イザヤ書 64

1 ああ、神様が天を引き裂いて地上に降りて来られますように!山々は御前で、どんなに揺れ動くことでしょう。 2 すべてのものを焼き尽くすご栄光の火は、森林を灰にし、海を干上がらせるでしょう。 国々は御前で震えるでしょう。 その時になって、敵どもは、神様の名声が響き渡っている理由を肌で感じます。 3 私たちが夢にも考えていなかった恐ろしいことをなさるので、神様が来られるとき山々は胴震いするでしょう。 4 世界が始まって以来、私たちの神様のように、待ち望む者にすばらしいことをしてくださる方は、ほかにありません。 5 神様は、喜んで正しいことを行なう者、神様につき従う者を、大手を広げて迎えてくださいます。 ところが、私たちは神様を敬わず、一生罪を犯し続けています。 そのため、神様の怒りが重くのしかかっているのです。 このような者が、どうして救われるでしょう。 6 私たちはみな罪の毒に冒され、汚れきっています。 これこそ正義だという最上の着物をまとっても、悪臭を放つぼろきれにすぎません。 私たちは秋の木の葉のように色あせ、しおれて落ちます。 あえなく罪の風に吹き飛ばされるばかりです。 7 それでもなお、だれひとり神様の名を呼び、あわれみにすがろうとしません。 そこで神様も、私たちにそっぽを向き、罪に引き渡したのです。 8 しかし神様、それでもなお、神様は私たちの父です。 私たちは粘土で、神様は陶器師です。 私たちはみな御手によって造られました。 9 神様、どうか、そんなに怒らないでください。 私たちの罪を早く忘れてください。 どうか、私たちをご覧になり、神様の国民であることを心に留めてください。 10 神様のきよい町々は破壊されたままです。 エルサレムは住む者もいない荒れ地になっています。 11 先祖が神様を礼拝した、あの聖なる美しい神殿は焼け落ちました。 美しい物は何もかもこわされました。 12 神様、これでもなお、私たちを助けるのをしぶるのですか。 黙って眺めるだけで、なおも私たちを罰するのですか。

イザヤ書 65

1 神様はこう告げます。 わたしのことを聞きもしなかった国民が、今ではわたしを捜し出す。 以前はわたしを捜しもしなかった国民が、わたしを見いだす。 2 ところが、イスラエルはどうだ。 わたしが一日じゅう手を広げて招いているのに、まだ逆らっている。 自分の思いどおりに悪の道を歩き続けている。 3 至る所の庭園で偶像を拝み、家の屋上で香をたき、いつもわたしの顔にどろを塗っている。 4 夜は夜で、墓地や洞窟へ出かけて悪霊を拝み、豚や、その他の禁じられているものを食べる。 5 それでいて、人にはぬけぬけと、「そばへ来るな。 汚らわしい。 おれはおまえよりきよいんだぞ!」と言う。 彼らを見ると、わたしは息苦しくなる。 昼も夜も、わたしを怒らせるからだ。 6 さあ、これが、わたしの書いた声明文だ。 「わたしは黙っていない。 きっと報復する。 そうだ、まちがいなく報復する。」 7 彼らの罪だけではない。 先祖の罪にも報復する。 先祖たちも、山々の上で香をたき、丘の上でわたしを侮辱したからだ。 今こそ、いやと言うほどお返しする。 8 だが、全部を滅ぼすわけではない。 悪いぶどうの房に良いぶどうも混ざっていることだから、イスラエル人全員を滅ぼしはしない。 中には、心のきよい、わたしのしもべもいるのだ。 9 その残りの者を取っておき、イスラエルの地を与える。 わたしの選ぶ者がその地を受け継ぎ、そこでわたしに仕えるようになる。 10 わたしを尋ね求めた者のために、シャロンの平野は再び羊の群れで埋まり、アコルの谷は家畜の群れを飼う所となる。 11 だが、それ以外の連中には容赦しない。 彼らはわたしと神殿とを捨て、「運命」と「宿命」の神々を拝んできた。 12 だから、そのとおり剣に渡す「運命」に定めよう。 また、暗い「宿命」を負わせよう。 わたしが呼んだ時に答えず、わたしが語った時に聞こうとしなかったからだ。 そればかりか、わたしの目の前でわざと罪を犯し、よりによってわたしの大きらいなことをしてきた。 13 それで、神様は宣言なさいます。 おまえたちは飢えるが、わたしのしもべたちはたらふく食べる。 おまえたちはのどが渇くが、彼らはぞんぶんに飲む。 おまえたちは悲しみに沈み、恥をかくが、彼らはこおどりして喜ぶ。 14 おまえたちは、悲しみと苦しみと絶望の中で泣き叫ぶが、彼らはうれしさのあまり歌いだす。 15 おまえたちの名は、わたしの国民の間で、のろいの代名詞となる。 それは、神様があなたがたを殺し、本物の神のしもべを特別の名でお呼びになるからです。…

イザヤ書 66

1 天はわたしの王座、地はわたしの足台だ。 おまえたちにこれ以上の神殿を建てることができるか。 2 わたしはこの手で天と地を造った。 全部がわたしのものだ。 わたしはこのような偉大な者だが、謙そんになって深く罪を悔い、わたしのことばに恐れおののく者に目をかける。 3 だが、自分勝手な道を選び、罪にふける者はのろわれる。 そんな連中のささげ物を、わたしは絶対に受け入れない。 たとい牛を祭壇にささげても、生身の人間をささげた時のように、見向きもしない。 子羊や穀物をささげても、犬や豚の血を供えた時のように、顔をしかめる。 わたしに香をたいているつもりでも、偶像を拝んでいるのだとみなす。 4 わたしは彼らに、彼らが恐れているものを送る。 わたしが呼んだのに、答えようともせず、話しかけたのに、強情を張って聞こうともしなかったからだ。 それどころか、わたしの見ている前で悪いことをし、わたしが大きらいなことを、そうと知りながら、わざと行なった。 5 神を恐れる者は、神のことばを聞いておののけ。 おまえたちの同胞は、わたしに忠実だというだけで、おまえたちを憎み、村八分にする。 「神様に栄光があるように。 主を信じて、せいぜいお幸せに」と、彼らはあざける。 だが、そう言う彼らが赤恥をかくようになる。 6 町が騒ぎ立っています。 いったいどうしたというのでしょう。 神殿から聞こえてくる、あのすさまじい物音は何でしょう。 あれは、神様が敵に報復している音です。 7-8 こんなに不思議なことを見聞きした者が、いるでしょうか。 まだ陣痛が起こりもしないのに、たった一日で、突然、イスラエルの国が産み落とされたというのです。 産みの苦しみが始まるとすぐ、一瞬のうちに、赤ん坊が生まれ、国家が出現するのです。 9 「わたしは産み出す寸前になってこれを産まず、放っておくだろうか」と、あなたがたの神様である主は問いかけます。 そんなことは、天地がひっくり返っても、あろうはずがありません。 10 エルサレムを愛し、そのために嘆いてきた者よ、エルサレムといっしょに喜び、楽しめ。 11 エルサレムをこの上もない喜びとせよ。 赤ん坊が母親の豊かな乳房を吸うように、エルサレムの栄光を堪能するまで飲め。 12 神様は告げます。 繁栄が川のようにエルサレムにみなぎりあふれる。 わたしが必ずそのようにする。 外国の富はこの都に流れ込む。 子供たちはエルサレムの乳房を吸い、わきに抱かれ、ひざの上であやされる。 13 わたしはその都で、幼児が母親に慰められるように、おまえたちを慰める。 14 おまえたちはエルサレムを見て心を躍らせる。 おまえたちは、はち切れんばかりの健康体になる。 世界中の人が、神の国民に加えられたわたしの恵み深い手と、敵に向けられたわたしの憤りとを見る。 15 神様は怒りをぶちまけ、激しく責めたてるために、火に包まれ、すべてのものを破壊する速い戦車に乗って来ます。 16 火と剣で、この世の人々を罰するのです。 神様に殺される人は、なんと多いことでしょう。…

エレミヤ書 1

1 ここに書いてあるのは、ユダのベニヤミンの地のアナトテという町に住んでいた祭司、ヒルキヤの子エレミヤへの神様のお告げです。 2 アモンの子でユダ王朝のヨシヤ王の治世第十三年に、最初のお告げがありました。 3 そののち、ヨシヤの子でユダ王朝のエホヤキム王の時代など、ヨシヤの子でユダ王朝のゼデキヤ王の治世第十一年の七月にエルサレムが陥落して、住民が奴隷として連れ去られるまで、数回にわたってお告げがありました。 4 神様は私に、こうお語りになりました。 5 「おまえが母の胎内に宿る前から、おまえを知っていた。 おまえが生まれる前から、おまえをわたしのものとして取っておき、国々へのわたしの代弁者に任命していた。」 6 「神様、とんでもないことです。 そんなことができるはずはありません。 何と言っても若すぎます。 まだほんの青二才ですから。」 7 「そんな言い方をするものではない。 おまえは、わたしの送り出す所はどこへでも行き、命じることはどんなことでも語るようになるのだ。 8 人を恐れてはいけない。 主であるこのわたしがついていて、どんな時にも面倒を見てやる。」 9 こう言ってから、神様は私の口にさわりました。 「さあ、わたしのことばをおまえの口に入れた。 10 きょうから、世界の国々に警告するおまえの仕事が始まる。 おまえの口から語られるわたしのことばどおりに、わたしはある国を引き倒し、あるいは滅ぼし、ある国は起こし、育て、大国にする。」 11 それから、こうお尋ねになりました。 「エレミヤよ、何が見えるかね。」 「アーモンドの枝でできたむちが見えます。」 12 「よくわかったな。 そのむちは、わたしが必ず恐ろしい罰を下すというしるしだ。 13 さあ、今度は何が見えるかね。」 「煮立っているなべが、南の方に傾き、ユダの上に煮え湯がこぼれているのが見えます。」 14 「そのとおり。 北からの恐怖が、この地の全住民に降りかかる。…

エレミヤ書 2

1 神様は再び、私にお語りになりました。 2 さあ、出かけて行って、エルサレムの町の通りで、次のように大声で語れ。 わたしは、ずっと昔、おまえがまだ若い花嫁だったころ、わたしを喜ばせようとしてどんなに尽くしてくれたか、また、わたしを愛し、一本の草木も生えていない砂漠でさえも、わたしについて来てくれたことを覚えている。 3 そのころ、イスラエルはきよい民、わたしの初子だった。 これに害を加える者はだれでも犯罪人とみなされ、これに触れる者には大きな災いが降りかかったものだ。 4-5 ああ、イスラエルよ。 おまえの先祖は、どうしてわたしを置き去りにしたのか。 わたしのどこが、いけなかったのか。 わたしに背き、偶像を拝むなど、全くばかげている。 6 彼らは、自分たちをエジプトから無事に連れ出し、だれも住まず、足も踏み入れない砂漠と岩の地、乾ききった死の地である荒野を導きとおしたのが、主であるこのわたしであったことに、目をつぶっている。 7 わたしは彼らを、実り豊かな地に連れて入り、そこの祝福をぞんぶんに味わわせた。 ところが、彼らはそこを罪と腐敗の地に変え、わたしの相続地を汚した。 8 祭司でさえ、神のことなどそっちのけにし、裁判官もわたしを無視した。 指導者連中はわたしに盾をつき、預言者はバアルを拝み、くだらないことで時間をつぶした。 9 だが、まだおまえたちをあきらめたわけではない。 わたしに立ち返るようにと、根気よく、何度でも説得する。 のちのちの子孫の時代になっても、同じようにする。 10-11 あたりを見回して、たとい少しも価値がないものであったにせよ、昔からいた神々を、新しい神々と取り替えた国があったか、調べてみよ。 西にあるキプロスに使いを出し、東にあるケダルの砂漠に人をやり、こんなおかしなことを今までに聞いたことがあるかどうか、調べさせてみよ。 ところがわたしの国民は、栄光に輝く神を捨て、代わりに役立たずの偶像を取り入れた。 12 天はこれを知ってショックを受け、恐怖に身をすくめる。 13 わたしの国民は二つの悪事を重ねたのだ。 まず、いのちの水の泉であるわたしに見切りをつけ、次に、水をためることもできない、こわれた水ためを作った。 14 イスラエルは、どうして奴隷の国になり下がったのか。 どうして捕虜となり、遠い国へ連れて行かれたのか。 15 わたしには、エルサレムに向かって進んで来る大軍が見える。 彼らは天にも届くような大声をあげてエルサレムを破壊し、焼き払い、人の住まない荒れ地とする。 16 わたしには、エルサレムへ攻め上ろうとしているエジプトの軍隊も見える。 メンピスとタフパヌヘスの町々から行軍して来て、イスラエルの栄光と力を踏みにじろうとしている。 17 こうなったのは、神であるわたしがおまえを導き、行くべき道を示そうとしたのに、おまえが反抗したからだ。…

エレミヤ書 3

1 ある人が妻を離縁し、彼女が再婚した場合、再び彼女を妻にすることはできない、という法律がある。 彼女は汚れた者となっているからだ。 だが、おまえたちは、わたしを置き去りにして幾人もの恋人と結婚しておきながら、あつかましくも、またわたしのもとへ帰ると言っている。 2 ほかの神々を拝むという姦淫の罪で汚れていない所は、国中どこにもない。 おまえたちは売春婦のように道ばたに座り込み、相手が来るのを待っている。 砂漠のベドウィン人のように、たった一人で座っている。 おまえたちは、赦しがたい淫行の罪で地を汚してしまった。 3 今は春の雨も降らなくなった。 それというのも、おまえたちが恥知らずの売春婦だからだ。 4-5 それでもなお、おまえたちは臆面もなく言う。 「神様。 あなたは、これまでずっと私の夫でした。 だから、こんな小さなことでお怒りになるはずはありません。 私の罪など、きれいさっぱり忘れてくださるはずです。」 こう言って、相も変わらず、ありとあらゆる悪事を積み重ねている。 6 ヨシヤ王の時代に、私に次のような神様のお告げがありました。 おまえは、イスラエルのしていることを見たか。 ほかの男に体を許すみだらな妻のように、イスラエルはすべての丘の、すべての木の下で、ほかの神々を拝んできた。 7 いつかはわたしのもとへ帰り、わたしのものになってくれると思っていたのに、とうとう帰って来なかった。 しかも、不真実な妹のユダも、イスラエルがのべつ神に逆らっているのを見た。 8 ユダのほうは、わたしが背信のイスラエルを離縁したのを見ていながら、少しも気にかけなかった。 それどころか、自分でもわたしを置き去りにして、淫行に身を委ねてしまった。彼女もまた、ほかの神々を拝んだのだ。 9 しかも、彼女にとって、木や石で作った偶像を拝むことは、三度の食事をとるように簡単なことだった。 そのため、国中がひどく汚れた。 10 あとになって、この背信の女は、涼しい顔をしてわたしのところへ帰って来た。 彼女の悲しみはただの演技だったのだ。 11 事実、背信のイスラエルのほうが裏切り者のユダより、いくらかはましだ。 12 だから、出かけて行って、イスラエルにこう言え。 ああ、罪深いわたしの国民イスラエルよ、もう一度、わたしのもとへ帰って来るがよい。 わたしはあわれみ深い。 いつまでも怒っているわけではない。 13 ただ、罪を認めよ。 神であるわたしに逆らい、すべての木の下で偶像を拝み、わたしに姦淫の罪を犯したことを認めよ。 わたしに従おうとしなかったことを告白せよ。 14 ああ、罪深い子らよ、帰って来い。 おまえたちの主人であるわたしは、ここから一人、あそこから二人とおまえたちを集め、再びイスラエルの地に連れ戻す。 15 また、わたしの心にかなった指導者を与える。 彼は知恵と知識をもって、おまえたちを導く。 16…

エレミヤ書 4

1 イスラエルよ、本気でわたしのもとへ帰りたければ、偶像を未練もなく捨てよ。 2 もしおまえが、生ける神であるわたしによってだけ誓い、誠実できよく正しい生活を始めるなら、おまえは世界の国々へのあかしとなる。 こうして、諸国民はわたしのもとへ来て、わたしの名をあがめるようになる。 3 神様はユダとエルサレムの人たちに、こう告げます。 固くなったおまえたちの心を耕せ。 そうでないと、良い種がいばらにふさがれて、だめになる。 4 体だけでなく、心と思いもきよめよ。 そうでないと、おまえたちの罪のためにわたしの憤りが爆発し、おまえたちを黒こげにしてしまう。 だれ一人、その火を消すことはできない。 5 エルサレムとユダに向かって叫べ。 国中に響くように警報を鳴らせと言え。 「いのちが危ないから、走って逃げるのだ。 要塞で固めた町へ逃げ込め。」 6 エルサレムから合図を送れ。 「すぐ、逃げ出せ。 ぐずぐずするな。」 神であるわたしが、北から、途方もなく大きな破滅をもたらそうとしているからだ。 7 ライオンのように国々を滅ぼす者が住みかから出て来て、おまえたちの国へ向かっている。 町々は住む者もなく、廃墟となる。 8 喪服を着て、胸も張り裂けんばかりに泣きなさい。 神様の激しい怒りが、まだ私たちから去らないからです。 9 「その日には、王や指導者は恐ろしさで震え、祭司と預言者は恐怖に顔をこわばらせる」と、神様は言います。 10 そこで、私は申し上げました。 「ですが神様。 国民は、あなたのおことばにだまされました。 確か、エルサレムに大きな祝福がくるとのお約束だったのに、今になっても剣が住民に突きつけられています。」 11-12 その時、神様は砂漠から、すさまじい勢いで吹きまくる熱風を送ります。 こうして、滅亡の時がきたことを宣告なさるのです。 13 敵は嵐のように襲いかかります。 その戦車は龍巻のようで、その馬はわしよりも速く走ります。 ついに滅亡の時がきたのです。 ああ、なんという大きな災いでしょう。 14 エルサレムよ、手遅れにならないうちに心をきよめなさい。 今ならまだ、悪い思いを捨てれば、救われます。 15 ダンから、エフライムの山から、あなたの滅びが言い渡されました。 16 ほかの国々に知らせてやりなさい。 遠い国から敵が来て、喊声をあげながらエルサレムとユダの町々に向かって来ます。…

エレミヤ書 5

1 エルサレム中の通りを駆け巡れ。 高い所も低い所も捜して、正直で公平を愛している者が一人でもいるかどうか、調べてみよ。 あらゆる広場を捜して、そのような者がただの一人でもいたら、わたしはこの都を滅ぼさない。 2 彼らは、誓いを立てる時でも嘘をつく。 3 神様。 あなたは真実以外のものを受けつけません。 神様は罰を加えて、彼らが正直になることを期待したのに、少しも変わりませんでした。 彼らを打ったのに、罪から離れようともしませんでした。彼らは、顔を岩のように堅くし、どんなことがあっても悔い改めまいと決心しています。 4 私は思いました。 「無知で哀れな者に、いったい何を期待できよう。 神の道を知らないのだから、神様に従うことなどできない相談だ」と。 5 今度は、身分の高い人のところへ行って話してみよう。 指導者なら、神の道に通じ、罪を犯せばさばきが来ることを知っているだろうから。 ところが彼らも、神様に真っ向から反対していたのです。 6 だからこそ、わたしは怒って、彼らに「森のライオン」を送る。「砂漠の狼」は彼らに襲いかかり、「ひょう」が町々の回りをうろつくので、町から一歩でも外に出たら引き裂かれる。 彼らの罪は数えられないほど多く、わたしへの背信は、はなはだしいからだ。 7 これでは、どうして赦すことができようか。 おまえたちの子供でさえ、わたしに背き、神とは似ても似つかぬものを拝んでいる。 彼らが満腹になるまで食べさせてやったのに、そのお返しと言えば、これ見よがしに姦淫の罪を犯し、町の売春宿に押しかけることだった。 8 彼らは丸々と太った、さかりのついた馬で、隣の妻を慕っていななく。 9 このようなことを、わたしが罰しないでおくだろうか。 このような国に、報復せずにおくだろうか。 10 ぶどう園へ行き、手あたり次第にぶどうの木を引っこ抜け。 だが、ごくわずかの木は残しておけ。 枝を切り落とせ。 神のものでないからだ。 11 イスラエルとユダの国民は、わたしを踏みつけたと、神様は言います。 12 彼らは平気で嘘をつきました。 「神様がわれわれに手を出すはずはない。 災いが降りかかるはずはない。 ききんも戦争も、あるものか。 13 預言者なんぞは、ことばはいっぱい詰まっているが権威も何もない風の袋だ。 連中の言う滅びのご託宣は、われわれにではなく、自分自身に下るのさ。」 14 彼らがこのように言ったので、天の軍勢の主は、ご自分の預言者たちに、こう告げます。 わたしは、おまえたちのことばを燃える火とし、彼らを火のついたたきぎのように焼き尽くす。 15 ああ、イスラエルよ。 わたしは遠い国の民を連れて来て、おまえを攻めさせる。それは大昔からある強大な国〔古バビロニヤ帝国〕で、おまえには彼らの話すことばが通じない。…

エレミヤ書 6

1 ベニヤミンの部族よ、走って逃げなさい。 エルサレムから逃げ出しなさい。 それしか助かる道はありません。 テコアで警報を鳴らし、ベテ・ハケレムでのろしを上げなさい。 北方の強力な軍隊が、この国を滅ぼそうとして攻めて来たことを、すべての人に知らせなさい。 2 あなたがたはおとめのように美しく、きゃしゃであり、しかも滅びる運命にあります。 3 悪い羊飼いたちが、あなたがたを取り囲みます。 彼らは都の回りにテントを張り、自分たちの羊の群れのために牧場を没収します。 4 彼らが戦いの準備をしている様子を見なさい。 戦いは正午に始まり、午後いっぱい、夕方まで続きます。 5 彼らは言います。 「さあ、夜襲をしかけて、宮殿をこわそう。」 6 実は、天の軍勢の主が、彼らにこう命じたのです。 木を切って、城壁を突きくずす槌を作り、それでエルサレムの城壁をくずすのだ。この都は悪に悪を重ねたので、もはや罰を免れることはできない。 7 泉のように悪を吹き出し、通りには暴虐の声が響く。 この町の病気と打ち傷は、いつもわたしの前にある。 8 エルサレムよ、これが最後の警告だ。 わたしの言うことを聞かないと、この町にだれも住まないようにする。 9 災難に次ぐ災難が襲い、イスラエルに残っているわずかな者さえ、再び刈り取られてしまう。 こう天の軍勢の主が告げます。 ぶどうの実を摘む者が、摘み残しはないかと一本一本調べて回るように、わたしの国民の残りの者は、もう一度滅ぼされる運命にある。 10 ところが、だれもわたしの警告に耳を傾けない。 彼らの耳はふさがれていて、聞こうともしない。 わたしのことばは彼らのしゃくにさわり、好ましくないものとなった。 11 彼らへの憤りがわたしのうちにあふれた。 それに耐えるのに疲れ果てた。 わたしは憤りを、エルサレムにぶちまける。 路上で遊んでいる子供にも、若い人の集まりにも、夫や妻や祖父母にも、ぶちまける。 12 敵が彼らの家に住み、畑や妻を横取りする。 わたしがこの国民を罰するからだ。 13 彼らは、最も身分の低い者から最も高い者まで、詐欺師の大うそつきだ。 預言者や祭司までが、一つ穴のむじなだ。 14 傷などどこにもない、と言ったからとて、傷が治るわけではない。 戦争で上を下への大騒ぎだというのに、平和だと言いはる。 15 わたしの国民は、偶像を拝んで、恥ずかしいと思っただろうか。 とんでもない。 顔を赤らめさえしなかった。 それで、彼らは死人の間に転がり、わたしの憤りの下敷きになって死ぬ。…

エレミヤ書 7

1 神様はエレミヤに、次のようにお語りになりました。 2 神殿の入口へ行き、そこで人々にこう言え。 神のお告げを聞け。 ここで礼拝している者はみな、耳を傾けよ。 3 天の軍勢の主であるイスラエルの神は、こう言う。 今からでも遅くはない。 悪の道を離れさえすれば、おまえたちを国におらせよう。 4 神殿がここにあるのだから、神はエルサレムが破壊されるのを黙って見ているはずはない、と言う者たちのことばにだまされるな。 5 次の条件を満たした時にだけ、ここにいることができる。 悪い思いと行ないを捨て、人には公平であり、 6 みなしご、やもめ、それに外国人を食い物にしないこと。 人殺しをやめること。 今のように、偶像を拝んで自分を傷つけるような、ばかなまねはしないこと。 7 以上の条件にかなった時にだけ、おまえたちの先祖に永遠の相続地として与えたこの地に住める。 8 神殿がここにあるから災いに会うはずはない、と考えているのか。自分をあざむいてはならない。 9 おまえたちは、平気で盗み、人を殺し、姦淫の罪を犯し、うそをつき、バアルをはじめ新しい神々を拝んでいる。 10 しかもここに来て、わたしの宮に入ってわたしの前に立ち、「われわれは救われています」と言い、再び悪事をくり返すことができると、本気で考えているのか。 11 わたしの宮は強盗の巣か? ありとあらゆる悪がはびこって、目もあてられない。 12 わたしが初め、わたしの名にふさわしい町としたシロへ行き、そこで、イスラエル人の悪のために、わたしがどんなことをしたかをよく見て来い。 13-14 おまえたちの行なったもろもろの悪事のために、ここでも同じことをする。 わたしは何度も語りかけ、しきりに呼び続けたのに、おまえたちは聞こうともせず、答えようともしなかった。だから、シロでしたように、この神殿をこわす。 おまえたちの心の拠り所である、わたしの名で呼ばれるこの神殿、おまえたちと先祖に与えたこの場所をだ。 15 しかもおまえたちを、おまえたちの兄弟エフライム人(北のイスラエル王国)のように、捕虜として外国に追い払う。 16 エレミヤよ、二度とこの国民のために祈ってはならない。 彼らのために泣くことも、彼らを助けるようにと、わたしに祈ったり、哀願したりすることもならない。 わたしは耳をふさぐからだ。…