歴代志下 16

1 アサ王の即位後三十六年目に、イスラエルの王バシャは戦いをしかけ、ユダに通じる道を押さえようと、ラマに要塞を築きました。 2 これを知ったアサ王は、神殿と宮殿から金銀を持ち出し、ダマスコにいるシリヤの王ベン・ハダデに送り届けて、こう頼みました。 3 「お父上と私の父との間にあった、相互安全保障条約を、結び直しましょう。 わずかばかりの品ですが、どうぞお受け取りください。イスラエルの王バシャとの同盟を破棄し、彼が私に手出しできなくなるようにしていただきたいのです。」 4 ベン・ハダデ王はアサ王の要請を受け入れ、軍を動員してイスラエルを攻めました。 シリヤ軍は、イヨン、ダン、アベル・マイムの町々、またナフタリにある物資の補給所を占領しました。 5 事の成り行きを知ったバシャ王は、すぐにラマの再建を中止し、ユダを攻撃する計画をあきらめました。 6 アサ王とユダの人々はラマに急行し、建築用の石や木材を持ち帰った上、それを使ってゲバとミツパを建てました。 7 その時、預言者ハナニがアサ王のところへ来て、こう言いました。「陛下は神様を信頼しないで、かえってシリヤ王を信頼なさいました。 そのため、シリヤ軍をむざむざ逃したのです。 8 あのエチオピヤ人とリビヤ人の大軍が、戦車や騎兵を先頭に攻めて来た時、どんなことが起こったか、よもやお忘れではないでしょう。 陛下がひたすら神様により頼んだので、神様は彼らをことごとく、陛下の手に渡してくださったではありませんか。 9 神様は地上をあまねく見渡して、心を完全に神様に向けている人々を、探し求めておられます。 そのような人々を助けようと、大きな力を現わしてくださるのです。 陛下はなんとばかげたことをなさったのでしょう! これからは、戦いの渦に巻き込まれることになりますぞ。」 10 王は、これを聞いて真っ赤になって怒り、預言者を牢にぶち込んでしまいました。 そのころ、王は国民を踏みにじっていました。 11 アサ王のそのほかの業績は、『イスラエルとユダ諸王の年代記』に載っています。 12 王は即位後三十九年目に、両足が重い病気にかかりました。 ところが、そのことで神様に祈るどころか、かえって医者を呼びにやったのです。 13-14 王は即位後四十一年目に死に、かねてからエルサレムに用意しておいた墓に葬られました。 遺体は、高価な香油や香料をしみ込ませた寝床に横たえられました。 人々は彼の埋葬のために、たくさんの香をたきました。

歴代志下 17

1 アサの子ヨシャパテが代わって王となり、イスラエルと戦う準備を始めました。 2 彼は、ユダの要塞化されたすべての町をはじめ、至る所と、父アサ王が占領したエフライムの町々に、守備隊を配置しました。 3 ヨシャパテ王は、父アサ王の最初のころの正しい生き方にならい、偶像を拝まなかったので、神様は彼とともにおられました。 4 イスラエルの人々とは反対に、彼の父の神様の教えどおりに生活したのです。 5 それで神様は、ユダの王としての彼の立場を、強くしてくださいました。 国民はみな納税に協力したので、王の財産は増え、人気も非常に高まりました。 6 王は丘の上の異教の祭壇をこわし、アシェラ像を取り除くなど、思いきり神様に従いました。 7-9 即位後第三年目に、国中に宗教教育を広める計画を実行に移しました。 ベン・ハイル、オバデヤ、ゼカリヤ、ネタヌエル、ミカヤをはじめ政府の高官たちを、教師としてユダのすべての町々に派遣したのです。 また、シェマヤ、ネタヌヤ、ゼバデヤ、アサエル、シェミラモテ、ヨナタン、アドニヤ、トビヤ、トブ・アドニヤなど、レビ人も派遣しました。 祭司からは、エリシャマとヨラムなどです。 一行は、『神のおきての書』の写しを持ってユダのすべての町へ行き、国民に教えました。 10 その結果、回りのすべての国々が神様を恐れるようになったので、ヨシャパテ王に戦いをしかける国は、一つもありませんでした。 11 ペリシテ人でさえ、贈り物や貢物を納め、アラビヤ人は雄羊七千七百頭、雄やぎ七千七百頭を献上しました。 12 こうして、ヨシャパテ王はますます勢力を増し、国中に要塞や倉庫の町を建てました。 13 公共事業は拡大し、首都エルサレムには、強力な軍隊が駐屯していました。 14-15 三十万のユダ軍は、アデナ将軍に率いられ、その配下の指揮官ヨハナンの下には、二十八万の将兵がいました。 16 第三の指揮官であるジクリの子アマスヤは、とても信仰のあつい人で、二十万の将兵を率いていました。 17 ベニヤミン部族からは、偉大な将軍エルヤダの率いる、弓と盾で武装した二十万の将兵が加わりました。 18 エルヤダに続く指揮官はエホザバデで、その下に十八万の将兵がいました。…

歴代志下 18

1 ところが、財産が増え、人気の高まったヨシャパテ王は、イスラエルの王アハブの娘を、息子の嫁に迎えることになり、アハブと縁を結んだのです。 2 数年して、サマリヤにアハブ王を訪ねると、王は大宴会を開き、たくさんの羊や牛を料理してふるまいました。 そのあとで王は、ラモテ・ギルアデの攻撃作戦に参加しないかと持ちかけました。 3-5 「よろしいですとも。 どこまでも、あなたについて行きますよ。 わが軍はあなたの指揮下にあるようなものです。 それにしても、まず、神様にうかがいを立ててみようじゃありませんか。」 ヨシャパテ王は二つ返事で答えました。 そこでアハブ王は、おかかえの異教の預言者四百人を集め、「ラモテ・ギルアデへ攻め上るべきだろうか、それとも、やめるべきだろうか」と尋ねました。 「行きなさい。 勝利はまちがいありません。」 彼らは口々に答えました。 6-7 ところが、ヨシャパテ王は満足しません。 「ここには、神の預言者はいないのですか。 神の預言者にも、同じ質問をしてみたいですな。」 「一人だけいます。 あまり好かん男ですがね。 イムラの子でミカヤといいますが、いつも悪いことしか預言しないときてるんです。」 「ま、そんなことは言わず、彼の言うことも聞いてみましょう。」 8 そこで、イスラエルの王は側近の一人を呼び、「急いで、イムラの子ミカヤを呼んでまいれ」と命じました。 9 王衣をまとった二人の王が、威儀を正して、サマリヤの門の入口にある広場の王座につくと、その前で、預言者たちが次々に預言しました。 10 その一人、ケナアナの子ゼデキヤは、あらかじめ作っておいた鉄の角を取り出し、「神様のお告げです。 陛下はこれらの角でシリヤ軍を突き倒し、皆殺しにします」と預言しました。 11 ほかの預言者もみな、同じように預言しました。 「さあ、ラモテ・ギルアデに攻め上りなさい。 勝利はまちがいありません。」 12 ミカヤを呼びに行った使いの者は、事の成り行きを告げ、すべての預言者が、この戦争は王の勝利に終わる、と預言したことを話しました。 使いの者は、思いきってミカヤに言いました。 「あなたも、ほかの預言者たちに合わせて、王様のお気に召すようなことを話してくれませんか。」 13 ミカヤはきっぱり答えました。 「神様にかけて誓います。 私は神様がおっしゃることを、そのまま話します。」 14 彼が王の前に出ると、王はさっそく尋ねました。 「ミカヤ。 ラモテ・ギルアデに攻め上るべきだろうか、それとも、やめるべきだろうか。」 「攻め上るがよろしい! 大勝利はまちがいありません。」 15 王は語気を強めて言いました。 「いったい、何度、神様がお語りになること以外はしゃべるな、と言わせるつもりか。」…

歴代志下 19

1 ユダの王ヨシャパテが無事に戻ると、 2 ハナニの子、預言者エフーが出向いて来て、問いただしました。 「悪者を助けるべきでしょうか。 神様を憎む者を愛すべきでしょうか。 陛下がそのようになさったので、神様の怒りが下ります。 3 それにしても、陛下には幾つかの良い点があります。 この地からアシェラ像を一掃して、神様に忠誠を尽くそうと努力してきたことが、それです。」 4 そののち、ヨシャパテ王は二度とイスラエルを訪問することもなく、エルサレムにとどまっていました。 のちに、王はもう一度、ベエル・シェバからエフライムの山地まで巡回して、国民が先祖の神様を礼拝するよう指導しました。 5 国中の大きな町には裁判官を置き、 6 こう訓示しました。 「諸君を任命したのは、わしではなく、神様だ。 だから、自分の行動に注意しなさい。 神様が一人一人のそばに立って、諸君の前に持ち出されるすべての訴訟に、正しい判決を下すことができるよう、手を貸してくださる。 7 神様のお示しに反するような判決を下さないよう、くれぐれも注意してくれ。 神様のお立てになった裁判官に、不正や不公平、わいろを取るような不始末があってはならないからだ。」 8 王はエルサレムにも裁判所を設けて、レビ人、祭司、氏族長から裁判官を任命し、 9 やはり訓示を与えました。 「諸君は、いつも神様を恐れ、誠意を込めて行動しなければならない。 10 各地の裁判官から、殺人事件や神様の教えへの違反などについて、訴訟が持ち込まれたら、事実を確かめ、彼らが正しい判決を下せるよう助けてやりなさい。 神様の怒りが、諸君にも、彼らにも下ることがないためだ。 こうすれば、りっぱに責任を果たしたことになるのだ。」 11 それから王は、不敬罪の訴訟を扱う裁判の最高責任者として、大祭司アマルヤを、民事訴訟を扱う裁判の最高責任者として、イシュマエルの子でユダ部族の長ゼバデヤを任命し、レビ人を補佐役にあてました。 王は、こう言って訓示を終えました。 「それぞれの職務に、恐れることなく、誠心誠意あたりなさい。 どうか、神様が諸君を用いて、正しい者の味方としてくださるように。」

歴代志下 20

1 そののち、モアブ人とアモン人、それにメウニム人の王の率いる連合軍が、ヨシャパテ王とユダの国民に戦争をしかけて来ました。 2 王に届いた情報はこうです。 「大軍が、死海の向こうのシリヤから押し寄せて来ます。 もうハツァツォン・タマル、つまりエン・ゲディまで来ています。」 3 あわてふためいた王は、神様の助けを仰ぐよりほかないと判断し、全国民に、神様の前に悔い改めて、しばらく断食して祈りに打ち込むよう命じました。 4 人々は国中からエルサレムに集まり、心を一つにして神様の助けを求めました。 5 王は、神殿の新しい庭に集まった人々の中に立って祈りました。 6 「先祖の神様。 天におられ、地上のすべての王国を支配しておられる神様。 神様の測り知れない力に、だれも立ち向かうことはできません。 7 私たちの神様。 神様の国民がこの地に入った時、神様は、この地に住んでいた異教徒を追い出し、この地を永久に、神様の友アブラハムの子孫のものとされたではありませんか。 8 神様の国民はここに根を下ろし、神様のためにこの神殿を建てました。 9 戦争、伝染病、ききんなどの災いに会った時、神様のおられるこの神殿の前に立って祈れば、きっと祈りは聞かれ、助けていただけると信じています。 10 ところで今、アモンとモアブとセイル山の連合軍がしていることをご覧ください。 神様は、先祖がエジプトを出て来た時、彼らの国に侵入するのをお許しになりませんでした。 そこで、彼らの国を避けて通り、滅ぼさないでおいたのです。 11 ところが今、彼らは何をしようとしているでしょうか。 神様が下さった地から、私たちを追い出そうとして攻め寄せて来るのです。 12 神様、彼らの来襲をとどめてください。 私たちには、このような大軍から身を守るすべなどありません。 どうしたらよいのか、見当もつきません。 ただ、神様に助けを求めるばかりです。」 13 ユダの各地から集まった人々は、妻子や幼児たちといっしょに、神様の前に立っていました。 14 その時、神の御霊が、そこに立っていたレビ人ヤハジエルに臨んだのです。 彼は、アサフの子孫の一人で、マタヌヤの子エイエルの子ベナヤの子ゼカリヤの子でした。 15 ヤハジエルは大声で語りだしました。 「ユダとエルサレムのすべての人々、またヨシャパテ王よ、よく聞きなさい! 神様のお告げです。 『恐れるな。 この大軍を見て肝をつぶしてはならない。 この戦いはおまえたちの戦いではなく、わたしの戦いだ。…

歴代志下 21

1 ヨシャパテ王は死んで、エルサレムの王室の墓に葬られ、息子ヨラムが新しくユダの王となりました。 2 ヨラムの兄弟には、アザルヤ、エヒエル、ゼカリヤ、アザルヤ、ミカエル、シェファテヤがいました。 3-4 ヨシャパテ王は、その一人一人に、金や宝石などの高価な贈り物、それにユダの要塞化された町々を与えました。 ただし、ヨラムは長男だったので、王国と王権を与えました。 ところが、王としての地位が確立すると、ヨラムは兄弟全員と、多くのイスラエルの指導者を殺したのです。 5 ヨラムは三十二歳で王となり、八年間エルサレムで治めました。 6 ところが、彼はイスラエルを支配した王、わけても、アハブ王にさえ引けを取らないほどの悪い王でした。 なにしろアハブ王の娘と結婚していたので、一生の間、のべつ幕なしに悪いことをしていました。 7 それにもかかわらず、神様はダビデ王朝を見限るようなことはなさいませんでした。 ダビデ王に、彼の子孫はいつまでも王座につく、と約束なさったからです。 8 そのころ、エドムの王が反逆して、ユダからの独立を宣言しました。 9 ヨラム王は、戦車隊を含む全軍を率いて夜襲をかけ、もう少しでエドム軍を破るところでした。 10 ところが、現在まで、エドムはユダの支配を免れることに成功しているのです。 リブナも反逆しました。 それもこれも、王が先祖の神様を捨てたからです。 11 その上、ユダのあちこちの山に偶像の宮を建て、エルサレムの住民を偶像礼拝に誘いました。 それどころか、国民に偶像礼拝を強要さえしたのです。 12 その時、預言者エリヤは王に、次のような手紙を送りました。「陛下のご先祖ダビデ王の神様のお告げです。 『おまえは、父ヨシャパテや、アサ王の手本にならわず、 13 イスラエルのほかの王にならって悪の道を進み、アハブ王と同じように、エルサレムとユダの国民に偶像礼拝を行なわせた。 また、おまえより善良だった兄弟を殺したので、 14 今こそわたしは、おまえの国を大災害で滅ぼそう。 おまえはもちろん、妻子までも打たれ、全財産は散らされる。 15 おまえは腸の病気にかかり、はらわたが腐る。』」 16 神様は、エチオピヤ人の隣に住むペリシテ人とアラビヤ人を奮い立たせて、ヨラム王を攻撃するよう仕向けました。…

歴代志下 22

1 エルサレムの人々は、ヨラム王の末子アハズヤ(別名エホアハズ)を、新しく王に選びました。 アラビヤ人の略奪隊が、年長の息子たちを殺してしまったからです。 2 アハズヤは二十二歳で王となり、一年間エルサレムで治めました。 母親はオムリの孫娘のアタルヤでした。 3 彼もまた、母にそそのかされて、アハブ王の悪い例にならいました。 4 父ヨラム王の死後、アハブ家の者たちが助言者となったので、アハズヤは、アハブ王に引けを取らない悪い王になりました。 5 アハブ家の悪い助言者にあやつられて、アハズヤ王は、イスラエルの王アハブの子ヨラムと同盟を結びました。 その時、ヨラム王はシリヤの王ハザエルと、ラモテ・ギルアデで戦っていたので、アハズヤ王は軍を率いて援軍に駆けつけました。 イスラエルの王ヨラムは負傷し、 6 治療のため、イズレエルに帰って来ました。 アハズヤ王も、イズレエルへ見舞いに行きました。 7 ところが、このことが王のいのち取りになりました。 神様は、ヨラム王と同盟を結んだ罰を下そうと決めておられたのです。 ヨラム王を見舞ったアハズヤ王は、彼と手を組んで、ニムシの子エフーとの戦いに出かけました。 このエフーこそ、アハブ家を倒すため、神様がお立てになった人物だったのです。 8 エフーはアハブ家の者を追いかけ、手あたりしだいに殺していましたが、たまたま、ユダの高官とアハズヤ王の甥たちとを見つけたので、彼らも殺してしまいました。 9 エフーと家来たちは、なおアハズヤ王を捜し回り、ついにサマリヤの町に隠れていた王を見つけ出したのです。 王はエフーの前に引き出され、殺されましたが、熱心に神様に仕えた、あのヨシャパテ王の孫だということで、王にふさわしく葬られました。 ところで、跡を継いで王となるべき子供は、ヨアシュのほかにいませんでした。 10 アハズヤ王の死の知らせを受けた王母アタルヤが、孫たちを殺してしまったからです。 11 ヨアシュは、王の妹である叔母エホシェバに助け出され、宮殿の物置小屋に隠されていたのです。 彼女はヨラム王の娘で、祭司エホヤダの妻でした。 12 ヨアシュは、アタルヤが女王であった六年間、叔母や叔父、乳母たちに見守られて、ずっと神殿にかくまわれていました。

歴代志下 23

1 アタルヤ女王の即位後七年目に、祭司エホヤダは勇気を奮い起こして、軍の指揮官数人と密約を結びました。 その相手は、エロハムの子アザルヤ、ヨハナンの子イシュマエル、オベデの子アザルヤ、アダヤの子マアセヤ、ジクリの子エリシャファテです。 2-3 彼らはこっそり国中を回って、レビ人や氏族長たちにエホヤダの計画を打ち明け、彼らをエルサレムへ呼び集めました。 集まった一同は、神殿にかくまわれていた若い王に、忠誠を誓いました。 エホヤダはこう訓示しました。 「ダビデ王の子孫が私たちの王となる、という神様のお約束どおり、王の子が王となる時がついにきました。 4 次のように手はずを整えましょう。 祭司とレビ人の三分の一は、安息日に勤務する護衛として入口にとどまっていなさい。 5-6 他の三分の一は宮殿に入り、残りの三分の一は礎の門のところにいることにしましょう。 そのほかの者はみな、神様のおきてで決められたとおり、神殿の外庭にいなければなりません。 務めのある祭司とレビ人だけが、神殿に入ることができます。 7 レビ人の諸君は、武器を手に、しっかり王を護衛してください。 神殿に踏み込む無法者がいれば、殺してもかまわない。 かた時もおそばを離れてはなりません。」 8 全員が指示どおりの配置につきました。 三人の指導者はそれぞれ、安息日の勤務当番日にあたる三分の一の祭司と、週日の務めについていた三分の一の祭司を率いていました。 大祭司エホヤダが、彼らを家に帰さずにおいたのです。 9 エホヤダは、軍の指揮官全員に、ずっと神殿に保管してあった、ダビデ王の槍と盾を支給しました。 10 一同は完全武装し、神殿の正面の端から端までと、外庭にある祭壇の回りに一列に並びました。 11 それから、幼い王子を連れ出して王冠をかぶらせ、その手に神様のおきての写しを渡し、彼が王であることを宣言したのです。 エホヤダとその息子たちが王に油を注いだ時、「王様、ばんざーい!」という叫びが、いっせいに起こりました。 12-13 この一連の騒ぎと王をたたえる声とを聞いて、アタルヤ女王は、何事が起こったのかと、神殿に駆けつけました。 見ると、王が入口の柱のところに立っており、そばには、隊長たちが並び、ラッパ手は王を取り囲んでいるではありませんか。 国中から集まった人々は喜んでラッパを吹き、合唱隊は、賛美を導く奏楽に合わせて歌っています。 女王は衣服を引き裂き、「謀反だ! 謀反だ!」と、気違いのように叫びました。 14 祭司エホヤダは隊長たちに命じました。 「この女を連れ出して、殺せ! 神殿の中ではいかん。 女を助けようとする者は、だれでも容赦なく殺せ!」 15-17 群がっていた人々は、さっと道を開けました。 結局、彼女は宮殿の馬小屋で殺されました。 それからエホヤダは、彼と王と国民とが神様のものとなる、という厳粛な契約を結びました。 国民はこぞってバアルの神殿に駆け込んで建物をこわし、祭壇を砕き、像を倒し、バアルの祭司マタンを祭壇の前で殺しました。 18 エホヤダは、レビ人の祭司に神殿の管理を任せ、モーセのおきてどおり、完全に焼き尽くすいけにえを神様にささげるよう命じました。 ダビデ王の決めた組分けに従って働くレビ人たちは、仕事をしながらうれしそうに歌いました。…

歴代志下 24

1 ヨアシュは七歳で王となり、四十年間エルサレムで治めました。母親はツィブヤといい、ベエル・シェバ出身でした。 2 ヨアシュ王は、祭司エホヤダが生きている間は、神様を喜ばせようと一生懸命に努力しました。 3 エホヤダが王にあてがった二人の妻は、息子や娘たちを産みました。 4 のちに、王は神殿の修復を思い立ち、 5 祭司やレビ人を召集して命じました。 「神殿をりっぱに修復したいから、ユダのすべての町々へ行って、献金を集めよ。 さっそく取りかかれ。 ぐずぐずしてはならない。」ところが、レビ人はなかなか腰をあげようとしませんでした。 6 王は大祭司エホヤダを呼びつけました。 「なぜ、ユダの町々やエルサレムから神殿税を集めるために、レビ人をやらないのですか。神殿の修復用に神様のしもべモーセの決めた納税のおきては、ぜひ実施しなければなりません。」 7-8 というのは、あの悪女アタルヤの取り巻き連中が神殿を荒らし、神様のために特別に聖めたものを、バアルの神殿に移していたからです。 そこで、王は箱を作って、それを神殿の門の外側に置くよう指示しました。 9 それから、神様のしもべモーセが課した税金を神殿に持参するようにとの布告が、ユダのすべての町々とエルサレムに出されました。 10 すると、指導者や国民は、われ先にと税金を投げ入れたので、箱はすぐいっぱいになりました。 11 レビ人が箱を王の会計事務所に運ぶと、王の書記官と大祭司に仕える管理人とが金額を計算し、からになった箱を、また元の場所に返すのです。 同じことが毎日くり返されました。 12 王とエホヤダは、集まった金を修復工事の監督者に渡しました。 彼らは、その金で石工や大工、鉄や青銅の器具を作る鋳造師を雇いました。 13 こうして工事は進み、ついに神殿は前よりもりっぱになりました。 14 工事が完成すると、余った金が王とエホヤダに手渡されました。 それは、金銀のさじ、香をたく金銀の鉢、いけにえをささげるための器具を作る費用にあてました。 祭司エホヤダの生きている間、完全に焼き尽くすいけにえは、一日も欠かさずにささげられました。 15 エホヤダはずいぶん長生きしましたが、ついに百三十歳で死に、…

歴代志下 25

1 アマツヤは二十五歳で王となり、二十九年間エルサレムで治めました。 母親はエホアダンといい、エルサレム出身でした。 2 アマツヤ王は正しいことを行ないましたが、いつも本心からとは限りませんでした。 3 王としての地位が固まると、彼は父親の暗殺者を処刑しました。 4 それでも、モーセのおきてを守り、その子供たちまでは殺しませんでした。 モーセのおきてでは、父親は子供のせいで殺されてはならず、子供も父親のせいで殺されてはならないことになっていました。 めいめいの罪によってさばかれるべきだったのです。 5-6 それから王は、軍隊を再編成し、ユダとベニヤミンの各氏族に指導者を立てました。 人口調査をしてみると、槍と剣の使い手として訓練された二十歳以上の兵士が、三十万人もいるとわかりました。 また六千万円を支払って、十万人の訓練された兵士を、イスラエルから雇いました。 7 ところが、預言者が神様のお告げを伝えました。 「陛下、イスラエルの兵士を雇い入れてはなりません。 神様が共におられない者たちだからです。 8 そんな連中といっしょに戦いに出たら、どんなによく戦っても負けます。 神様には、助ける力もあれば、倒れさせる力もあるのです。」 9 「だが、あの金が惜しい! 金のことは、どうしたらよいだろう。」 「神様は、それ以上のものを陛下に与えることが、おできになります!」 10 そこでアマツヤ王は、傭兵を郷里のエフライムへ帰したのです。このことで、彼らは侮辱されたと思い、ひどく腹を立てました。 11 王は勇気を出し、軍隊を率いて塩の谷へ行き、そこでセイルから来た一万人を殺しました。 12 ほかにも一万人を生け捕りにし、がけから突き落としたので、みな谷底の岩でばらばらになりました。 13 一方、強制送還されたイスラエルの兵士は、ベテ・ホロンからサマリヤまでの地域にある、ユダの幾つかの町に侵入し、三千人を殺し、多くの戦利品を奪い去りました。 14 エドム人を血祭りにあげたアマツヤ王は、セイルの人々の偶像を持ち帰りました。 そればかりか、この偶像を神々として祭り、その前に頭を下げ、香までたいたのです。 15 このことで激しく怒った神様は、預言者を使いに立て、きびしく問いただしました。 「おまえの手から国民を救い出せなかったような神々を、なぜ拝むのか。」 16…