詩篇 85

1 神様、あなたは驚くべき恵みをこの国に注がれましたね。 イスラエルの繁栄を回復し、 2 国民の罪を赦し、そのいっさいを水に流されたのですね。 3 こうして、神様の激しい怒りは、きれいに消え去りました。 4 ああ神様、あなたを愛していた昔に戻してください。 そうすれば、二度とお怒りを買うこともないと思います。 5 それとも、子々孫々に至るまで、いつまでもお怒りはやまないのですか。 6 私たちを生き返らせてください! そうなれば、神様の国民は、再びあなたを喜ぶようになります。 7 主よ、私たちに愛と恵みを注いで、救ってください。 8 私は、神様の口から出ることばをひと言も聞きもらすまいと、耳をそばだてています。 神様の国民である聖徒たちが罪を離れさえすれば、平和を告げられるからです。 9 救いは、神様を敬う人たちの身辺にあるのです。 私たちの国は、やがて主の栄光で満ちあふれるようになるでしょう。 10 恵みと真実は出会いました。 厳正な正義と平和は頬ずりし合いました。 11 真実は地に生い茂り、神様の公正は天からほほ笑みます。 12 神様から祝福されて、この国には豊作が続きます。 13 正義は神様の前を進んで、道を踏み固めます。

詩篇 86

1 ああ神様、こちらを向いて、この祈りをお聞きください。 私は悩み果てています。 2 神様のおきてをすべて守ろうとしている私です。 どうか、このいのちをお守りください。 神様に信頼して仕えている私です。 どうかお救いください。 3 ああ神様、最後まで望みを失わず、あなたを見上げている私をあわれんでください。 4 神様以外のだれをも拝んだりはしませんから、どうか、しあわせにしてください。 5 神様は恵み深いお方で、赦すのをためらったりなさいませんから、助けを求めて来る人にはだれにでも、あふれるほどにあわれみをかけてくださいます。 6 ああ神様。 もう限界です。 この叫びを聞いてください。 7 苦しいことにぶつかるたびに、神様を呼んでいます。 すると、あなたは助けてくださるのです。 8 異教の神々の中に、神様のような方はいません。 だれがあんな奇蹟を行なえるものですか。 9 神様がお立てになった諸国家は、目の前でひれ伏し、聖なるお名前をたたえるでしょう。 10 神はあなたお一人であり、目をみはるばかりの偉大な奇蹟を行なわれます。 11 私がどちらへ行けば、おこころにかなうのか教えてください。喜んで、そちらへ参ります。 全身で、神様のお名前を恐れさせてください。 12 心の底から神様をほめたたえ、常にお名前に栄光を帰したいのです。 13 神様はこんなにも愛してくださり、常に情けをかけてくださるからです。 また、神様は、地獄の底から私を救い出してくださったお方です。 14 ああ神様。 思い上がった連中が、公然と突っかかって来ます。 神様を無視するならず者が、私のいのちをねらっています。 15 しかし神様。 あなたはあわれみ深くてやさしく、短気を起こさず、恵みと真実にあふれていらっしゃいます。…

詩篇 87

1-2 エルサレムは神様のきよい山にそびえています。 この神の都を、神様はどこよりも深く愛しておられるのです。 3 神の都については、なんとすばらしい語り伝えのあることでしょう。 4 最近、友人たちとの会合で、エジプトやバビロン、ペリシテやツロ、それにはるかエチオピヤの名前が話題にのぼった時、それらの国の生まれだと誇らしげに語る人がいました。 5 しかし、いつかは、エルサレム生まれであることが最高の栄誉となる日が訪れます。 神々にまさる神が、格別この都に目をかけ、祝福してくださることになるからです。 6 エルサレム出身者は国籍の登録に際して、神様から二重丸をいただくでしょう。 7 祭りの日、人々は、「ああ、わが心のエルサレム」と歌うようになります。

詩篇 88

1 ああ、私を救ってくださる神様。 私は昼も夜も、あなたの前で泣きくずおれているのです。 2 この叫びに耳を傾け、祈りを聞き届けてください。 3 苦しみにがんじがらめにされた私に、死の足音が忍び寄って来たのです。 4 人々は、私のいのちが尽きるのも時間の問題で、手の施しようもないと言います。 5 戦場で倒れ、神様からのあわれみも絶たれた兵士のように、見殺しにするのです。 6 神様は私を、深い真っ暗やみの穴に投げ込まれました。 7 神様の激しい怒りは、息つく暇なく押し寄せる波のように、私をのみ込みます。 8 神様は、友人たちが私をけぎらいして去るようにされました。 私はさながら袋のねずみでした。 9 目は泣き疲れてかすんでいます。 ああ神様。 くる日もくる日も、助けてくださいと、取りすがっているのです。 あわれんでくださいと、両手を差し伸べているのです。 10 もうすぐ、手遅れになってしまいます。 死んでしまえば、どんな奇蹟を行なってくださろうと、あとの祭りです。 私が、神様をたたえるすべもありますまい。 11 なんで墓の中にいる者が、神様の恵みや真実を言い広めることができましょう。 12 暗やみに、神様の奇蹟を証言できるでしょうか。 あの世へ行った人間に、神様の助けを語り伝えることができるでしょうか。 13 ああ神様。 くる日もくる日も、私はいのち乞いをしています。 14 なぜ、私の寿命を縮められるのですか。 なぜ、お顔をそむけられるのですか。 15 私は若いころから病気がちで、いつも死にさらされていました。 死におびえて、なすすべもなく立ち尽くしていました。…

詩篇 89

1 私は神様のこまやかなお心づかいを、いつまでも歌います。 2 神様の愛と恵み、それに真実は、永遠に絶えることがありません。 3-4 神様はこう言われます。 「わたしは、よりすぐったしもべダビデと厳粛な契約を結んだ。 彼の子孫を永久に王座につけると誓ったのだ。」 5 ああ神様。 天はあなたの奇蹟をたたえ、御使いたちは、あなたの真実をたたえます。 6 天に、神様と並ぶ存在などありえませんから。 いちばん偉い御使いでさえ、神様の足もとにも及びません。 7 天使の中で最高位の者さえ、御前では恐れおののきます。 ほかのだれが、神様のように尊敬されているでしょうか。 8 天の軍勢の主である神様。 あなたのように権威ある方は一人もいません。 神様は真実そのものなのです。 9 すさまじい嵐が起こって、波がさかまこうと、神様のひと言で凪いでしまいます。 10 傲慢な態度を捨てなかったエジプトは、神様の手で切り刻まれました。 神様の恐るべき腕を見て、敵はくもの子を散らすように逃げて行きました。 11 天も地も、万物は神様の手中にあります。 いっさいのものを造られたのは神様なのですから。 12 北も南も神様がお造りになりました。 タボル山とヘルモン山は、創造主の神様に感謝しています。 13 神様の腕の力は天下に並ぶものがなく、その栄光ある右の手は、高くあげられています。 14-15 神様の王座を支えているのは、公平と正義の太い二本の柱です。 あわれみと真実は、いつもおそばに控えています。 喜びに震えるラッパの音を聞く人々は、神様の光の中を歩くことができるので幸せです。 16 彼らは、神様のすばらしい名声と、非の打ちどころのない正義を知って、一日じゅう喜びに満たされます。 17 神様は彼らの力です。 神様の恵みが私たちの力の源であるとは、なんという光栄でしょう。…

詩篇 90

1 神様。 あなたはいついつまでも私たちの住まいです。 2 大地が造られ、山が生まれる前から、あなたは神であられました。 あなたには初めも終わりもないのです。 3 神様のひと言で、人は土に帰ります。 4 千年の昔も神様にとっては、きのうのことにすぎず、つい一時間前と変わりません。 5-6 私たちは流れの速い潮に乗って、見る間に過ぎ去り、一夜の夢のように、あわただしく消えていきます。 朝のうちは青々と生い茂っていても、夕暮れには刈られてしおれる草に似ています。 7 私たちはあなたの怒りのうちに死に、あなたの憤りに打ち滅ぼされます。 8 神様は隠された罪をあばき、白日にさらされます。 9 神様のお怒りの日々は、私たちに重く長く、ため息ばかりで過ぎていくのです。 10 人生七十年、中には八十まで生きる人もいるでしょう。 しかし、その脂の乗りきった時期でも、むなしさと苦しみにむしばまれています。 しかも、月日は矢のように過ぎて、たちまち帰らぬ身となるのです。 11 だれが、神様のお怒りの真のこわさを知っているでしょう。 だれが、ほんとうに恐れることを知っているでしょう。 12 どうか、私たちに与えられた日を数えさせてください。 そして、どんなに短いものか気づかせてください。 どうか、正しい日の過ごし方を教えてください。 13 ああ神様、祝福してください。 いつまでじらすおつもりですか。 お怒りはずっと向こうに遠ざけてください。 14 お恵みで若い日々を満ち足らせ、生涯を閉じる日まで、喜びを絶えさせないでほしいのです。 15 悲惨な日々のことなどつゆだに思い返さないほどの喜びを、いただきたいのです。 災いの年月を、祝福の日々と取り替えてください。 16 もう一度、奇蹟を見せてください。 子供たちに、以前のようにご栄光を見せてやってください。…

詩篇 91

1 私たちは、どんな神々にもまさる神様によってかくまわれ、この全能のお方のふところに住んでいます。 2 私は宣言します。 「神様こそ私の避難所、また安全地帯です。 この神様への信頼を失うことはありません。」 3 神様はどのような罠からもあなたを救い出し、いのち取りの病気からも守ってくださいます。 4 神様の翼の下に、あなたはかくまわれるのです。 また、神様の変わることのないお約束が、あなたのよろいとなるのです。 5 ですから、もう暗やみを恐れてはいけません。 真昼の襲撃にもおののいてはいけません。 6 暗やみに乗じてはびこる伝染病も、明け方を襲う災害も恐れるに足りません。 7 たとい千人がそばに倒れ、一万人の死体が回りを埋め尽くそうと、私はかすり傷一つ負いません。 8 ただ、悪者が罰せられるのを眺めていればよいのです。 9 私には、神様という避難所があるのです。 私はこのお方を、すべての神々にまさる神様として選んだのです。 10 ですから、災難にみまわれたり、伝染病に取りつかれたりするはずがありません。 11 神様が御使いたちに言いつけて、行く先々で守ってくださるからです。 12 山道でも、石につまずかないように、手で支えてもらえるのです。 13 ライオンに出くわそうと、毒蛇を踏もうと、平気のへいざで踏みにじることさえできるのです。 14 主はこう言っておられます。 「わたしを愛する者を、救い出してやろう。 わたしを信頼する者を偉大な人物にしよう。 15 その者が呼べば答えてやり、苦しんでいる時にはそばにいてやろう。 その者を救い出し、面目をほどこしてやろう。…

詩篇 92

1 神様に「感謝します」と言うこと、神々にまさる神様に賛美の歌をささげることは、すばらしいではありませんか。 2 朝ごとに、「お恵みを感謝します」と言い、夜ごとに、神様の真実を喜びなさい。 3 十弦の琴やリュート、竪琴をかなでながら、賛美の歌をうたいなさい。 4 こんなにも多くのことをしてくださった神様に、感謝せずにはいられません。 喜びの歌をうたわずにはいられません。 5 神様、なんとすばらしい奇蹟でしょう! あなたの思慮の深さには測りがたいものがあります。 6 浅はかな人には、とても理解できず、愚かな人の想像をも越えています。 7 たとい、今は雑草のようにはびこっていようと、悪人を待ち受けているのは永遠の滅びだけです。 8 神様は永遠に天であがめられるお方ですが、 9 神様に敵して悪事を働く者の運命は、滅びなのです。 10 しかし、神様は私を、野牛のように強くしてくださいました。神様に祝福されて、活力がみなぎりました。 11 敵が刑罰を宣告されて滅ぶ様子を、私はこの目で見ました。 12 しかし、神様を信じて従う人は、なつめやしの木のように青々と茂り、レバノン杉のようにそびえ立ちます。 13 というのも、神様の農園に移植され、しかも、神様みずから世話してくださるからです。 14 おかげで老木となっても実を結び、青々と茂ることができるのです。 15 そして、このことが神様の栄誉となり、その真実を人々に知らせることになります。 神様は私の隠れ家です。 神様は恵みそのもののお方です。

詩篇 93

1-2 世界の王、主は、威光と権能をまとっておられます。 ああ神様。 永遠の昔から、あなたは世界を支配しておられます。 3 大洋も鳴りとどろいて、賛美しています。 4 白く砕け散りながら岩をかむ大波より力強いお方です。 5 そのおきては不変で、その支配の原理は、きよさです。

詩篇 94

1-2 復讐する権利をお持ちの神、主よ、ご栄光を輝かせてください。 地上の人々をさばき、おごり高ぶる連中を罰してください。 3 神様、いつまで悪者が勝ち誇り、有頂天になっているのですか。 4 あの横柄なことば、人を食った態度、大口をたたく様子をご覧ください。 5 ああ神様。 彼らは、あなたが愛しておられる人々をあんなにも悩ませています。 6-7 「なあに、神に知れるわきゃないよ」と、未亡人や移民、みなしごなどを殺します。 8 この愚か者めが! 9 耳と目をお造りになった神様が、なんでつんぼで盲なものか。 10 世界をおさばきになるお方が、なんでおまえたちの罪を見過ごしになさるのだ。 いっさいのことをお見通しの神様に、おまえたちの悪事がばれないはずはないのだ。 11 神様は、人の考えや判断にはどれほど限りがあり、無益かを、よくご存じです。 12-13 ですから、痛い目に会わせることによって、私たちを神様の道へと導かれるのです。 一方、神様は敵に罠をしかけて滅ぼし、私たちにひと息つかせてくださいます。 14 決して、ご自分の国民を見捨てたりなさいません。 宝のように思っておられるのですから。 15 裁判は再び公平さを取り戻し、正直な人が陽の目を見るようになります。 16 だれが、盾となって私を悪者から守ってくれるのでしょう。 17 もし神様の助けの手が差し伸べられなかったら、私は今ごろ死んでいたことでしょう。 18 「ああ神様、足もとがすべります!」と大声を出した時、神様は救い上げてくださったのでした。…