テモテヘの第一の手紙 5

1 年上の人に、きついことば使いをしてはいけません。 むしろ、父親に対するように、尊敬の念をこめて話しかけなさい。 年下の人には、弟に対するように話しなさい。 2 年上の婦人には母親のように、若い女性には、少しも不純な気持ちをいだかないで、妹のように接しなさい。 3 夫に先立たれて、だれにも面倒をみてもらえない婦人がいたら、教会は親身になって世話すべきです。 4 しかし、もしその人に子供か孫がいる場合は、その責任は彼らにあるのです。 なぜなら、親切は、まず自分の家庭から、つまり、困っている親の面倒をみることから始まるのです。 神様はそのことを、たいへんお喜びになります。 5 教会が世話すべき人は、身寄りのない貧しい未亡人たちです。 中でも、ひたすら神様に信頼し、多くの時間を祈りに費やす人たちです。 6 あちこち遊び歩いて、うわさ話に花を咲かせ、おもしろおかしく暮らしている未亡人は、世話する必要がありません。 そんな人は、たましいが死んでいるのです。 7 このことを、教会規則に明記しておきなさい。 そうすれば、教会員は何が正しいかを知り、進んでそれを実行するでしょう。 8 自分の親類、ことに家族の苦しみを見て見ぬふりをするような人は、クリスチャンの風上にも置けません。 神様を知らない人よりも悪いのです。 9 教会の特別な働き人になりたいと願う未亡人には、一定の条件をつけるべきです。 すなわち、少なくとも六十歳以上で、結婚歴は一度に限らなければなりません。 10 また、これまで善行を積み、評判のよかった人でなければなりません。 次のことを調べる必要があります。 子供をりっぱに育て上げたかどうか。 クリスチャンに限らず、見知らぬ旅人をも親切にもてなしたかどうか。 病人や困っている人に助けの手を差し伸べたかどうか。 常にだれにでも、やさしくふるまう心がまえでいたかどうか。 11 若い未亡人を、そのような特別な婦人たちと同列に扱ってはいけません。 それというのも、若い人はキリスト様への誓いを無視して、再婚したがるからです。 12 その結果、初めの約束を破ったというので、きびしい非難にさらされることになります。 13 その上、彼女たちときたら、怠けやすく、あちこちの家を遊び歩いては、うわさ話に花を咲かせ、やたらに、おせっかいをやきたがるのです。 14 それで私は、そういう若い未亡人には再婚を勧め、子供を産み、家庭を大切にするよう指導するのが一番だと思います。 そうなれば、だれにも非難されずにすむでしょう。 15 実際、すでに教会に背を向け、悪魔の誘いに乗って道を踏みはずした未亡人が、何人かいるからです。…

テモテヘの第一の手紙 6

1 クリスチャンである奴隷は、主人を心から尊敬して、一生懸命働きなさい。 キリスト様に従う者となりながら、怠け者だと非難されてはなりません。 そんなことで、神様の名と教えとが笑いものにされてはたまりませんから。 2 主人が、たまたまクリスチャンの場合でも、それをいいことに気をゆるめたりせず、むしろ、いっそう熱心に働きなさい。 その結果、益を受けるのは、信仰を同じくする、あなたの兄弟なのですから。 テモテよ。 すべての人にこれらの真理をよく教え、心から従うように勧めなさい。 3 中には、これらを無視する人がいるかもしれません。 しかしこれは、主イエス・キリストの健全な教えであり、神様を敬う生活の、基礎となるものです。 4 違った教えを広める人がいれば、それは高慢のなせるわざであり、自分の無知をさらけ出す行為だとみなしなさい。 つまり、キリスト様のことばをいい加減に解釈し、ねたみや怒りにかられて議論を果てしなく続け、その結果、悪口や非難、不信感のとりこになるのです。 5 こうして議論に明け暮れ、心が罪にゆがんでいる人は、真理をどう表現すればよいのか知りません。 彼らにとって、真理とは、金もうけの手段にすぎないのです。 そんな人から遠ざかりなさい。 6 ほんとうの金持ちになりたいと思いますか。 もし今、幸福で、心が満ち足りているなら、あなたはすでに金持ちなのです。 7 私たちは、一円たりとも身につけてこの世に生まれたわけではありません。 また、この世を去る時にも、一円も持って行けません。 8 ですから、食べる物と着る物があれば、満足すべきです。 9 しかし、金持ちになりたがる人は、もうけ話には見境がなく、すぐ悪に走ってしまいます。 その結果、ひどい目に会い、心を汚し、ついには、地獄へ送り込まれることになります。 10 お金を愛することは、あらゆる悪の根源です。 中にはお金を愛するあまり、信仰を捨て、神様から離れてしまった人もいます。 おかげで、そんな人はわが身を刺し通す、激しい悲しみに襲われるのです。 11 テモテよ。 あなたは神に仕える者です。 ですから、これらすべての悪から逃れて、正しく良いことを熱心に励みなさい。 神様を信頼し、人を愛し、忍耐強く、ものやわらかな態度を身につけ、 12 神様のために戦い続けなさい。 神様から与えられた、永遠のいのちをしっかり握っていなさい。 あなたは、この永遠のいのちについて、多くの証人の前で、堂々と告白したのです。 13 私は、すべてのいのちの創造者である神様と、ポンテオ・ピラトの前での大胆な証人キリスト・イエスとの前で、あなたに命じます。 14 主イエス・キリストが再び来られる時まで、主が命じられたことをすべて成し遂げ、だれからも非難されるところのない者になりなさい。 15…

テモテヘの第二の手紙 1

1-2 キリスト・イエスを信じる者に神様が約束された永遠のいのちを、人々に伝えるために遣わされた、キリスト・イエスの宣教者パウロから、愛するテモテへ。 どうか、父なる神と主キリスト・イエスが、恵みとあわれみと平安とを、あなたに注いでくださいますように。 3 テモテよ。 私はあなたのことを、どんなに神様に感謝しているか知れません。 毎日、あなたのために祈り、長い夜も、何度となく思い出しては、どうかあなたに祝福があるように、と願い求めています。 神様は、先祖代々の神であり、また、私の神です。 そして、この神様に喜んでいただくことだけが、私の生きがいなのです。 4 私は、ぜひもう一度あなたに会いたい、と願っています。 この願いがかなえられたら、跳び上がって喜ぶことでしょう。 今でも、あの別れの時の、涙にくれたあなたの姿が、まぶたに焼きついているのです。 5 あなたの主に対する熱心な信仰は、お母さんのユニケやおばあさんのロイスに少しも劣らないことを、私はよく知っています。 そして、今でもその信仰は変わらないと信じています。 6 ですから、お願いしたいのです。 私があなたの頭に手を置いて祈った時、うちに注ぎ込まれた力と勇気を、もう一度、奮い起こしなさい。 7 なぜなら、神様が遣わされた聖霊様は、人を恐れず、知恵と力とをみなぎらせ、人を愛し、喜んで人と共に歩むことを、要求なさるからです。 8 もしあなたが、この力を奮い起こすなら、主について人前で語るのをためらったり、キリスト様のゆえに牢獄につながれている私のことを、恥じたりしなくなるでしょう。 それどころか、私と共に苦しむ覚悟ができるはずです。 神様は、苦しみのただ中にあっても、力を与えてくださるのですから。 9 神様は私たちを救い、そのきよい仕事に任命するため、選んでくださいました。 それは、私たちにその仕事をする資格があったからではなく、何もかも、この世が始まる前から、神様によって決められていたことなのです。 それによって、愛とあわれみを、キリスト様を通して私たちに示そうとされたのです。 10 そして、救い主キリスト・イエスが地上に来られた今、神様は、その計画の全貌を明らかにしてくださいました。 キリスト様は死の力を打ち破り、ご自分を信頼する者に、永遠のいのちに至る道を切り開いてくださったのです。 11 そして神様は私を、この良い知らせを外国人に宣べ伝え、教える使者にお選びになったのです。 12 そのため、私はいま獄中で苦しんでいるのです。 しかし、それを少しも恥とは思いません。 なぜなら、自分が、どなたを信頼しているのかよく知っており、またその方は、お任せしたものをみな、再び来られるその日まで、安全に守ってくださる、と確信しているからです。 13 私が教えた真理、特にキリスト・イエスが与えてくださった信仰と愛とを、しっかり握っていなさい。 14 あなたのすばらしい才能は、うちに住んでおられる聖霊様からの贈り物ですから、十分に注意して守りなさい。 15 ご存じのとおり、アジヤから来たクリスチャンは、みな私を捨てて行きました。 フゲロとヘルモゲネでさえ、離れて行ったのです。 16 どうか主が、オネシポロとその家族とを、祝福してくださいますように。 彼は、たびたび私を訪ね、励ましてくれました。 彼が来るたびに、新鮮な空気を胸いっぱい吸い込んだように、たいそう元気づけられたのです。 しかも彼は、私が獄中にいることを、少しも恥ずかしいこととは思いませんでした。…

テモテヘの第二の手紙 2

1 私の子テモテよ。 キリスト・イエスから力をいただいて、強くなりなさい。 2 なぜなら、あなたには、多くの証人の前で、私から聞いたことを、ほかの人に伝える使命があるからです。 この偉大な真理を、信頼のおける人、すなわち、自分が信じるだけでなく、人にも伝えることのできる人に教えなさい。 3 キリスト・イエスのりっぱな兵士として、私と共に苦しんでください。 4 キリスト様の兵士となった以上、この世のさまざまな事に、うしろ髪を引かれてはなりません。 そんなことでは、キリスト様の軍隊に入隊させてくださった方を、悲しませるだけです。 5 ルールに違反した競技者は失格し、賞を得ることができません。 同様に、主の仕事に携わる人も、主の規則に従うべきです。 6 身を粉にして働いた農夫が、多くの収穫をあげるのは当然です。 ですから、あなたも一生懸命働きなさい。 7 以上の三つの例を、よく考えなさい。これらのたとえの意味を理解する力が、主から与えられますように。 8 イエス・キリストが、人間としてダビデ王の家系から生まれ、同時にまた神であること〔それは、死人の中からの復活という、驚くべき事実によって証明されました〕を、いつも覚えていなさい。 9 私が今こんなつらい目に会い、犯罪者のように牢獄に放り込まれているのは、ほかでもありません。 このすばらしい真理を人々に伝えたからです。 しかし、私は鎖でつながれていても、神様のことばは、つながれてはいません。 10 私は喜んで、どんな苦しみも耐え忍びます。それは、神様に選ばれた人に、キリスト・イエスの救いと、永遠の栄光とをもたらすためです。 11 私は、次の真理を知っているので慰められます。 すなわち、キリスト様のために苦しみを受けて死ぬ時が、天で、キリスト様と共に生きる時の始まりを意味する、ということです。 12 もしも、主に仕える現状をつらいと思うことがあれば、いつの日か必ず主と共に王座につき、共に治めるようになることを思い起こして、がんばりなさい。 もし、私たちが苦しみに耐えかねて、キリスト様を拒むようなことがあれば、キリスト様も、私たちを拒まれるに違いありません。 13 たとい、信仰をなくしたかと思えるほど、私たちが弱くなっても、キリスト様は真実を貫き、私たちを助けてくださいます。 私たちは主の一部分になっているので、切り捨てられることはないのです。 そして、主はいつも約束を果たしてくださいます。 14 このすばらしい事実を、教会員の心にしっかり植えつけなさい。 そして、つまらない問題で議論するのを、主の名によって禁じなさい。 そんな議論は混乱を招くだけで、百害あって一利なしだからです。 15 あなたは、神様から「よくやった」と、おほめのことばがいただけるように、熱心に励みなさい。 神様に仕事ぶりを評価される時、胸を張っていられるような、りっぱな働き人になりなさい。 そのために、聖書が教えていること、意味することを学びなさい。…

テモテヘの第二の手紙 3

1 テモテよ。 これから書くことを、よく心にとめておきなさい。 終末の時代には、クリスチャンになることが非常にむずかしくなります。 2 自分だけを愛し、また、お金だけがすべてだと考える風潮が、はびこるからです。 高慢な者、大風呂敷を広げる者、神様をあざける者、両親にそっぽを向き、感謝することを知らない者、手がつけられない、ならず者が現われます。 3 また、頑固で、決して他人を理解しようとしない者、うそつきの常習犯で、問題ばかり起こし、頭はみだらな思いでいっぱい、といった連中が増えます。 彼らは乱暴で残忍な行動をし、善良であろうとする人をあざ笑います。 4 友を裏切り、怒りっぽく、すぐに思い上がり、神様を礼拝するひまがあったら、もっとおもしろいことをして過ごそうと考えます。 5 教会に出席する者がいたとしても、聞いたことを何一つ信じようとしないのです。 目をしっかり開けて、そんな人たちには近寄らないようにしなさい。 6 中には、うまく他人の家に入り込み、だらしのない愚かな女たちにつけ入って、新しい教えを吹き込む者がいます。 7 このような女は、目新しい教師にはすぐ飛びつきますが、いつまでたっても真理がわかりません。 8 また、こうした教師も、モーセに逆らった、ヤンネとヤンブレのように、真理に逆らっているのです。 その心は汚れ、ねじけていて、クリスチャンの信仰に刃向かってくるのです。 9 しかし、いつまでもそんなことが続くわけではありません。 ヤンネとヤンブレの罪がだれの目にも明らかになったように、いつかは、彼らの、うそでこり固まった行為も、明白になるのです。 10 私がそんな人間でないことは、わかってもらえるはずです。 あなたは、私が何を信じ、何を望み、どのように生活しているか、よく知っています。 キリスト様に対する私の信仰も、苦しみも、そして、あなたへの愛と忍耐も知っています。 11 神様の良い知らせを伝えたために、私がどれだけ痛めつけられたかも知っています。 アンテオケ、イコニオム、ルステラで受けた迫害の一部始終も、知っているはずです。 しかし主は、私を守ってくださいました。 12 確かに、キリスト・イエスのお考えにそって、神様を敬う生活を送ろうとする人はみな、敵対する者から苦しめられ、迫害されます。 13 しかし、大ぜいの人をだます悪人や偽教師は、自分も悪魔にだまされて、ますます悪の深みにはまり込むのです。 14 けれども、あなたは、真理を教えた私たちを信頼していなさい。 15 また、小さな子供のころから、自分がどのように聖書を教えられてきたか、覚えているでしょう。 この聖書こそ、キリスト・イエスを信じることによって救われるための知恵を、与えてくれたのです。…

テモテヘの第二の手紙 4

1 それで私は、神様とキリスト・イエスとの前で、厳粛な思いで忠告します。 〔キリスト様は、いつの日か神の国を完成させるために現われて、生きている者と死んだ者とをさばかれるお方です。〕 2 どんな時にも、神様のことばを熱心に伝えなさい。 機会があろうとなかろうと、つごうの良し悪しにかかわらず、励みなさい。 過ちを犯している教会員には、忠告して、正しい道に引き戻してやりなさい。 そして善を行なうよう励まし、たゆまず神様のことばを教え続けなさい。 3 なぜなら、人々が真理のことばは耳ざわりだと敬遠し、自分につごうのよい話をする教師を求めて歩き回る時代が来るからです。 4 彼らは聖書の教えに耳を傾けようとせず、まちがった教えにしっぽを振ってついて行くのです。 5 ですから、危機感をいだき、絶えず目を覚まして警戒していなさい。 主のために受ける苦しみを、恐れてはいけません。 他の人たちをキリスト様へ導きなさい。 なすべきことを、一つ残らず成し遂げなさい。 6 こう言うのも、私の最期が迫っているからです。 いつまでも助けてあげるわけにはいきません。 もうすぐ天国へ旅立ちます。 7 主のために、長いあいだ困難な戦いを続けてきた私は、主への真実を守り通しました。 しかし今ついに、休む時が来たのです。 8 天では、冠が待っています。 正しい裁判官である主が再び来られる日に、いただく冠です。 もちろん私だけにではなく、主を熱心に待ち望む日々を過ごす人々全員に、授けられるのです。 9 できるだけ早く、こちらへ来てください。 10-11 デマスは私を捨てて、テサロニケに行ってしまいました。 この世の楽しみに心を奪われてしまったのです。 クレスケンスはガラテヤへ、テトスはダルマテヤへと、それぞれ出かけ、私のもとに残ったのはルカだけです。 こちらへは、マルコも連れて来てください。 彼に頼みたいことがあるのです。 12 〔テキコも、今はここにいません。 エペソへ使いにやりましたから。〕 13 ついでに、私がトロアスのカルポの家に置いてきた上着を、忘れずに持って来てください。 それから羊皮紙の書物も、お願いします。 14 銅細工人アレキサンデルが、私にひどい仕打ちをしました。 主が罰してくださることでしょうが、 15 彼には気をつけなさい。 とにかく、私たちのことばに、ことごとく逆らったのですから。 16 私が初めて、裁判官の前に連れ出された時、弁護してくれる人は一人もいませんでした。 だれもが見捨てて、逃げてしまったのです。 どうかそのことで、彼らが神様から責められませんように。…

テトスヘの手紙 1

1-4 神様の奴隷であり、イエス・キリストの使者であるパウロから、同じ主を信じる信仰によって、私の真実の息子となった、愛するテトスへ。 どうか、父なる神と救い主キリスト・イエスが、あなたに祝福と平安とを注いでくださいますように。 私は、神様に選ばれた人たちに信仰を与え、真理を教えるために、遣わされた者です。 神様の真理には、信じる人の生活を全く変える力があり、また、永遠のいのちを与える力もあります。 これは、世界が造られる前からの、神様の約束です。 神様は、うそをつくことができないお方です。 それで今、約束どおり、最善の時を選んで、この良い知らせを公表し、それをすべての人に告げ知らせる特権を、私におゆだねになったのです。 こうして私は、救い主である神様によって、この働きに任命されたのです。 5 ところで、あなたをクレテ島に残して来たのは、島の教会を強めるため、思う存分働いてもらいたかったからです。 前もってお願いしておいたように、私の指示どおり、牧師を町ごとに任命してください。 6 牧師として選ぶ人は、正しい生活を送っていて、世間的にも評判のよい人でなければなりません。 すなわち、ちゃんとした結婚をしており、子供も、主を愛するクリスチャンでなければなりません。 かりにも、子供が親に反抗的だとか、乱暴者だとか、とかくのうわさのある人は避けなさい。 7 牧師は神様に仕える者ですから、だれからも非難されない人であるべきです。 高慢な人、短気な人、大酒飲み、けんか好き、金銭欲の強い人に、その資格はありません。 8 心から客をもてなし、善意にあふれ、考え深く、だれにでも公平で、良識ある、きよらかな心の持ち主でなければならないのです。 9 また、教えられた真理にしっかりと立つ、信仰の強い人であることも大切な条件です。 なぜなら、彼らの使命は、人々に真理を教え、反対する者に、その誤りを、はっきり指摘することにあるからです。 10 こう言うのは、真理に従わない人が大ぜいいるからです。 特に、「クリスチャンはみな、ユダヤ人のおきてを守るべきだ」と主張する連中は、その代表的な例だと言えます。 これはまた、なんとばかげた議論でしょう。 彼らは、人の目をくらませて、真理を見いだすのを阻むのです。 11 そんな議論は、直ちにやめさせなさい。 おかげで、すでに何家族かが、神様の恵みから離れてしまいました。 そんなことを教える連中の目当ては、一にも二にも金もうけです。 12 彼らのことを、同じクレテ出身の預言者は、いみじくもこう言いました。 「クレテ人はみな、うそつきで悪いけだもの。 なまけ者で食いしんぼう。」 13 まさにそのとおりです。 ですから、人々を甘やかさず、その信仰を強めるように、びしびし教育しなさい。 14 そして、ユダヤ人の作り話や、真理に逆らう者の言い分に耳を傾けることなど、きっぱりやめさせなさい。 15 きよい心の持ち主には、すべてのものがきよく、良いものに見えます。 しかし、心の曲がった不真実な者には、すべてが曲がって見えるのです。 それは、その汚れた思いと反抗的な心が、見るもの聞くものすべてを、ゆがめるからです。 16 そういう連中は、口先では神様を知っていると言うのですが、行ないを見れば、そのうそは一目瞭然です。 心は腐れきっていて不従順で、何一つ良いことをする資格がありません。 —https://d1b84921e69nmq.cloudfront.net/32/32k/TIT/1-48cb169103d049ffe41c86c2ddacb710.mp3?version_id=83—

テトスヘの手紙 2

1 しかし、あなたは、真のキリスト教にふさわしい生き方を、教会員に教えなさい。 2 老人には、まじめで落ち着いた生活をするように勧めなさい。 年輪を重ねた者は、考え深く、真理を信じ、すべての点で愛と忍耐とをもって行動しなければなりません。 3 老婦人には、何事にも静かで、ていねいな物腰を忘れないように教えなさい。 陰口をたたいたり、大酒を飲んだりせず、人生経験を積んだ婦人にふさわしく、良いお手本となるべきです。 4-5 そうすれば、若い女性に、落ち着いた生活を送り、夫と子供とを愛し、考え深く、きよらかな心で、家事に精を出し、夫にやさしく従順でいるようにさとせるのです。 そうなれば、クリスチャンの信仰が、身近な人たちから、けなされることもないでしょう。 6 同様に、青年にも、思慮深く、まじめに生活するように勧めなさい。 7 まずあなたが、正しい模範を示すことです。 真理を愛し、何事にも真剣に取り組んでいることが、だれの目にもはっきりわかるようにしなさい。 8 良識的に、筋道を立てて話しなさい。 そうすれば、反対する者たちも、けちをつけることができず、かえって恥じ入るでしょう。 9 奴隷には、主人に喜ばれるよう、言いつけを守り、一生懸命働くように勧めなさい。 口答えはいけません。 10 こそこそと物を盗んだりするのはやめて、自分が全く信頼に値する人間だということを、身をもって示すべきです。 その誠実な態度を見て、ほかの人々も、救い主である神様を信じる気を、起こすかもしれません。 11 というのも、永遠の救いという神様からの贈り物が、今、だれにでも、ただで提供されているからです。 12 しかも、この贈り物をいただくと同時に、神様が私たちに望んでおられることが実現するのです。 それは、神様を認めない生き方と、罪にまみれた快楽とを捨て去って、日々、神様を敬う正しい生活を送ることであり、 13 偉大な神様と救い主イエス・キリストとの栄光が現われる日を、待ち望むようになることです。 14 キリスト様は、私たちの罪のために、神様のさばきを受けて死んでくださいました。 それは、罪のどろ沼にはまり込んで、どうにも動きのとれない私たちを助け出して、ご自分の民とし、心のきよい、熱心な、善意の人と変えてくださるためでした。 15 以上のことを教会員に教えて、実行するように励ましなさい。 必要とあれば、きびしく戒め、誤りを正してやりなさい。 あなたには、当然その権威があるのですから。 あなたの教えが、だれからも軽んじられないように、気をつけなさい。 —https://d1b84921e69nmq.cloudfront.net/32/32k/TIT/2-7c089507fb4275fef6c7b52ab0579b2d.mp3?version_id=83—

テトスヘの手紙 3

1 支配者の権威に服従し、いつも従順で、良いことは何でも進んで行なうよう、教会員を指導しなさい。 2 また、人の悪口を言ったり、けんかをしたりせず、やさしい態度で、すべての人に礼儀正しく接するように教えなさい。 3 以前は私たちも、分別の足りない、不従順な者であり、人に迷わされ、さまざまな快楽や欲望のとりこになっていました。 心は悪意とねたみの固まりで、憎んだり憎まれたりという、罪の生活に明け暮れていました。 4 しかし、救い主である神様が、恵みと愛とを示してくださる時が、ついに来たのです。 5 神様は、私たちの罪のよごれを洗い落とし、心に聖霊様を遣わして、新しい喜びで満たし、以前の悲惨な生活から救い出してくださいました。 それは、私たちに、救われる資格があったからではなく、ただ、神様の恵みとあわれみのおかげなのです。 6 聖霊様は、私たちの心をしっかり占領してくださいました。 これはみな、救い主イエス・キリストが成し遂げてくださった救いがあるからこそ、実現したのです。 7 こうして神様は、私たちを、ご自分の目にかなった正しい者と宣言してくださいます。 これは、神様の恵み以外の何ものでもありません。 私たちは今、永遠のいのちの相続権を認められ、実際にそれをいただく日を、心から待ち望んでいるのです。 8 これまで話してきたことは、すべて真実です。 ですから、確信をもって、クリスチャンはいつも良い行ないに励むべきだ、と教えなさい。 そういう生き方は、正しいだけでなく、すばらしい結果を生むことにもなるからです。 9 堂々巡りの議論にふけったり、あやしげな神学論争に巻き込まれたりしてはいけません。 ユダヤ人のおきてを守ることについての議論や論争も避けなさい。 そんなものは、何の益にもならず、むしろ害をまき散らします。 10 教会を分裂させる人がいたら、一度か二度、きびしく警告しなさい。 それでも聞き入れなければ、きっぱり縁を切ってしまいなさい。 11 そんな人は、正しい価値判断ができず、悪いとわかっていながら、罪を犯しているのです。 12 ところで、アルテマスかテキコを、そちらへ派遣しようと思っています。 二人のどちらかが着きしだい、あなたは、ニコポリの私のもとに来てください。 私は、そこで冬を過ごすことにしましたから。 13 アポロと法律の専門家ゼナスとが旅立てるように、あなたも、できるだけ骨折り、必要な物が全部そろうよう、気を配ってやってください。 14 私たち一同は、助けが必要な人々を進んで援助する習慣を、もっと身につけなければなりません。 そうすれば、実を結ぶ生活を送れるでしょう。 15 こちらの人がみな、よろしくと言っています。 そちらのクリスチャンの友人たちに、よろしく伝えてください。 神様の祝福が、あなたがたと共にありますように。…

ピレモンヘの手紙 1

1-2 イエス・キリストの良い知らせを伝えたことで投獄されたパウロと、信仰の友テモテから、愛する同労の友ピレモンへ。 また、礼拝のために、あなたの家に集まっている皆さんと私たちの姉妹アピヤ、それに私同様、キリストの十字架の兵士となったアルキポに、この手紙を送ります。 3 父なる神と主イエス・キリストが、あなたがたに、祝福と平安とを与えてくださいますように。 4 愛するピレモンよ。 あなたのことを、私はいつも神様に感謝しています。 5 それは、主イエス・キリストとすべてのクリスチャンに対する、あなたの愛と信頼とを、いつも耳にするからです。 6 それで、他人との交際において、クリスチャンとしてのあなたのりっぱな態度が、相手の心をとらえ、その生活までも変えることができるように、と祈っています。 7 愛する友よ。 こう言う私も、あなたの愛によってどれだけ慰められ、励まされたか知れません。 ほんとうに、あなたの親切は多くのクリスチャンを元気づけました。 8-9 そんなあなたを見込んで、ぜひ、お願いしたいことがあるのです。 もっとも、正しいことをしてもらおうというのですから、キリスト様の名によって命令してもよいのです。 しかし、私たちの間には愛がありますから、あえて命令はしません。 年老いた今、キリスト・イエスのために投獄されている、この私からのお願いです。 10 どうか、鎖につながれた獄中で、私が主に導いたオネシモを、愛の心でやさしく迎えてやってください。 私はオネシモを、わが子のように思っているのです。 11 オネシモ〔「役に立つ」という意味〕は、以前あなたのもとにいたころは、役立たずの奴隷であったかもしれません。 しかし、クリスチャンとなった今、あなたにとっても私にとっても、その名のとおり、役立つ者となりました。 12 そのオネシモを、そちらへ帰します。 その時、私の心もいっしょに行くでしょう。 13 内心、私は、キリストの良い知らせを伝えたことで捕らわれの身となっている間は、彼をそばにおいて、あなたの代わりに世話してもらいたいと思いました。 14 しかし、あなたの同意なしに、そんなことはしたくなかったのです。 親切は、無理じいされてするものではなく、心から喜んでするものですから。 15 こう考えてはどうでしょう。 オネシモが、しばらくのあいだ逃亡していたのは、永久にあなたのものとなるために、ほかならなかったのだ、というふうに。 16 それも奴隷としてではなく、はるかにまさった者、つまり、私にとって特にそうなのですが、愛するクリスチャンの兄弟としてです。 あなたの感慨もひとしおでしょう。 単なる奴隷と主人の関係を超えて、キリスト様を信じる兄弟同士になったのですから。 17 もしほんとうに私を友と思ってくれるなら、私を歓迎するように、オネシモをも、心から迎えてやってください。…