ナホム書 3

1 流血の町、偽りに満ち、分捕り物で腹を満たした町ニネベは、のろわれよ。 2 聞け、むちの音を。 戦車がニネベに向かって進んで来る。 車輪とひづめの音を響かせて、荒々しく通りを走り抜けて行く。 ああ、その音のすさまじいことよ。 3 騎兵が高々と振りかざす剣と槍が、きらめいている。 死人が通りに転がっている。 どこもかしこも死体、死体、死体の山だ。 人々はそれにつまずいて足がもつれ、どっと倒れる。 4 こうなったのもみな、ニネベが神様に敵対したからだ。 見た目には美しいが不誠実な町は、魅惑の女王のように、その美しさで国々を惑わし、偽りの神々を拝めとそそのかした。 5 天の軍勢の主はこうお語りになる。 「わたしがおまえに立ち向かうのは、当然のことだ。 今、おまえを裸にして、全世界におまえの恥をさらしてやる。 6 おまえに汚物をかけ、おまえが実際どんなに卑しい者であるか、全世界に見せてやる。」 7 おまえを見る者はみな、恐れてしりごみする。 「ニネベは完全に廃墟と化してしまった」と。 それなのに、おまえの運命を悲しむ者など、どこにもいない。 8 おまえは、ナイル川の両岸にまたがり、四方を川で守られていたテーベ〔アッシリヤに征服された、エジプトの町〕よりも堅固だろうか。 9 エチオピヤとエジプト全土はテーベの力強い味方で、テーベはプテとリビヤのように、彼らからどんな援助でも求めることができた。 10 それでもテーベは陥落し、その住民は奴隷となって連れて行かれたのだ。 赤ん坊は、道路の石にたたきつけられるようにして殺された。高官たちも、くじ引きで兵士たちの奴隷にされた。 指導者はみな鎖につながれた。 11 ニネベも、酔っぱらいのようにふらつき、おびえて身を隠すようになる。 12 すべての要塞が陥落する。 木をゆすぶる人の口の中に落ちた、初なりのいちじくのように、食べられてしまう。 13 おまえの軍隊は女のように弱くて、頼りにならない。 国のすべての門は敵に広く開け放たれ、火で焼かれてしまう。 14 さあ、籠城に備えよ。 水をたくわえよ。 要塞を強固にせよ。 城壁を修理するために、れんがをたくさん用意せよ。 洞窟の中で粘土をこね、型につめるのだ。 15 しかし、その準備が終わらないうちに、火がおまえを焼き尽くす。剣がおまえを切り倒す。 食欲旺盛ないなごが、前にある物を手あたりしだい平らげてしまうように、敵がおまえを食い尽くす。 おまえはばったのように増え広がるが、滅びを逃れることはできない。…

ハバクク書 1

1 これは、幻のうちに、神様から預言者ハバククに示されたお告げです。 2 神様、助けを求める私の祈りに、いつになったら耳を傾けてくださるのですか。 何のお答えもないので、私はむなしく叫ぶばかりです。 「助けてくれ、人殺しだ」といくら叫んでも、だれも助けに来てくれません。 3 私を取り囲んでいる罪と悲惨を、いつまで見続けなければならないのですか。 どこもかしこも不正な権力と金力がはびこり、人は好んで議論や争いにふけっています。 4 法は無視され、法廷では正しい裁きが行なわれません。 悪人が正しい人の上にのさばり、贈賄や詐欺が公然と行なわれているからです。 5 神様はお答えになりました。 「よく見ろ。 わたしが今しようとしていることを知ったら、おまえは肝をつぶすだろう。 それは、おまえが生きているうちに起こる。 聞いただけでは、とても信じられないようなことだ。 6 地上の新しい勢力として、カルデヤ人〔アッシリヤに対抗してバビロニヤ帝国を築いた民族〕を起こす。 残忍で横暴なこの国民は、世界を踏みにじり、次々と征服する。 7 その残酷さは世に鳴り響く。 彼らは、やりたいほうだいのことをするが、だれも止めることができない。 8 その馬は豹よりすばやく、国民の狂暴さは日暮れの狼もかなわないほどだ。 騎兵は、鷲が急降下して獲物に飛びかかるように、はるかかなたから得々と突き進んで来る。 9 刃向かおうとした者もみな、その姿を見るなり、おびえて戦う気力を失う。 まるで砂でも集めるように、彼らは捕虜を集める。 10 彼らは王や王子をあざけり、要塞をも鼻であしらう。 城壁に向かっていとも簡単に土を積み上げ、それを占領してしまう。 11 風のようにさーっと襲い、すばやく引き揚げて行く。 だが、彼らの罪はとてつもなく重い。 その力は自分たちの神々から与えられた、と言いはるからだ。」 12 ああ、私の神様、聖なる永遠のお方よ。 私たちを地上から抹殺するために、このような計画をお立てになったのですか。 断じて違います。 ああ、私たちの岩である神様。 神様は、恐ろしい罪を犯した私たちを懲らしめ、正しい者にしようとして、カルデヤ人を起こされたのです。 13 私たちは確かに悪いのですが、彼らはもっと悪いのです。 どんな罪をも見のがさない神様は、私たちがのみ込まれてしまうのを、ただそばに突っ立って、見ておられるのですか。 極悪人どもが、彼らよりましな者を痛めつけるのを、黙って見過ごされるのですか。 14 私たちは、捕らえられて殺される魚にすぎないのですか。 敵から守ってくれる指導者がいないので、おずおずとはい回る虫けらにすぎないのですか。 15…

ハバクク書 2

1 見張り台に登り、神様が私の訴えにどう答えてくださるかを見ていると、 2 神様はこうお語りになりました。 「板に、わたしの答えを書き記せ。 それを見る者がひと目でわかり、ほかの者にすぐ伝えられるように、大きな字で、はっきり書け。 3 だが、わたしがしようとしていることは、今すぐには起こらない。 ゆっくりと、少しずつ、しかも確実に、実行に移される。 遅いように思えても、失望するな。 必ず計画どおりになるのだ。 忍耐して待て。 ただの一日も、遅れることはない。 4 さあ、今から言うことをしっかり頭にたたき込め。 〔カルデヤ人がそうするように〕、悪者は自分だけを信頼し、ついには滅びる。 だが正しい人は、わたしに信頼することによって生きる。 5 おごり高ぶったカルデヤ人は、自分たちのぶどう酒によって裏切られる。 ぶどう酒は人を欺くものだからだ。 彼らは貪欲で、まるで死や地獄のように、多くの国を自分のもとにかき集めても、なお飽き足らない。 6 捕らえられた者たちが、そういう彼らを物笑いの種にする時がくる。 『強盗ども。 とうとう年貢の納め時がきたな。 人を苦しめたり、かすめたりした当然の報いを受けろ!』 7 突然、おまえが借金していた者たちが、怒り狂って刃向かい、おまえの持ち物を奪い取る。 その時、おまえはなすすべもなく立ち尽くし、ただ震えている。 8 おまえは多くの国を滅ぼした。 今度は、彼らがおまえを滅ぼす番だ。 人殺し。 おまえは、すべての町も田舎も、めちゃめちゃにしてしまった。 9 不正な手段で富を得ながら、自分だけは災いから逃れようとしている。 そういうおまえは、のろわれよ! 10 自分が犯した殺人の罪で、自分の名をはずかしめ、いのちまで失うのだ。 11 まさに、おまえの家の石壁が、おまえを訴えている。 天井の梁までが、それに同調している。 12 流血と強奪で得た財貨で、町を築き上げようとしている。 そういうおまえは、のろわれよ! 13 わたしは、神に逆らう国民の利益を、彼らの手の中で灰にする。 彼らがどんなに精を出しても、すべてが水の泡だ。 14 海が水で満たされているように、全世界が神の栄光を知ることで満たされる時がくる。 15 まるで酔っぱらいをこづくように、近隣の国々をよろめかせ、その裸の姿を眺めて、楽しもうとしている。 そういうおまえは、のろわれよ。…

ハバクク書 3

1 これは、ハバククが神様の前で歌い上げた、勝利の祈りです。 2 神様。 今、私は、神様の評判を聞きました。 神様が行なおうとしておられる恐るべきことを知り、恐れをもって御前にひれ伏しています。 この困難な時代に直面している私たちを、以前のように助けてください。 神様の御力を示してください。 御怒りの中にも、あわれみを忘れないでください。 3 見なさい。 神様がシナイ山から砂漠を横切って来られます。 神様の輝きが天地に満ちています。 栄光は天に満ち、神様への賛美が地にあふれています。 神様は、なんとすばらしいお方でしょう。 4 御手からは、まばゆいばかりの光が放たれます。 神様は恐るべき御力を秘めておられます。 5 ペスト菌が神様の前を進み、あとから、恐ろしい伝染病がぴったりとつき従います。 6 神様はしばらくの間じっと立ち止まり、地上を見渡しておられます。 やがて国々を揺り動かし、今まで、びくともしないように見えた山々を打ち砕き、丘を平らになさるのです。 御力は変わることがありません。 7 見なさい。 クシャンとミデヤンの人々は、恐れおののいています。 8-9 神様、川を打ち、海の水を左右に分けたのは、お怒りになったからですか。 それとも、川や海に不満をいだかれたからですか。 とんでもありません。 神様は救いの戦車を遣わされたのです。 すべての人が、はっきり御力を見たのです。 その時、神様がお命じになると、泉がわき出ました。 10 山々はそれを見て、震え上がりました。 激流がどっと押し寄せ、底知れぬ深い淵が降伏の叫びをあげました。 11 得意満面だった太陽や月も色を失い、神様の矢から発する輝きと、きらりと光る槍のひらめきとで、すっかりぼやけてしまいます。 12 神様は憤りに燃えて地を行き巡り、御怒りで国々を踏みつけてしまわれました。 13 ご自分が選んだ民を救うために出て来て、悪者どもの頭をたたき割り、頭のてっぺんから足のつま先まで、その骨をさらしものになさいました。 14 イスラエルなど物の数ではないと、つむじ風のように押し寄せて来た者たちも、自らの武器で滅ぼされてしまいました。 15 神様の騎手たちは、海を渡って行進しました。 さかまく海は、せき止められたように高くもり上がったのです。 16 これを聞いて、私は震え上がり、歯ががくがくしています。 足もとがふらつき、ぶるぶる震えています。 それでも、私たちを襲った者たちに苦しみが襲いかかる日を、静かに待ちましょう。…

ゼパニヤ書 1

1 これは、ユダの王、アモンの子ヨシヤの治世に、神様からクシの子ゼパニヤに示されたお告げです。 クシはゲダルヤの子、ゲダルヤはアマルヤの子、アマルヤはヒゼキヤの子です。 2 神様はこうお語りになる。 「わたしは、地にあるものを一掃し、徹底的に滅ぼす。 3 人も動物もだ。 悪者は滅び、人はみな消え去る。 空の鳥も海の魚も死に絶える。 4 こぶしでユダとエルサレムを打ち砕き、まだ生き残っているバアル神の礼拝者を断ち滅ぼす。 偶像に仕える祭司を抹殺し、彼らの記憶を完全に消し去ってしまおう。 5 彼らは屋上で、太陽や月や星を拝んでいる。『神様に従っている』と言いながら、モレク神をも拝んでいる。 わたしは、そんな彼らを滅ぼす。 6 以前はわたしを礼拝していたのに、今は拝んでいない者や、わたしを愛したことも、愛そうと思ったこともない者を、断ち滅ぼす。」 7 静まって、神様の前に立て。 恐ろしい審判の日がくるからだ。神様はご自分の国民を虐殺する手はずを整え、死刑執行人を選んでおられる。 8 「審判の日に、わたしは、ユダの指導者と王子たち、それに異教の服を着た者をすべて罰する。 9 よいか、異教の習慣に従う者や、盗みや人殺しをほしいままにして、主人の家を暴力や詐欺の悪徳で満たす者を罰する。 10 警告の叫びが、エルサレムの中心から遠く離れた門からあがり、だんだん近づいて来る。 ついに、攻め寄せる軍勢の叫びが、町が建っている丘のてっぺんまで響き渡る。 11 エルサレムの住民よ、泣き悲しめ。 町の貪欲な商人、強欲な高利貸しは、一人残らず死ぬのだ。 12 わたしは、ともしびをかざして、エルサレムの暗いすみずみまで捜し回る。 罪にどっぷりつかりきり、神は自分たちをそっとしておいてくれると考え、関心を示さない者どもを見つけ出して、罰するのだ。 13 彼らの財産は奪われ、家は荒らされる。 彼らは自分が建てた新しい家に住むことができず、自分が植えたぶどう畑のぶどう酒を飲むこともできない。」 14 「その恐るべき日は近い。 急ぎ足でやって来る。 その日には、勇士たちも泣きくずれる。 15 それは神の怒りがぶちまけられる日、恐ろしい苦悩と苦痛の日、崩壊と滅亡の日、暗やみと陰鬱、暗雲と暗黒の日だ。…

ゼパニヤ書 2

1 さあ、集まって祈れ、恥知らずの国民よ。 2 審判が始まるまで、まだ時間がある。 残された機会はわずかだ。 もみがらのように吹き飛んでしまう。 さあ、神様の激しい怒りが襲いかからないうちに。恐るべき神様の怒りの日が臨まないうちに。 3 謙そんに神様のおきてに従おうとしている者たちよ、さあ、神様に助けを請え。 謙そんになって、正しいことをせよ。 そうすれば、その運命の日に、守っていただけるかもしれない。 4 ガザ、アシュケロン、アシュドデ、エクロン、これらのペリシテ人の町も、根こそぎにされ、荒れ果てたままにされる。 5 地中海沿岸とカナンの地に住むペリシテ人は、のろわれよ。 審判はおまえたちにも向けられているからだ。 神様はおまえたちを、一人残らず滅ぼしてしまわれる。 6 海岸地帯は牧草地となり、羊飼いがテントを張り、羊がたわむれるようになる。 7 そこでは、わずかに生き残ったユダ部族が、家畜を放牧する。 彼らは、住む者もなくなったアシュケロンの家に、身を横たえて休む。神様が、ご自分の国民を親しく訪れ、元どおり繁栄させてくださるからだ。 8-9 イスラエルの神様である、天の軍勢の主はお語りになる。 「わたしは、モアブ人とアモン人がわたしの国民をあざけり、この地を侵略したことを知っている。 わたしは生きている。 モアブもアモンも、ソドムとゴモラのように滅ぼされ、とげのあるいら草が茂る所、塩の穴、永久に人の住まない地となる。 生き残ったわたしの国民が、そこを奪って、自分のものにする。」 10 彼らは思い上がり、全世界を支配する神様の国民をあざけったので、報いを受けるのだ。 11 神様は彼らをひどい目に会わせ、世界の列強の神々をことごとく餓死させる。 全世界の人々はみな、自分の住む地で、神様を礼拝するようになる。 12 エチオピヤ人よ。 おまえたちも神様の剣で切り倒される。 13 北の地も同様だ。 神様はアッシリヤを滅ぼし、その壮大な首都ニネベ〔周囲百キロの大城郭都市だったが、完全に破壊された〕を、荒野のような不毛の地にする。 14 あの隆盛を誇っていた町が、羊の牧草地となり、あらゆる野獣が住みつくようになるのだ。 針ねずみは巣穴を掘り、はげたかやふくろうは宮殿の廃墟に住み、破れた窓で鳴いている。 からすは扉のところで鳴いている。 高価な杉の羽目板も、風雨にさらされたままだ。 15 これが、「世界中で、これほどすばらしい都市はない」と言って、安らかに暮らしていた、あの繁栄をきわめた大都会の運命だ。 さあ、見よ。 その大都会が荒れ果て、動物の住みかとなってしまった。 そこを通る者はみなあざけり、とても信じられないといった顔で首を振る。

ゼパニヤ書 3

1 ああ、罪と汚れに満ちたエルサレム。 ああ、暴力と犯罪の町。 2 おごり高ぶって、神様の声に耳を貸そうとしない。 だれが忠告してもむだだ。 あらゆる懲らしめを拒んでいるからだ。 神様に信頼せず、求めようともしないのだ。 3 指導者は、獲物を求めてほえたけるライオンのようだ。 手に入れることができるなら、たとい何であっても出かけて行く。 裁判官は、まるで日暮れの飢えた狼のようだ。 明け方には、もう食い尽くして、なに食わぬ顔をしている。 4 預言者はうそつきで、自分の利得しか考えない。 祭司は神様のおきてに背いて、神殿を汚している。 5 しかし、神様はそんな町におられても、不正を行なわない。 日に日に神様の正しさが明らかになる。 ところが、だれ一人そのことを気にも留めない。 全く恥知らずな悪人どもだ。 6 「わたしは多くの国を切り捨て、その全領地を荒廃させた。 通りは荒れ果てて静まり返り、町には住む人もない。 昔の繁栄をしのばせるものは何もない。 7 わたしは思った。 『今度こそ、彼らはわたしの言うことを聞くだろう。 わたしの警告に耳を傾けるから、二度と、懲らしめることもあるまい』と。 ところが、そうではなかった。 どんなに罰しても、朝から晩まで、いや夕方から明け方まで、悪事を犯し続けている。」 8 それでも、神様はこうお語りになる。「もう少しのがまんだ。 悪に染まった国々の罪を告発するために、わたしが立ち上がる時が、すぐに来る。 わたしは地上の国々を一つに集め、激しい怒りと憤りを下すことにしている。 全地は、わたしのねたみの炎で焼き尽くされてしまう。 9 その時、諸国民はきよいことを語り、全員が共に神を礼拝するようになる。 10 エチオピヤの川のはるか向こうに住んでいる人々も、贈り物を携えて来て、もう一度彼らの神になってくれるよう、わたしに願い出る。 11 その時おまえたちは、もうわたしに反逆しないので、恥じ入ることもない。 おまえたちの中から、高ぶっている横柄な連中を取り除く。 わたしの聖なる山には、おごり高ぶる者は一人もいなくなる。 12 生き残った人々は、心から謙そんになって、わたしの名に信頼する。 13 罪を犯さず、偽りを言わず、欺くこともない。 静かで平和な生活を送り、安らかに眠りにつく。 だれにも脅かされることがない。」 14 シオン(エルサレム)の娘よ、歌え。 イスラエルよ、叫べ。 エルサレムの娘よ、心の底から喜び楽しめ。 15 神様はあなたを罰する手を引っ込め、あなたの敵を追い散らすからだ。 イスラエルの王である神様が、あなたのうちに住まわれる。 ついに、あなたの苦しみは終わる。 もう恐れることはない。…

ハガイ書 1

1 これは、ダリヨス一世の治世の第二年の八月下旬に、預言者ハガイに示された、神様からのお告げです。 ハガイはそれを、シェアルティエルの子でユダの総督ゼルバベルと、エホツァダクの子の大祭司ヨシュアとに伝えました。 この二人へのお告げだったからです。 2 「なぜ、今は神殿を再建する時期ではないと、だれもが言うのか」と、神様はお尋ねになります。 3-4 神様のお答えはこうです。 「神殿が荒れ果てたままなのに、おまえたちだけが、ぜいたくな家に住むべき時だろうか。 5 その結果はどうか。 6 いくら種をまいても、ほんのわずかしか収穫がない。 飲み食いにも事欠き、寒さを防ぐ衣服もない有様ではないか。 収入は、まるで底のぬけたポケットに入れるように、すぐなくなってしまう。」 7 天の軍勢の主はこうお語りになります。 「自分たちがどんなことをしてきたか、また、その結果どうなったかをよく考えよ。 8 さあ、山に登り、材木を切り出し、神殿を再建せよ。 わたしは喜んで受け入れ、わたしの栄光をそこに現わそう。 9 おまえたちは多くを望んでも、少ししか得られない。 それを家に持ち帰っても、わたしが吹き飛ばす。 結局、なくなってしまうのだ。 なぜか。 神殿が廃墟のままなのに、心にもかけないからだ。 わが家をよくすることばかりに気を配っている。 10 だから、わたしは雨を降らせず、わずかな収穫しか与えない。 11 平地にも高地にも、ひどい日照りをもたらす。 麦も、ぶどうも、オリーブも、他の穀物も、みな干からび、人も家畜も飢えに苦しむ。 いくら仕事に精を出しても、すべては水の泡だ。」 12 すると、シェアルティエルの子でユダの総督ゼルバベルと、エホツァダクの子の大祭司ヨシュアと、この地に残ったわずかな国民は、神様がハガイに示したお告げに従いました。 真剣に、神様を礼拝するようになったのです。 13 そのとき神様は再び、神様の使いであるハガイによって、彼らにお語りになりました。 「わたしはおまえたちと共にいて祝福する。」 14-15 こうして、神様が神殿再建の願いを起こさせたので、彼らはみなダリヨス王の治世の第二年の九月上旬に集まり、進んでその仕事に取りかかりました。

ハガイ書 2

1 その年の十月上旬に、神様は次のようなお告げを彼らに伝えるよう、ハガイに命じました。 2 総督と大祭司、およびこの地に残っているすべての者に、こう尋ねよ。 3 「おまえたちの中に、前にあった神殿を覚えている者がいるか。 それは栄光に輝く神殿であった。 それに比べると、今は、まるで無に等しいではないか。 4 だが、勇気を出せ、ゼルバベルよ、ヨシュアよ、全国民よ。 元気を出して働け。 天の軍勢の主がこうお語りになる。 『わたしはおまえたちと共にいる。 5 エジプトを脱出した時、わたしの霊がおまえたちにとどまる、と約束したとおりだ。だから、恐れるな。』 6 天の軍勢の主はこうお語りになるのだ。 『しばらくして、わたしは天と地を、また海と陸を揺り動かす。 7 すべての国をも揺り動かす。 すべての国の待ち望む方〔メシヤ〕が、この神殿に来て、ここをわたしの栄光で満たす。 8-9 この神殿の未来の栄光は、最初の神殿の輝きにまさるものとなる。 それに必要な金銀は、わたしが山ほど持っているからだ。 わたしは、ここに平和をもたらす。』」 10 ダリヨス王の治世の第二年の十二月上旬に、次のような神様からのお告げが、預言者ハガイによって示されました。 11 祭司たちに、おきてのことで次のように尋ねよ。 12 「おまえたちのうちだれかが、神聖ないけにえを着物に入れて運んでいて、着物がパンかぶどう酒か肉に触れたら、触れたものは聖なるものとなるか。」 祭司は答えました。 「いや、そんなことで聖なるものにはならない。」 13 ハガイは続けて尋ねました。 「だれかが死体に触れるなら、礼拝規則上は汚れる。 では、その人が何かに触れると、それも汚れるのか。」 「そのとおりだ。」 14 そこでハガイは、神様のために、もっとはっきり言いました。「おまえたちはみな、身勝手な態度をとり、良からぬ思いで日を過ごし、自分がささげるいけにえを汚している。 いや、いけにえだけではない。 わたしに対する務めまでも汚している。 15 それで、することなすことが、うまくいかなかったのだ。 だが、今からは違う。 神殿を建て始めたからだ。…

ゼカリヤ書 1

1 これは、ダリヨス王の治世の第二年の十一月上旬に、ベレクヤの子で、祭司イドの孫にあたるゼカリヤに、神様から示されたお告げです。 2 天の軍勢の主であるわたしは、おまえたちの先祖に激しい怒りを燃やした。 3 だが、おまえたちがわたしのもとに帰るなら、わたしもおまえたちのもとに帰り、恵みを与えよう。 4 先祖たちのようであってはならない。 先の預言者たちは、先祖伝来の悪の道から離れるように訴え続けてきたが、むだ骨に終わった。 「さあ、わたしのもとに帰れ」と語ったのに、いっこうに聞こうとせず、馬耳東風だった。 5-6 先祖も預言者も、とうの昔に死んでしまった。 だが、彼らが身をもってあかしした、「神のことばは永遠に保つ」という真理を忘れるな。 神のことばは彼らに迫り、彼らを罰した。 それで、ようやく悔い改めた。 その時、彼らは言った。 「当然の報いを受けたのです。 神様は警告どおりのことをなさいました。」 7 それから三か月後の二月に、神様から別のお告げが、夜の幻のうちにゼカリヤに示されました。 8 私は、川岸のミルトスの木の間に、一人の人が赤い馬にまたがっているのを見ました。 そのうしろに、赤、栗毛、白い馬が続き、それぞれ人が乗っています。 9 一人の御使いがそばに立っていたので、「この馬は何ですか」と尋ねました。 「話してあげよう」と彼は返事をしました。 10 そして、赤い馬に乗っていた人が答えました。 その人は、実は神様の御使いだったのです。 「神様が地上を巡回させておられるのだ。」 11 ほかの乗り手が、その神様の御使いに報告しました。 「世界中を巡回したところ、どこもかしこも、繁栄と平和を楽しんでいます。」 12 これを聞いて、神様の御使いは祈りました。 「ああ、天の軍勢の主よ。 七十年の間、あなたの怒りはエルサレムとユダの町々に荒れ狂いました。 いつまで待ったら、もう一度あわれみを施してくださるのでしょうか。」 13 神様は、私のそばに立っていた御使いに、慰めと確信に満ちたことばでお答えになりました。 14 そこで、御使いはこう私に命じたのです。 「天の軍勢の主から示されたお告げを、大声で告げよ。 ユダとエルサレムに起こったことに、わたしが無関心でいるとでも思うのか。 夫が、捕囚として連れ去られた妻を思うように、わたしも彼らのことを思っている。 15…