その中のある者はすでに天国におり、ある者はまだ地上にいます〕の父なる方に祈ります。 16 どうか、父なる神が、その栄光に満ちた無限の富の中から、聖霊様を通して人を内面から強くする力を、あなたがたに与えてくださいますように。 17 また、こうも祈ります。 どうか、キリスト様が、信じるあなたがたの心に住み、喜んでそこに住み続けてくださいますように。 どうか、この上なくすばらしい神様の愛という土壌に、あなたがたが深く根を張れますように。…

エペソ人への手紙 4

1 主に仕えたために、今こうして牢獄につながれている私から、お願いします。 このようにすばらしい祝福を受けるべくして選ばれたあなたがたは、それにふさわしく生活し、行動してください。 2 謙そんで柔和な人になってください。 愛をもって互いの欠点を思いやり、互いに忍耐してください。 3 聖霊様によって心を一つにされるよう常に努力し、互いに仲良く暮らしなさい。 4 私たちはみな、一つの体の各器官です。 だれもが同じ御霊様を与えられ、同じ輝かしい未来へと招かれています。 5 また、私たちの主はただ一人であり、信仰も一つであり、バプテスマ(洗礼)も一つだけです。 6 そして、私たちすべての上に立ち、すべての中に宿り、各器官である私たちを貫いて生きておられる、神であり父である方を、知っているのです。 7 けれども、キリスト様は私たち一人一人に、それぞれ特別の能力を与えてくださいました。 自分の豊かな賜物の宝庫から、お心のままに与えてくださったのです。 8 旧約聖書の詩篇の作者は、このことについて 「キリストは、復活してサタンに打ち勝ち、 勝利を得て天に帰られた時、 人々に惜しみなく賜物をお与えになった。」 と言っています。 9 ここで、キリスト様が天に帰られたという点に注意してください。 それは、最初は天の一番高い所におられたのに、地の一番低い所に下られたことを意味します。 10 この下って来られた方が、天に帰られたのです。 それは、キリスト様が、底辺から頂点に至るまで、あらゆる点であらゆるものを満たすためなのです。 11 さてこうして、ある者には使徒としての特別な能力が与えられ、ある者にはすぐれた説教者としての才能が与えられました。 また、キリスト様を救い主として信じるようにと人々を指導する、特別な能力を受けた者もいれば、羊を見守る羊飼いのように、神の民となった人たちの世話をし、神様のお考えにそって導き教える力を受けた者もいます。 12 なぜこのように、最善を尽くせる能力がそれぞれに与えられたのでしょうか。 それは、神の民となった人々が、神様のためにより良く働けるよう整え、キリスト様の体である教会を、力にあふれた、完成した状態へと建て上げるためです。 13 そしてついに、私たちはみな、救いについて、また救い主である神の子について、同じ信仰を持つに至り、主にあって完全に成長した者となるのです。――そうです、キリスト様に完全に満たされた状態にまで、成長するのです。…

エペソ人への手紙 5

1 子供が、かわいがってくれる父親を見ならうように、何をするにも神様を模範としなさい。 2 キリスト様の模範にならって、他人への思いやりに満ちあふれていなさい。 キリスト様の愛は、あなたがたの罪を取り除くために、ご自身をいけにえとして神様にささげるほど、深かったのです。 このキリスト様の愛の香ばしいかおりを、神様はお喜びになったのです。 3 あなたがたの間に、性的な罪や、不潔な行ない、貪欲があってはなりません。 そんなことで、だれからも非難されないようにしなさい。 4 汚らわしい話や、みだらな会話、下品な冗談は、あなたがたにふさわしくありません。 むしろ、互いに神様の恵みを心にとめて、感謝しなさい。 5 もうよくご存じと思いますが、キリスト様と神様との国に、汚れた人や貪欲な人は入れません。 貪欲な人は、実は偶像礼拝者であって、神様よりもこの世のものを愛して拝んでいるのです。 6 これらの罪の言いわけをする者たちに、だまされてはなりません。 神様の恐ろしい怒りは、こんな行ないをする者に片っぱしから下るからです。 7 彼らとのつき合いすら禁じます。 8 あなたがたの心は以前は暗やみにおおわれていましたが、今は主からの光にあふれています。 そのことを態度で示しなさい。 9 内面がこの光で輝いているのですから、良いこと、正しいこと、真実なことだけを行なうべきです。 10 日々の生活で、何が主に喜ばれることかを、わきまえなさい。 11 悪と暗やみの無意味な快楽に身を任せてはいけません。 むしろそれを非難し、明るみに出しなさい。 12 神様を敬わない者たちが暗やみでふけっている快楽は、口にするのも恥ずかしいことです。 13 しかし、あなたがたがそれを明るみに出す時、光がその罪を照らし出して、正体をあばきます。 その実態の醜さに気づいて、そのうちの何人かは光の子供となるでしょう。 14 だからこそ、聖書にこう言われているのです。 「眠っている者よ。 目を覚ませ。 死人の中から起き上がれ。…

エペソ人への手紙 6

1 子供は両親に従いなさい。 神様は、親が子供を監督する権威を認めておられるのです。 従うのは正しいことです。 2 「あなたの父と母とを敬え。」 これは、神様の「十戒」では筆頭のもので、一つの約束がついています。 3 つまり、「父母を敬うなら、あなたは幸せになり、長生きする」とあるのです。 4 両親にもひとこと言っておきます。 子供を、いつもがみがみしかりつけ、小言を並べ立てて、反抗心を起こさせたり、恨みをいだかせたりしてはいけません。 かえって、主がお認めになる愛のこもった訓練と、助言や忠告を与えて育てなさい。 5 奴隷は主人に従い、最善を尽くしなさい。 キリスト様に仕えるのと同じようにしなさい。 6-7 主人の目の前でだけ一生懸命に働き、隠れて怠けるようではいけません。 神様が望まれることを、心を尽くして行ない、キリスト様のために働くのと同様、いつも熱心に喜んで働きなさい。 8 あなたがたが、奴隷であろうと自由人であろうと、良い行ないには、一つ一つ主が報いてくださることを忘れないように。 9 主人たる者も、いま私が奴隷たちに勧めたのと同じ態度で、奴隷を正しく扱いなさい。 脅すばかりではいけません。 自分もキリスト様の奴隷であることを忘れないように。 あなたがたの主も、奴隷の主も同じお方なのです。 主は人を差別したりはなさいません。 10 最後に、覚えておいてほしいことがあります。 あなたがたは、自分のうちにある主の超自然的な力によって強められるべきだということです。 11 悪魔のどんな戦略や策略にも立ち向かえるように、神様のすべての武具で身をかためなさい。 12 戦う相手は、血や肉を持った人間ではなく、肉体のない者たちです。 すなわち、目に見えない世界の支配者たち、強大な悪魔的存在、この世を支配する暗やみの大王たち、それに、霊界にいる無数の悪霊どもです。 13 ですから、いついかなる攻撃にも対抗できるように、神様の武具の一つ一つを役立てなさい。 そうすれば、すべてが終わった時も、なおしっかり立てるでしょう。 14 しかし、そのためには、腰に真理の帯をしめ、神の承認という胸当てをつけなければなりません。 15 次に、神との平和の知らせを伝えるために直ちに出発できる、丈夫なくつをはきなさい。 16 どんな戦いにも、守りの盾として必要なのは信仰です。 これがあれば、ねらい定めて射かけてくるサタンの火矢を、消し止めることができます。…