イザヤ書 44

1 わたしのしもべイスラエル、わたしの選んだ者たちよ。 わたしのことばを聞け。 2 あなたを造り、あなたを助ける神様は、こう宣言なさいます。「わたしのしもべよ、恐れるな。 わたしの選んだエルサレムよ、こわがるな。 3 渇いたのどと干上がった地をうるおす水を、ふんだんに与えよう。 おまえの子供たちには、わたしの霊と祝福とを注ごう。 4 彼らは、水分を十分に吸った青草や土手沿いの柳のように繁栄する。 5 自慢げに、『私は主のものだ』とか『私はユダヤ人だ』とか言い、手にわたしの名かイスラエルの名を入れ墨する。」 6 イスラエルの王である主、イスラエルを救う天の軍勢の主は、こう断言なさいます。 「わたしは初めであり、終わりだ。 わたしのほかに神はない。 7 わたし以外にだれが、これからさき何が起こるかを言いあてることができるか。 もしそのような者がいたら、遠慮なく名乗りをあげ、大きな力があるところを見せてもらいたい。 わたしがずっと昔からしてきたのと同じことを、してもらいたいものだ。 8 どんなことがあっても恐れてはいけない。 わたしは大昔から、きっと救うと言っていたではないか。 おまえたちはわたしの証人だ。 わたしのほかに神はない。 断じて一人もいない。 わたしのほかに岩はない。」 9 偶像を作り、それを神にするとは、なんと浅はかでしょう。 そんな連中の希望はむなしい夢にすぎません。 見ることも知ることもできない偶像を頼みにしているからです。 こんな偶像を拝む者が赤恥をかくのは当然です。 10 少しも頼りにならない偶像を作る者は、大ばか者と言われてもしかたありません。 11 それを拝む者はみな、顔を真っ赤にして神様の前に立つでしょう。 自分は神を作ったと粋がっていた大工も同じことです。 彼らはともどもに、震えおののきながら神様の前に立ちます。 12 金属細工師は斧を作るために炉のそばに立ち、真っ赤に焼けた鉄をかなとこの上で力いっぱいたたきます。そのうちのどは渇くし、腹はへるしで、ふらふらになります。 13 次は、大工がその斧で偶像を作る番です。 木ぎれの寸法を測り、しるしをつけ、人の形に彫ります。 こうして、一歩も歩けないが、見せかけは美しい偶像ができ上がります。 14 彼は杉を切り倒し、糸杉や樫を選びます。 また森に月桂樹を植えれば、雨が育ててくれます。 15 こうして大きくなった木の一部で体を暖め、パンを焼くたきぎとします。 さて、その残りはどうするのでしょう。 なんと、それで人々が拝む神を作るのです。 人々がひれ伏して賛美する偶像を作るのです。…

イザヤ書 45

1 これは、多くの国々を征服させるために神様が選び、油を注いで任命したクロスへのお告げです。 神様が力を与えると、彼は強大な王たちの力を砕きます。 神様が彼の前でバビロンの城門を開くと、門は二度と閉まりません。 2 クロスよ、わたしはおまえの前を進む。 山々を平らにし、青銅の城門をぶちこわし、鉄のかんぬきを飴のようにねじ曲げる。 3 こうして、暗やみに隠された財宝や、だれも知らない富を与える。 その時おまえは、おまえを名ざしで呼ぶ、わたし、イスラエルの神が、このことをしていると気づく。 4 ところで、この仕事のためにおまえを名ざしで呼んだのはなぜか。 わたしのしもべヤコブ、わたしの選んだイスラエルのためだ。 おまえがまだわたしを知らない時に、わたしはおまえを名前で呼んだ。 5 わたしは主だ。 わたしのほかに神はいない。 たといおまえがわたしを知らなくても、わたしはおまえを強くし、どの戦いにも勝利を得させる。 6 世界中の人々に、わたしのほかに神はいないことを思い知らせるのだ。 わたしが主だ。 わたしのほかに神はいない。 7 わたしは光を呼び、やみを招き、時代を良くも悪くもする。 わたしは、このようなことをする者だ。 8 天は窓をいっぱいに開き、空は正義を降らすように。 救いと正義が共々に地から芽を出すように。 わたしが、それらのものを造ったのだ。 9 創造主を向こうに回して戦う者は、ひどい目に会います。 つぼは、それを作った者に議論をふっかけるでしょうか。 粘土は、それを細工する者に、「待ってくれ。 作る物が違ってるじゃないか」と言ったり、「なんてぶきっちょなんだ」と文句を言ったりするでしょうか。 10 両親に、「なぜ私を産んだのか。 産んだのはまちがいじゃないか」とわめきたてる者は、ひどい目に会います。 11 イスラエルのきよい神様であり、イスラエルの創造者である主は、お語りになります。 どんな権限があって、わたしのすることに口をはさむのか。 わたしの仕事にいちいち注文をつけるおまえたちは、いったい何者だ。 12 わたしは地球を造り、その上に住む人間を造った。 自分の手で天を引き伸ばし、無数の星に命令した。 13 わたしの目的を果たすためにクロスを起こし、彼の進む道を整える。 彼はわたしの都を再建し、捕虜になったわたしの国民を解放する。 しかも無報酬でだ。 14 神様は、こうもお語りになります。 エジプト人、エチオピヤ人、セバ人はおまえたちの言いなりになる。 彼らは国の産物を山と積んでやって来る。 それが全部おまえたちのものになる。 彼らは鎖でつながれた囚人のようにおまえについて回り、土下座して「あなたがたの神様だけが本物の神様です」と言う。 15 イスラエルの神様である救い主よ、あなたは全く不思議なことをなさいます。…

イザヤ書 46

1-2 バビロンの偶像ベルとネボは、牛のひく荷車に載せられ、遠くへ運ばれます。 ところが、牛はよろめき、荷車はひっくり返り、神々は地面に放り出されます。 自分が転げ落ちることさえ防げないのに、彼らを拝んでいる者をクロスの手から救い出すことなど、できない相談です。 3 「生き残りのイスラエル人よ、わたしの言うことを聞け。 わたしはおまえたちを造り、生まれた時から面倒を見てきた。 4 おまえたちが生きているあいだ中、たといおまえたちが年をとり、髪の毛が白くなっても、わたしはおまえたちの神となる。 わたしがおまえたちを造ったのだから、道中おまえたちを運び、救い出そう。 5 天と地にあるものの何を引き合いに出して、わたしと比べようというのか。 わたしと等しい者を、だれか捜すことができるか。 6 わたしを、金と銀を惜しげもなく使った偶像と比べるつもりか。 おまえたちの金をふんだくって金細工人を雇う者は、偶像を作り、ひれ伏して拝む。 7 彼らは偶像をかついで運び、下に置くが、それはじっと立ったままで動けない。 どんなに祈っても答えがない。 拝む者を苦しみからも救えないのだ。 8 やましいところのある者よ、このことを忘れるな。 9 わたしがはっきり何度も、将来なにが起こるか告げてきたことを忘れるな。わたしだけが神で、わたしのような者はほかにいない。 10 何が起こるかを教えることができるのは、このわたしだけだ。 わたしの言ったことは、みなそのとおりになる。 わたしは、こうと決めたことはどんなことでも実行する。 11 わたしは猛禽を東から、クロスを遠い地から呼ぶ。 彼は来て、わたしの言いつけておいたことをする。わたしは、すると言ったことは必ず実行する。 12 強情で性悪なおまえたち、わたしの言うことを聞け。 13 わたしはおまえたちを救う。 それも遠い将来ではなく、今すぐだ。 すでにおまえたちを救う準備は整った。 わたしは、わたしの栄光であるエルサレムとイスラエルを再建する。

イザヤ書 47

1 負け知らずのバビロンよ、下って来て、ちりの中に座れ。 栄光の日々は終わり、おまえたちの華やかさと名誉は色あせたからだ。カルデヤの娘よ、おまえは二度と、優雅で美しい王妃と呼ばれない。 2 重いひき臼で粉をひけ。 売春婦のようにベールを取り、王妃の衣を脱ぎ捨て、人々の目に身をさらせ。 3 おまえは裸になり、赤恥をかく。 わたしはおまえに報復し、少しも後悔しない。」 4 バビロンの強大な力からイスラエルを救う、私たちの救い主は、こう宣言なさいます。 この方の名は天の軍勢の主で、イスラエルのきよい神様にほかなりません。 5 バビロンよ、黙って暗がりに座れ。 おまえは二度と、「国々の女王」と呼ばれない。 6 バビロンよ、わたしはイスラエルを怒っておまえの手に渡し、少しばかり罰しようとした。 ところがおまえは、少しも手ごころを加えなかった。 それどころか、老人に重い荷物を運ばせるようなことまでした。 7 おまえは、自分がいつまでも世界の女王として君臨するものと思った。 わたしの国民を少しもあわれまず、また彼らに危害を加えたらどうなるかも考えなかった。 8 大国だと自慢し、安逸をむさぼり、快楽を追い求める国よ。 おまえの罪に対する、わたしの法廷での判決を聞け。 おまえは、「私だけが神だ。 天地が引っくり返っても、私が未亡人になるわけがない。 子供を失うこともない」とうぬぼれている。 9 それも今のうちだ。 次の二つのことが、一日のうちに、しかも、あっという間に実現する。 どんなに魔法や魔術に頼ってみても、おまえは未亡人となり、子供を失う。 10 おまえは、どんなに悪いことをしても大丈夫だと考えていた。「だれも見ていない」と、おまえは言った。 その「知恵」と「知識」が災いして、わたしに背き、自分こそ神だと言うまでになった。 11 だからこそ、大きな災難が突然おまえに襲いかかる。 あまり突然なので、それがどこから来たのかわからないほどだ。 その時には、おまえの罪をきよめる神への供え物はない。 12 長いあいだ拝んできた悪鬼の群れを、呼び出してみよ。 彼らの助けを借りて、もう一度多くの人々を恐れさせることができるかどうか、試してみよ。 13 助言者は掃いて捨てるほどいる。 星占い、星を見る者といった、未来の出来事を言いあてる者はわんさといる。 14 しかし彼らは、火がつくとぱっと燃え上がる枯れ草のように、役に立つどころか手がつけられなくなる。 自分さえ救えないのだから、とても頼りにはならない。 その火は、そばに座って体を暖める火ではない。 15 おまけに、子供のころの友人まで、みなこそこそと逃げ出し、姿を隠し、力になってくれない。

イザヤ書 48

1-2 わたしの国民よ、わたしの言うことを聞け。 おまえたちは、きよい都に住んでいることを自慢し、イスラエルの神に信頼していると大きな口をたたいているが、口先だけのことだ。 おまえたちの神への忠誠心は、全く看板倒れだ。 3 わたしは何度も、これから何が起こるかを知らせてきた。 そして語り終えるか終えないうちに、言ったとおり実行した。 4 わたしは、おまえたちがどんなに強情で頑固か知っている。 首はまるで鉄棒のように曲がらず、頭は石のようにこちこちだ。 5 だからこそ、これからしようとすることを、あらかじめ知らせておいたのだ。 そうでもしなければ、おまえたちは「私の偶像がしたのだ。 私の彫像が、そうなるようにと命令したのだ」と言うに決まっている。 6 おまえたちはわたしの預言を聞き、しかも実現するのを見た。 ところが、わたしがそのようにしたことを認めない。 今度は、今まで話したこともない、新しいことを知らせよう。 一度も耳にしたことのない秘密をな。 7 だからおまえたちは、「ああ、そのことなら、ずっと前から知っていた」と言うことはできない。 8 わたしは全く新しいことを告げる。 おまえたちがどんなにひどい裏切り者で、ものごころついたころから背き続け、芯まで腐りきっているかを、よく知っているからだ。 9 だがわたしは、自分のため、自分の名誉のために怒りをぐっとこらえ、おまえたちを根絶やしにはしない。 10 わたしはおまえたちを悩みの炉で精錬したが、銀は見つからなかった。 おまえたちは、少しも良いところのないがらくただ。 11 それでもわたしは、自分のためにおまえたちを助ける。 滅ぼしはしない。 そうでないと、外国人は、彼らの神々がわたしを征服したと言うだろう。 彼らにわたしの栄光を譲り渡すようなまねは、絶対しない。 12 わたしの国民、わたしの選んだ者らよ、わたしの言うことを聞け。 わたしだけが神だ。 わたしは初めであり、終わりだ。 13 この手で地の基礎をすえ、この右の手で天を引き伸ばした。 わたしが命じると、たちまちそのとおりの物ができた。 14 みな集まって、よく聞け。 おまえたちの偶像のうちで、次のように知らせてくれたものが一つでもあったか。 「主はクロスを愛し、彼にバビロン帝国の息の根を止めさせる。 主はカルデヤ人の軍隊を根こそぎにする。」 15 こんなことが言えるのは、このわたしだけだ。 わたしがクロスを呼び出し、使者として送り出した。 わたしは彼のすることをきっと成功させる。 16 近寄って聞きなさい。 私はこれまでいつも、どんなことが起こるかをはっきり知らせてきました。 あなたがたが十分に理解するためです。 今度も、神様とその御霊のお告げを伝えます。…

イザヤ書 49

1 遠い国々の皆さん、私の言うことを聞きなさい。 神様は生まれる前から私に目をかけ、母の胎内にいた時から私を名ざしで呼びました。 2 神様は私のさばきのことばを、剣のように切れ味するどくします。 秘密兵器のように、私を御手の中に隠しました。 私はちょうど、神様の矢筒の中にある、先のとがった矢のようです。 3 神様は私に告げました。 「おまえはわたしのしもべだ。 神の力を授かった王子として、わたしのすばらしさを示す。」 4 「おことばですが神様、私のこれまでの仕事はみな失敗に終わりました。 すっかり力を使い果たしましたが、何の手ごたえもありません。 どうぞ、おこころのままに報いてください。」 5 ところが、神様の国民イスラエルを立ち返らせる使者として、私を母の胎内で形づくり、この仕事を成し遂げる力を与え、私を特別扱いしてくださった神様は、さらに告げたのです。 6 「おまえはイスラエルをわたしに立ち返らせる以上のことをする。 国々の光となって、外国にまでわたしの救いをもたらす。」 7 イスラエルのきよい神様である救い主は、さげすまれている者、のけ者にされている者、支配者の足もとにうずくまる者を慰めます。 「おまえが通ると、王は立ち上がって敬意を表わす。 わたしがおまえを選んだので、地方長官は深々と頭を下げる。 イスラエルのきよい神であるわたしが、おまえを選ぶのだ。」 8-9 神様はまた、こうお語りになります。 「おまえは、ちょうどよい時に願い事をした。 わたしはまだ危害が及ばないうちからおまえを守り、イスラエルへの約束のしるしを与える。 わたしが国を再建し、そこに人を住まわせるという証拠だ。 わたしはおまえの口を借りて、暗やみの中に閉じ込められた囚人に、『さあ、出て来い。 おまえたちはもう自由だ』と語りかける。 彼らはわたしの羊となり、緑の牧草地と青々とした丘で草を食べる。 10 ひもじくなることも、のどが渇くこともない。 こげつくような太陽も、焼けるような砂漠の風も、二度と害を与えない。 わたしが彼らを思いやり、冷たい水のわく所へ連れて行くからだ。 11 わたしは彼らのために、山々を平らな道とし、谷の上高く幹線道路を通す。 12 わたしの国民は遠くから、北、西、南から帰って来る。」 13 天は喜んで歌いなさい。 地は歓声をあげなさい。 山々は歌声を響かせなさい。 神様が、悲しみに沈んでいたイスラエルをやさしく慰めるからです。 14 ところが、あなたがたは言います。 「神様は私たちを見捨て、私たちをお忘れになった。」 15 「そんなはずはない。 母親がわが子を忘れ、愛さなくなることがあるだろうか。 だが、たといそんなことがあっても、わたしはおまえを忘れない。 16 わたしはおまえの名をてのひらに入れ墨した。 わたしの目の前にはいつも、くずれたエルサレムの城壁がちらついている。…

イザヤ書 50

1 神様は問いかけます。 わたしはおまえたちを債権者に売り飛ばしただろうか。 そのために、おまえたちはここにいないのか。 わたしがおまえたちの母親と離婚し、追い出したから、彼女の姿が見あたらないのか。 とんでもない! おまえたちが、自分の罪のために自分を売ったのではないか。 母親は借金のかたに連れ去られたのだ。 2 わたしに力がなくて、おまえたちを救えないのだろうか。 それがために、わたしが帰宅してみると、家はからっぽで静まり返っているのだろうか。 わたしにはもう、おまえたちを救い出す力がないとでも言うのか。 とんでもない! そのつもりになれば、海をしかりつけ、干上がらせることも何でもない。 多くの川が流れる平野を砂漠とし、死んだ魚でいっぱいにすることもできる。 3 空一面をやみでおおうことさえできるのだ。 4 神様は私に、知恵のことばを授けました。 疲れきった人に何を言ったらいいかを教えるためです。 朝ごとに、神様は私の目を覚まし、理解力を深め、みこころを示してくださいます。 5 神様のおことばを、私は耳をすまして聞きます。 逆らったり、そっぽを向いたりはしません。 6 私はむち打つ者に背中をさらし、ひげを抜き取る者に顔を差し出しました。 恥さらしになっても、逃げも隠れもしません。 彼らは私の顔につばをはきかけました。 7 神様のお助けがあるので、私はうろたえたり、気を落としたりしません。 断固として決意を固め、神様の命じることを行ないます。 しかも、必ず勝つと確信しています。 8 私が正しいと認めてくださる方が、そばにおられるのです。 さあ、だれが相手になるのか。私の敵はどこか。 いたら、姿を現わしてもらいたいものだ。 9 神様が味方である以上、だれも、私に罪があるときめつけることはできません。 敵はみな、しみに食われた古着のように、ぼろぼろになります。 10 あなたがたのうち、神様を恐れ、主のしもべに聞き従う者はだれですか。 もしそのような人が今、やみの中にいて、一筋の光もないというなら、主に頼り、神様にすがってもらいたいものです。 11 しかし、自分の光の中を歩き、神様の火ではなく、自分の火に暖まっている者よ。 あなたがたは悲しみに明け暮れるようになります。

イザヤ書 51

1-2 自由の身となることを願い、神を尋ね求める者よ、わたしの言うことを聞け。 おまえたちが掘り出された採石場、切り出された岩を見よ。 先祖アブラハムとサラのことを考えてみよ。 おまえたちは、力がなく数も少ないと思い悩んでいる。 だが、わたしがアブラハムを呼び出した時、彼はたった一人ではなかったか。 それが祝福を受けて、大きな国になった。 3 わたしはもう一度イスラエルを祝福し、砂漠を花畑とする。 何も生えなかった荒野はエデンの園のように美しくなる。 そこは喜びと楽しみにあふれ、感謝と美しい歌声が絶えない。 4 わたしの国民イスラエルよ、よく聞け。 わたしは必ず正義が勝つようにしてみせる。 5 思いやりと正義はもうすぐ来る。 救いは門口まで来ている。 わたしは国々を支配する。 世界中の人がわたしに望みをかけ、わたしが来るのをひたすら待っている。 6 高い空と足もとの大地を見よ。 大空は煙のように消えてなくなり、大地は着物のように古びる。 そこに住む者は、はえのように死ぬ。 だが、わたしの救いはいつまでもすたらない。 わたしの正しい政治は、とだえることも行きづまることもない。 7 わたしの言うことを聞け。 正しいこととまちがったことが区別でき、わたしのおきてを大切に胸にしまっている人たちよ。 そしりや中傷をこわがるな。 8 そんな連中は、しみや虫が着物を食い荒らすように、食い尽くされる。 だが、わたしの正義と思いやりはいつまでもなくならず、わたしの救いは代々限りなく続く。 9 神様、目を覚ましてください。 立ち上がって、力を奮い起こしてください。 エジプトを打った昔のように、ナイルの竜を刺し殺した時のように立ち上がってください。 10 あなたは今も、海を干上がらせ、自ら救い出した国民の通り道を造った時と同じように、全能の神様ではありませんか。 11 神様に救い出された人たちの帰って来る時がきます。 喜びと永遠の楽しさにあふれ、歌いながらエルサレムに帰って来ます。 悲しみと嘆きは跡形もなくなります。 12 おまえを慰め、喜びを与えるのは、このわたしだ。 だから、草のようにしおれて枯れるただの人間を、こわがってはいけない。 13 ところがおまえたちときたら、おまえたちを造った神を恐れず、星を大空にちりばめ、地を造ったわたしを忘れてしまった。 一方、人からの圧力を絶えずこわがり、憤りを買いはしないかと一日中びくびくしている。 14 だが奴隷の生活も長くはない。 もうすぐ自由の身だ。 地下牢や飢えや死とは縁がなくなる。 15 わたしはおまえたちの神、主であって、海を真っ二つにし、とどろく波を壁にして通り道を造った。 16 わたしのことばをおまえたちの口に入れ、手の中におまえたちを隠して守った。 星をそれぞれ決められた場所に置き、地球を造った。 わたしはイスラエルに、「おまえはわたしのものだ」と言いきれる神だ。…

イザヤ書 52

1 エルサレムよ、さあ、目を覚まして神様の力を着なさい。 きよい都、シオン(エルサレム)よ、美しい衣をまといなさい。 神様に背く罪人は、もはやあなたの門をくぐりません。 2 エルサレムよ、ちりを払って立ち上がりなさい。 捕虜になったシオンの娘よ、首から奴隷のかせをはずしなさい。 3 神様はこうお語りになります。 捕虜としておまえたちを迫害者どもに売った時、ただの一円も請求しなかった。 だから今度は、おまえたちをただで取り戻す。 4 理由もなくエジプトとアッシリヤにいじめられた時も、わたしは救い出した。 5 「ところで、これはどうしたことか」と、神様は尋ねます。 なぜわたしの国民はまた奴隷となり、理由もなくいじめられているのか。 彼らの支配者は歓声をあげ、わたしの名は一日中さげすまれている。 6 だから、わたしの国民にわたしの名をはっきり知らせる。 彼らはこの名を聞いて励まされ、話しかけているのがわたしだと認めるようになる。 7 イスラエルの神様が王座についたという、平和と救いの良い知らせを伝える者の足は、山の上にあって、なんと美しく見えることでしょう。 8 見張り人が声を張り上げ、喜びいっぱい歌っています。 神様がエルサレムへ帰るのを目のあたりに見るからです。 9 エルサレムの廃墟よ、大声で喜びの歌をうたいなさい。 神様はご自分の国民を慰め、エルサレムを敵の手から買い戻したからです。 10 すべての国々の目の前に、神様はきよい御腕を現わしました。 地の果ての人たちも私たちの神様の救いを見ます。 11 さあ今、奴隷のかせをはずし、自由になりなさい。 バビロンと、それにかかわりのある、いっさいのものから遠ざかりなさい。 それはみな、あなたがたにとって汚れています。 あなたがたは神様のきよい国民です。 神様の器具を故国に持って帰る者は自分をきよめなさい。 12 命からがら、あわてて逃げることはありません。 神様が先頭をきり、またうしろから、あなたがたを守ってくださいます。 13 わたしのしもべ〔救い主イエス・キリスト〕は繁栄し、高くあげられる。 14-15 ところが、彼を見て多くの人が驚く。 遠い外国から来た者や王は、その前に出ると、ことばもなく唖のように黙り込む。 今まで一度も見たことのないものを見、一度も聞いたことのないことを理解するからだ。 彼らは、ひどく打ちたたかれて血まみれになり、とても人間とは思えないほど顔かたちのくずれた、わたしのしもべを見る。 だが彼は、多くの国の人々をきよめるのだ。

イザヤ書 53

1 しかし、このことを信じる人はなんと少ないことでしょう。 いったいだれが、耳をすまして聞くでしょう。 神様はだれに、救いの力をお示しになるのでしょう。 2 神様の目から見れば彼は柔らかな若芽のようで、不毛の地の根から芽を吹き出したのです。 ところが私たちの目から見れば、人目をひくものは一つもなく、好意をいだかせるものも一つもありません。 3 私たちは彼をさげすみ、のけ者にしました。 彼は悲しみの人、人生の苦しみをなめ尽くした人でした。 私たちは彼に背き、そばを通ってもそっぽを向きました。 彼が侮られても、そ知らぬふりをしていました。 4 ところが、彼が背負い込んだのは、実は私たちの悲しみであり、彼を押しつぶしたのは、私たちの嘆きでした。 私たちは、彼がそんなに苦しむのは、罪を犯して神様に罰せられているからだと考えていました。 5 しかし実際は、私たちの罪のために傷つき、血を流したのです。 彼は私たちに平安を与えようとして、進んで懲らしめを受けました。 彼がむち打たれたので、私たちはいやされました。 6 私たちは神様の道を踏みはずし、羊のようにさまよい出て、自分勝手な道を歩いてきました。 ところが神様は、私たち一人一人の罪を彼に負わせたのです。 7 彼は痛めつけられ、苦しみ、悩みました。 それでも、ただのひと言も口にしませんでした。 子羊のようにおとなしく屠殺場へ引いて行かれ、毛を刈り取られる羊のように、非難をあびせかける者たちの前に黙って立ちました。 8 人々は彼を裁判にかけ、死刑場へ引き立てました。 はたして、彼が死ぬのは自分たちの罪のためであり、身代わりに刑罰を受けて苦しんでいることを知っていた者が、その当時いたでしょうか。 9 彼は罪人扱いを受け、金持ちの墓に葬られました。 しかし実際は、悪いことなど何一つしたわけでもなく、悪いことばを一度でも口にしたわけではありません。 10 彼を傷つけ、悲しみで押しつぶすのは、実は神様の計画だったのです。 罪が赦されるためのささげ物として、そのたましいをささげる時、彼は多くの子孫を見ることができます。 しかも彼は復活するので、神様の計画は彼の手によって陽の目を見ます。 11 彼は、自分のたましいが苦しみもだえた末、神様のみわざが実現するのを見て、すっかり満足します。 わたしの正しいしもべは、このような苦しみを経験して、多くの者を神様の前に無罪とする。 彼が人々の罪をいっさい負うからだ。 12 わたしは彼に、偉大な勝利者としての栄誉を与える。 彼は進んでいのちをささげたのだ。 彼は罪人の一人に数えられ、多くの者の罪を負い、罪人のために神にとりなした。