詩篇 75

1 神様。 感謝のことばもありません! このすばらしい奇蹟の数数は、やっぱり私たちをおこころにかけてくださっていた証拠なのですね。 2 すると、神様のお声がしました。 「そうだ、手はずが整いしだい、悪者には罰を下そう。 3 地が揺れ動き、人々が大混乱に巻き込まれても、地の柱は揺るがない。 それは、わたしが据えつけたものだからだ。 4 わたしは思い上がった者に、謙そんになれと警告した。 悪者には、横柄な態度を捨て、 5 強情で高慢な生き方もやめよと言った。」 6-7 神様のお力添えがあってこそ、栄達も権力も手にすることができるのです。 神様は、思いのままに人を栄転させたり、左遷させたりなさいます。 8 神様の手には、よく醸された白ぶどう酒のグラスがあり、このさばきの杯を、悪者たちは最後の一滴まで飲みほさなければなりません。 9 一方、私はと言えば、神様を永久にほめたたえます。 10 神様は、「悪者の力は打ち砕こう。 しかし、正しい者の力は増し加えよう」と言われます。

詩篇 76

1 神様のご名声はユダとイスラエルに行き渡っています。 2 神様はエルサレムのシオン山に住まいを定めて、 3 敵の武器を粉砕なさいます。 4 大昔からそびえ立つ山々も、栄光をまとわれた神様の足もとには及びません。 5 最強の敵でさえ征服されて死体を横たえ、一人として手向かって来る者はありません。 6 神様のご叱責のひと声で、敵の軍馬は騎手もろとも倒れました。 7 当然、人々は神様を非常に恐れ、だれ一人お怒りに耐えることはできません。 8 神様が天から宣告を下されると、地はおののき、口をつぐみます。 9 神様は立ち上がって、悪事を働く者を罰し、謙そんな人を弁護なさいます。 10 人間の無益な憤りは、神様の飾りとなるだけで、かえってご栄光を輝かせるのです。 11 神様に立てた誓いは、すべて果たしなさい。 すべての人に、贈り物をささげさせなさい。 神様を敬い、恐れるべきです。 12 神様はこの世の君主のいのちを絶ち、諸王に恐ろしい境遇を用意なさるのです。

詩篇 77

1 私は声がかれ果てるまで神様を呼び続けます。 どうか耳を傾けてください。 2 苦悶に沈みながら、あえぐようにお助けを求めています。 夜通し祈り、天に手を差し伸べて嘆願しているのです。 祈りが聞かれるまでは、喜びなどとは縁がありません。 3 神様のことを思いめぐらしてはうめき、気が遠くなるほどお助けを待ちわびているのです。 4 神様からお答えが来るまでは、眠ることもできません。 それどころか、悲しみのあまり、もう祈りのことばさえ出てこないのです。 5 私は、とうに終わった古き良き時代のことを思い起こします。 6 あのころは、夜になると喜びの歌が口をついて出てきました。 この、たましいのあまりにも大きな変わりようは、どうでしょう。 7 神様は永久に私を吐き捨てて、二度と陽の目を見せないおつもりでしょうか。 8 神様の恵みは過去とともに過ぎ去り、お約束もすたれたのでしょうか。 9 ろくでなしに注ぐお恵みなど用がない、とお考えなのでしょうか。 怒って戸を閉め、愛を隠してしまわれたのでしょうか。 10 「これが運命なのだ。 神様の祝福はのろいに変わった」と、私は自分に言い聞かせました。 11 ずっと昔、神様のなさった多くの奇蹟を思い起こします。 12 あのころのすばらしい恵みが、頭にこびりついて離れないのです。 どうして、忘れてしまうことなどできましょうか。 13 ああ神様。 あなたの道はきよさで塗り固められています。 あなたのように力に満ちたお方は、ほかにありません。 14 あなたは奇蹟を行なう神で、今でも恐るべき力を発揮なさいます。 15 かつて、神様はその力強さで、ヤコブとヨセフの子孫である私たちを救い出してくださいました。…

詩篇 78

1 民よ、私の教えをよく聞きなさい。 私のことばに耳を傾けなさい。 2-3 先祖代々語り伝えられてきた教訓を、たとえを使って教えよう。 4 この真実の解き明かしを聞いたら、あなたがたもまた、栄光に輝く神様のわざを子孫に説明し、そのめざましい奇蹟を語り伝えてほしい。 5 神様はおきてをまずイスラエルに授け、私たちの先祖に、子孫にまでも伝えよとお命じになりました。 6 こうして、神様のおきては順々に、子から孫の世代へと伝えられていくのです。 7 こうしていけば、各世代の人々は、神様のおきてを守り、神様に希望を見いだし、その栄光に輝く奇蹟を忘れることはないのです。 8 そればかりか、先祖のように、反抗的なひねくれ者や、神様に心を明け渡そうとしない者も出ないはずです。 9 エフライムの人々は、完全武装にもかかわらず、いざ戦いとなると敵に背を向け、逃げ出しました。 10 神様のおきてを守らず、ご命令に従うのを拒んだからです。 11-12 エジプトでは先祖があれほど助けていただき、ほかにもすばらしい奇蹟を見せていただいたというのに、彼らは神様を忘れてしまったのです。 13 神様は、目の前で海を二つに分け、その間を通らせてくださったというのに。 しかも、水は両側にせき止められてそそり立っていたというではありませんか。 14 神様は、昼は雲で、夜は火の柱で人々をお導きになりました。 15 荒野では、岩から水を吹き出させ、ぞんぶんに飲ませてくださいました。 16 岩からほとばしり出た水は、川のように流れたそうではありませんか。 17 それでもなお、人々は神様に背き続け、罪を犯し続けたのです。…

詩篇 79

1 ああ神様。 あなたの地は、外国の軍隊の占領下にあります。 神殿は汚され、エルサレムは瓦礫の山となりました。 2 あなたの国民のしかばねは野ざらしで、鳥や獣のえじきとなっています。 3 敵はエルサレムの全住民を、まるで家畜でもほふるように殺したので、血は川となって流れました。 一人の生き残りもいないのですから、いったいだれが死体を埋葬できるでしょう。 4 周囲の国々が、寄ってたかって私たちをあざけり、侮辱の限りを尽くします。 5 ああ神様、いつまでお怒りになるのですか。 あなたのねたみの炎は、私たちの望みをすべて焼き尽くすまで燃えるのでしょうか。 6 その激しい怒りを、私たちにではなく、神様を信じない国々に注いでください。 祈りもせず、お名前を呼び求めもしない国々に注いでください。 7 その国々は、神様の国民イスラエルを滅ぼし、一軒残らず荒らし回ったからです。 8 私たちの昔の罪を持ち出して、有罪の宣告を下さないでください。 行き届いた神様のあわれみで、ちりの中にはいつくばっている私たちを立たせてください。 9 救いの神様、お名前があがめられるためにも、私たちを助け、この罪を赦してください。 10 どうして、外国人が、「いったいおまえたちの神はどこにいるんだ」とあざけるのを、放っておかれるのですか。 おかげで、神様の国民は無残にも虐殺されたわけですから、白日のもとで彼らに報復してください。 11 牢獄につながれている者と、死刑を待つ者のうめきを聞いてください。 彼らを救い出し、神様の力の偉大さを証明してください。 12 ああ神様、あなたをののしった国々に、七倍の報復を加えてください。 13 そうすれば、神様の国民である私たちは、いつまでも感謝し、のちのちまで神様の偉大さをほめたたえるでしょう。

詩篇 80

1 ああ、イスラエルを導く偉大な羊飼いよ。 ケルビム(天使を象徴する像)の上の王座におられる神様。 どうか、私の訴えを聞き入れて、お力を発揮してください。 光り輝くご栄光を現わしてください。 2 さあ、お立ちになって、どれほど強い力で私たちを救い出してくださるのか、エフライムやベニヤミンやマナセにも見せてやってください。 3 ああ神様、おそばに戻らせていただきとうございます。 喜びと愛のまなざしを注いでください。 それこそ、私たちを救うものです。 4 ああ神様、いつまで怒ったままで、この祈りを無視なさるのですか。 5 悲しみと涙が私たちの食べ物なのですか。 6 いつまで私たちを、近隣諸国の笑い者とされるのですか。 7 ああ神様、おそばに戻らせてください。 喜びと愛のまなざしを注いでください。 それこそ、私たちを救うものなのです。 8 神様は私たちをエジプトから、か弱いぶどうの木でも運ぶようにして連れ出し、異教の国民を追い出したあとの約束の地に、植えつけてくださいました。 9 土をふんわり耕していただいたので、私たちは根を張り、国中にはびこりました。 10 山々も私たちの影でおおわれました。 私たちは杉の大木のように枝を伸ばし、 11 地中海からユーフラテス川に至る全土を埋め尽くしました。 12 ところが今になって、神様は私たちの石垣を切りくずし、番人を追い払って、荒らされるままに任せられます。 13 森のいのししには回りを鼻で掘られ、野獣どもには格好のえじきとねらわれています。 14 ああ神様、お願いですから、お戻りになって私たちを祝福してください。 天からこの惨状をご覧になり、あなたのぶどうの木を手入れしてください。 15 手ずから植え、手塩にかけて育て上げた子供を守ってください。…

詩篇 81

1 神様こそ私たちの力です。 さあ、賛美の歌をうたいましょう。 2 タンバリンの伴奏で歌いましょう。 うるわしい音色の竪琴と十弦の琴をかなで、 3 ラッパも吹き鳴らしましょう。 さあ、祭りです。 楽しく祝いましょう。 満月と新月の祭り、そのほかにも祭りは多いのです。 4 祭りにはうんと楽しめと、神様がイスラエルのおきてに、組み込んでくださったのです。 5 祭りは、私たちに奴隷の強制労働を強いたエジプトに対する戦いの記念として、神様が定めてくださったのです。 私は、生まれて初めて、こんなお声を聞きました。 6 「さあ、肩の重荷を下ろしてやろう。 重労働から解放してやろう。 7 おまえが『苦しい』と叫ぶと、わたしは助けてやった。 雷の隠れ家シナイ山から、わたしは答えた。 『水がない』と、おまえが文句を言った時、メリバでおまえの信仰を試した。 8 わたしの国民よ。 こうして口をすっぱくして叱っている間に、聞き従ってくれたならなあ! 9 どんなことがあっても、ほかの神を拝むんじゃないぞ。 また、家の中に偶像を置いてもいけない。 10 エジプトから連れ出してやったのは、おまえの神である、このわたしではないか。 疑うのなら、口をあんぐり開けてみるがよい。 そして、わたしが口いっぱいに恵みを満たすかどうか試しなさい。 ありとあらゆる祝福はおまえのものになるだろう。 11 しかし、わたしの国民はいっこうに聞こうとしない。 イスラエルは、わたしのそばを煙たがる。 12 そこで、かってに闇の中を手探りして、欲望のままに暮らすがいい、と放っておくことにしたのだ。 13 ああ、わたしの国民が、従順になってくれたならなあ。 イスラエルが、わたしの道を歩んでくれたならなあ。 14 そうなれば、直ちに敵と戦って征服してやるのに。」 15…

詩篇 82

1 神様は、天の法廷を開いて、裁判官たちに判決をお授けになります。 2 いつまでおまえたち裁判官は、真実の証言に耳をふさぐのか。 いつまで悪党どもに便宜をはかってやるのか。 3 貧しい者、悩む者、身寄りのない者、暮らしに事欠く者を公平にさばけ。 4 腹黒い連中から、貧乏で苦しんでいる人々を救ってやれ。 5 ところが、おまえたちときたら、お話にならないくらい無知なのだ。 それというのも、おまえたちが暗やみに閉じ込められていて、社会の土台も根本から揺らいでいるからだ。 6 わたしはおまえたちに「神様方」とか、「いと高き神々のご子息様」とか呼びかけてやった。 7 しかし、やっぱり死んでいくのだから、ただの人間と変わりはしない。 ほかの王族にしても同じだ。 人間はみな死すべき運命にある。 8 ああ神様、立ち上がって、この世をさばいてください。 地にあるものはみな、神様のもので、諸国は神様の手中にあります。

詩篇 83

1 ああ神様、私たちが祈っているのに、じっと黙って、見て見ぬふりをしないでください。 祈りに答え、救い出してください。 2 あの、敵の興奮して騒ぎ立てる声が、お耳に入らないのですか。 神様を憎む者どもの目に余る行為が、お目に留まらないのですか。 3 やつらは悪知恵を働かせて策略を練り、神様にとってかけがえのない人たちを殺そうとしています。 4 「さあ、イスラエルを抹殺しよう。 そんな国があった痕跡さえ残すな。」 5 これが、彼らのトップ会談での一致した意見でした。 全能の神様を敵に回して、彼らは同盟条約を結んだのです。 6 こうして、イシュマエル人、エドム人、モアブ人、ハガル人、 7 ゲバル、アモン、アマレク、ペリシテ、ツロの住民たち、 8 それにアッシリヤも加わって、このロトの子孫たちとの連合軍ができ上がりました。 9 どうか彼らを、いつかのミデヤンと同じような目に会わせてください。 もしくは、キション川でのシセラやヤビンと同じ敗北を、なめさせてやってください。 10 また、土地をこやすほど死体が朽ち果てたエン・ドルでの敵のようにしてください。 11 とくに権力者の貴族たちには、オレブとゼエブのような死にかたをさせてください〔カナン征服記下七・二五参照〕。 また高官たちをも、ゼバフとツァルムナのように葬り去ってください〔カナン征服記下八・二一参照〕。 12 この二人は、「神様の牧場をごっそりいただいて、わしらのものにしようぜ」とたくらんだ連中です。 13 ああ神様、砂ぼこりやもみがらのように、彼らを吹き飛ばしてください。 14 森林をなめ尽くす山火事のように襲ってください。 15 猛烈な嵐や龍巻で、追い払ってください。…

詩篇 84

1 天の神様。 あなたの神殿の美しさには、全くほれぼれいたします。 2 この神殿の内庭に入り、生ける神様のおそば近くに出ることを、私は夢にまで見ているのです。 3 雀やつばめでさえ、祭壇の回りに巣を作らせてもらい、ひなを育てています。 天の神様。私の王様。 4 神殿に住めて、常にあなたを賛美できる人は、なんと幸せなことでしょう。 5 神様から力をいただき、神様に従って歩むことを最優先したいと願う人は幸いです。 6 そんな人には、涙の谷も、祝福のわき出る泉となるでしょう。 7 彼らはいよいよ溌剌としてシオン(エルサレム)に向かい、一人ずつ呼ばれて、主にお目どおりを許されるのです。 8 ああ神様、私の祈りを聞いてください。 9 私たちを守る盾であられる神様、あなたが油を注いでお立てになった王をあわれんでください。 10 あなたの神殿で過ごす一日は、よそで過ごす千日よりもすばらしいのです。 悪の宮殿に住むよりは、神の家の門番になりたいと思います。 11 神様は、私たちの光であり、守り手であるからです。 神様は恵みと栄光を下さる方であり、ご自分の道を歩む者に、良いものを出し渋ったりはなさいません。 12 天の神様に信頼する人は幸いです。